ソフトブレーン Research Memo(8):新製品投入による顧客層の拡大で、2021年以降成長が加速する見通し

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最新投稿日時:2019/09/02 15:08 - 「ソフトブレーン Research Memo(8):新製品投入による顧客層の拡大で、2021年以降成長が加速する見通し」(フィスコ)

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ソフトブレーン Research Memo(8):新製品投入による顧客層の拡大で、2021年以降成長が加速する見通し

配信元:フィスコ
投稿:2019/09/02 15:08
■中期経営計画

2. 事業別成長戦略
(1) 営業イノベーション事業
営業イノベーション事業における市場環境は、引き続き追い風が続く見通しだ。国内の生産年齢人口が減少傾向をたどるなかで、企業にとっては「生産性向上」と「売上拡大」が経営の重要課題となっており、それを解決するソリューションとして、ソフトブレーン<4779>の「eセールスマネージャー」(仕組みづくり)や営業コンサルティング、トレーニングサービス(型づくり)の需要も拡大すると見られるためだ。また、前述したように「働き方改革関連法」の施行により、従来以上に企業側で生産性向上に対する関心が高まっていることも追い風となる。残業時間の上限規制に関しては、2020年4月以降中小企業も運用対象となるが、中小企業は大企業より人材不足が深刻なため、営業部門の生産性向上に寄与するツールの導入が加速していくものと予想される。現在、同社で開発を進めているセルフサーブ型の「eセールスマネージャーRemix MS」はこうした中小企業のニーズに応えるサービスとして打ってつけのツールとなり、顧客層の裾野が拡大することにより、成長スピードも加速していくものと予想される。

対象市場のポテンシャルは、日本の全企業(約410万社)、総営業員数260万人のうち、IT投資余力のある「大企業」と「黒字の中堅・中小企業」となり、社数で見れば約22万社、営業人員で160万人がターゲットとなる。同社の推計によれば、SFAの導入比率はターゲットとする約22万社のうち14%程度とまだ低く、また、導入してもアクティブにその機能を使いこなせている企業は全体の3.5%にしか過ぎないと見ている。アクティブ率に関しては、同社が営業活動を行うなかで他社製品を利用している企業の利用状況などから推計している。こうした状況を見ても、SFAの今後の成長ポテンシャルは大きいと言えるだろう。

中堅・中小企業を顧客ターゲットとした「eセールスマネージャーRemix MS」は2017年末にリリースして以降は、製品としての完成度を上げるための試験導入期間と位置付け、インサイドセールス(電話、メール等)で顧客ニーズを収集し、機能の見直しを進めてきた。同サービスはセルフサーブ型で、顧客自身がオンラインで導入、各種設定、契約まですべてを完結できるサービスとなるため、IT人材がいない企業にとっては導入が容易ではなく、こうした企業でも容易に導入・活用し、その効果を確認できるまでのサービスとして製品を仕上げるためだ。具体的には、UIの変更等も含めてより簡便に導入できる仕組みづくりや、要望の多い機能の追加実装、活用支援サイトのリニューアル等を実施してきたが、ほぼ完成形に近い形が見えてきたことから、2020年にプロモーション活動を本格的に開始する意向であることを明らかにしており、2020年12月期以降の動向が注目される。なお、同社のセルフサーブ型の仕組み(アンケートをもとに自動的に業務にフィットしたシステム環境を用意するプログラム)は、2018年にビジネス特許を取得しており、今後の差別化要因となる可能性がある。

そのほか、中期経営計画での新たな取り組みとして、金融や不動産など「特定業種」向けのSFAツールを、業界大手の協力を仰ぎながら開発し、業界内での顧客開拓を進めていく計画であったが、既存サービスの強化と「eセールスマネージャーRemix MS」の育成にリソースを集中していく方針とし、「特定業種」向けの開発については先送りする意向となっている。

中期経営計画での業績目標は、2020年12月期に売上高65億円、営業利益で12億円、営業利益率18%を掲げており、計画にはセルフサーブ型「eセールスマネージャーRemix MS」を織り込んでおらず、既存サービスのみの成長を前提としている。営業利益率に関しては開発投資を継続的に行っていくため18%の水準を維持していく計画となっているが、ストック収益の売上比率に関しては2018年12月期実績の5割弱から7割程度まで引き上げていく計画となっている。2021年以降は、企業でのSFAの普及が一段と加速化するほか、新製品の収益貢献も見込まれることから、売上成長率は年率20~30%と加速化し、高成長フェーズに入ると同社では見ている。

(2) フィールドマーケティング事業
フィールドマーケティング事業を取り巻く市場環境は、少子高齢化の進展や企業の働き方改革への取り組み、アウトソーシングの活用などによって今後も追い風が続くと予想される。特に、女性活躍推進法など女性労働力の活用を促進する法整備が進んでいることもあり、新たな労働力として主婦層の活用が進むと見られる。

同社の推計によれば、消費財メーカーの店舗ラウンダーの市場規模は1,000億円程度(潜在需要含む)と見られ、このうち同社の売上は37億円と約3%の水準となっている。消費財メーカーのラウンダー業務は今後もアウトソーシング化が進むと見られ、同市場だけでも売上げの成長余地は大きいが、同社は更なる成長を目指すため、フィールド(営業)市場のアウトソーシング需要も取り込み始めている。既にBtoB企業に対して営業代行業務の受注実績が出始めており、今後も特定スキルが不要な分野で積極的にフィールドマーケティングの提案を推進し、受注獲得につなげていく方針だ。ラウンダー市場も含めたフィールド市場は2兆円規模(アウトソーシング率10%と仮定)となり、その大部分はまだアウトソースされていない潜在需要であり、今後の成長ポテンシャルは大きいと見ている。

そのほか、新サービスとして取り組んでいる「Point of Buy®」(購買理由データ提供サービス)についても注目される。現在は消費者購買データ量の拡充を進めるための先行投資段階だが、データ収集体制が構築できれば付加価値の高いサービスとして収益柱に育つ可能性がある。同社の計画では購買理由付きデータの収集体制を2019年に月間100万枚、2020年に同300万枚まで拡大することを目指している。月間300万枚の購買理由付きデータを収集することができれば日本で最大級のデータ量となり、既存のPOSデータを使った購買データと信頼性はほぼ遜色がなくなるだけでなく、購買理由といった付加価値データが加わるため、企業のマーケティング戦略上、有効なデータとして活用される可能性が高まると考えられる。企業側から見れば、自社及び競合商品の販売動向だけでなく、消費者の購買理由なども分析することが可能になるためだ。このため、同社はアンケート会員を増やすため、会員を多く抱える企業との業務提携を今後も積極的に推進していく方針となっている。

中期経営計画での業績目標は、2020年12月期に売上高39億円、営業利益で3.4億円、営業利益率9%を掲げているが、前述したとおり、2019年12月期第2四半期までは計画を上回る進捗となっており、1年前倒しで目標を達成する可能性も見えてきている。同事業についても2021年以降はフィールド市場に事業領域を拡大していくことや、「Point of Buy®」サービスが立ち上がることによって、売上成長率は年率10~20%と加速していく見通しとなっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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配信元: フィスコ

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