■テックファームホールディングス<3625>の業績動向
2. 事業セグメント別の動向
(1) SI事業(ソフトウエア受託開発事業)
SI事業の売上高は前期比15.5%増の5,065百万円、セグメント利益は同43.6%増の1,300百万円と大幅増収増益となった。既存顧客の開発・運用保守案件が拡大したことに加えて、注力分野である付加価値の高いIoT/AI関連の受注が順調に推移したこと、また、顧客の新規ビジネスを具現化するサービスデザイン等の上流工程案件の受注が増加したことが要因だ。Webサイトやアプリの開発といった単純な開発案件の比率が大幅に低下したことやプロジェクト管理による生産性向上等が引き続き寄与し、利益率も前期の20.6%から25.7%へ大きく上昇した。
主要顧客・業種別売上で見ると、NTTドコモ向けはAIエージェントサービス「my daiz(マイデイズ)」の開発が一段落したことで前期比7.5%減の1,488百万円と減少したものの、営業活動を強化した金融系が同33.7%増の1,131百万円、エンタメ系が同136.7%増の464百万円とそろって好調に推移し、その他顧客向けも同14.3%増の1,983百万円と増加した。金融機関では顧客向けの新規サービス開発案件、エンタメ系企業ではVR/AR等の先進技術を活用した開発案件等が寄与した。また、IoT/AI関連の売上高は前期比横ばい水準となり、売上構成比は約30%となっている。高付加価値案件の受注増加によって、顧客当たり平均単価は前期の35百万円から40百万円に上昇した。
(2) 自動車アフターマーケット
自動車アフターマーケット事業の売上高は前期比3.4%増の1,601百万円、セグメント利益は同64.1%減の45百万円となった。売上高は西日本豪雨や北海道地震など度重なる自然災害発生の影響により、期の前半は低調に推移したものの、後半は自動車整備システムの販売を中心に挽回し、通期では連続増収となった。顧客数も前期末の約1,400社から約1,500社と順調に拡大している。
一方、利益面では前期より本格的に販売を開始した大規模顧客向け部品商システムの不具合発生によるシステム改修を優先し、利益率の高い部品商・ガラス商向けの販売を手控えたこと、並びに自動車整備システムのクラウド化に向けた開発費用の増加等が減益要因となった。
銀行からの借入等による総額20億円の資金調達枠を活用して今後の事業拡大を推進していく方針
3. 財務状況と経営指標
2019年6月期末の財務状況を見ると、資産合計は前期末比309百万円増加の5,880百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では現金及び預金・有価証券が66百万円減少した一方で、受取手形及び売掛金が207百万円増加した。固定資産ではのれんが45百万円増加した。EBEののれんについては一括償却したものの、新たに子会社化したWe Agriののれん737百万円を計上している。
負債合計は前期末比458百万円増加の1,901百万円となった。有利子負債が174百万円増加したほか、支払手形及び買掛金が146百万円、賞与引当金が45百万円増加した。また、純資産は前期末比149百万円減少の3,978百万円となった。We Agriの子会社化により非支配株主持分が63百万円増加した一方で、自己株式の増加189百万円(減少要因)や配当金支出22百万円が減少要因となった。
経営指標を見ると、自己資本比率は自己株式の取得等による株主資本の減少により、前期末比で7.7ポイント低下したものの64.6%と高水準であり、有利子負債残高の水準も低く財務の健全性は維持されているものと判断される。一方、収益性については営業利益率で前期比1.4ポイント上昇の10.9%とここ数年上昇傾向が続いている。同社は今後の更なる事業拡大と企業価値向上に向けて、M&Aを含めた積極的な投資を推進していく戦略だが、必要となる資金については金融機関からの借入等で賄っていく方針を示している。2019年6月に発行した社債5億円に加えて、複数の金融機関と総額15億円のコミットメントライン契約及び当座貸越契約を既に締結済みで、これらの資金調達枠を活用することで機動的に投資を実行していくことになる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2. 事業セグメント別の動向
(1) SI事業(ソフトウエア受託開発事業)
SI事業の売上高は前期比15.5%増の5,065百万円、セグメント利益は同43.6%増の1,300百万円と大幅増収増益となった。既存顧客の開発・運用保守案件が拡大したことに加えて、注力分野である付加価値の高いIoT/AI関連の受注が順調に推移したこと、また、顧客の新規ビジネスを具現化するサービスデザイン等の上流工程案件の受注が増加したことが要因だ。Webサイトやアプリの開発といった単純な開発案件の比率が大幅に低下したことやプロジェクト管理による生産性向上等が引き続き寄与し、利益率も前期の20.6%から25.7%へ大きく上昇した。
主要顧客・業種別売上で見ると、NTTドコモ向けはAIエージェントサービス「my daiz(マイデイズ)」の開発が一段落したことで前期比7.5%減の1,488百万円と減少したものの、営業活動を強化した金融系が同33.7%増の1,131百万円、エンタメ系が同136.7%増の464百万円とそろって好調に推移し、その他顧客向けも同14.3%増の1,983百万円と増加した。金融機関では顧客向けの新規サービス開発案件、エンタメ系企業ではVR/AR等の先進技術を活用した開発案件等が寄与した。また、IoT/AI関連の売上高は前期比横ばい水準となり、売上構成比は約30%となっている。高付加価値案件の受注増加によって、顧客当たり平均単価は前期の35百万円から40百万円に上昇した。
(2) 自動車アフターマーケット
自動車アフターマーケット事業の売上高は前期比3.4%増の1,601百万円、セグメント利益は同64.1%減の45百万円となった。売上高は西日本豪雨や北海道地震など度重なる自然災害発生の影響により、期の前半は低調に推移したものの、後半は自動車整備システムの販売を中心に挽回し、通期では連続増収となった。顧客数も前期末の約1,400社から約1,500社と順調に拡大している。
一方、利益面では前期より本格的に販売を開始した大規模顧客向け部品商システムの不具合発生によるシステム改修を優先し、利益率の高い部品商・ガラス商向けの販売を手控えたこと、並びに自動車整備システムのクラウド化に向けた開発費用の増加等が減益要因となった。
銀行からの借入等による総額20億円の資金調達枠を活用して今後の事業拡大を推進していく方針
3. 財務状況と経営指標
2019年6月期末の財務状況を見ると、資産合計は前期末比309百万円増加の5,880百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では現金及び預金・有価証券が66百万円減少した一方で、受取手形及び売掛金が207百万円増加した。固定資産ではのれんが45百万円増加した。EBEののれんについては一括償却したものの、新たに子会社化したWe Agriののれん737百万円を計上している。
負債合計は前期末比458百万円増加の1,901百万円となった。有利子負債が174百万円増加したほか、支払手形及び買掛金が146百万円、賞与引当金が45百万円増加した。また、純資産は前期末比149百万円減少の3,978百万円となった。We Agriの子会社化により非支配株主持分が63百万円増加した一方で、自己株式の増加189百万円(減少要因)や配当金支出22百万円が減少要因となった。
経営指標を見ると、自己資本比率は自己株式の取得等による株主資本の減少により、前期末比で7.7ポイント低下したものの64.6%と高水準であり、有利子負債残高の水準も低く財務の健全性は維持されているものと判断される。一方、収益性については営業利益率で前期比1.4ポイント上昇の10.9%とここ数年上昇傾向が続いている。同社は今後の更なる事業拡大と企業価値向上に向けて、M&Aを含めた積極的な投資を推進していく戦略だが、必要となる資金については金融機関からの借入等で賄っていく方針を示している。2019年6月に発行した社債5億円に加えて、複数の金融機関と総額15億円のコミットメントライン契約及び当座貸越契約を既に締結済みで、これらの資金調達枠を活用することで機動的に投資を実行していくことになる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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