ピンチの後にチャンスはあるか
波乱含み
【注目イベント】
・10/3 米9月ISM非製造業景況指数
・米長期金利、主要国株価
【本文】
ドル/円は、日足チャート上で「ダブルトップ」が完成寸前だ。本日の東京市場では一時106.97円前後まで下落して9月24日安値106.96円前後に肉薄した。この106.96円前後を終値で下抜ければ、下落シグナルとされる「ダブルトップ」が完成する。下落トレンドに転換するピンチを迎えていると言っても良いだろう。
足元のドル安・円高のきっかけは、一昨日の米9月ISM製造業景況指数が予想外に悪化した事であり、これを受けて米景気の減速懸念が再燃するとともに、一時萎みかけていた10月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ観測が再浮上。昨日は米9月ADP全国雇用者数が予想に届かなかった事で、悲観ムードが一段と高まった。
こうした中、本日発表される米9月ISM非製造業景況指数の結果に注目が集まっている。これまで米経済が好調を維持してきたのは、貿易戦争による製造業の不振を、個人消費に支えられた非製造業がカバーしてきたからだ。それだけに、米9月ISM非製造業景況指数が予想以上に悪化するようだとドル/円を106円台に押し下げる公算が大きい。
無論、指数が予想に反して上昇するようなら不安はひとまず解消する事になるが、最終判断は明日の米9月雇用統計を確認してからというムードにもなりやすく、ドル/円の上値は限定的だろう。ただ、もし「ダブルトップ」を阻止できれば、今度は上昇シグナルとされる「ダブルボトム」の目も出てくる。あくまでもチャート上の話ではあるが、文字通り「ピンチの後にチャンスあり」となる可能性も残っている。