IMM日本円も2016年来の買い持ち高が最高
その後、トランプ大統領からの第四弾制裁関税に関する一部延期報道によって、一気にショートカバーが入ったことで107円まで上昇することとなりました。
しかし、世界的な景気減速懸念の高まりが根強く、再び106円割れになる展開となりボラティリティの高さが目立った一週間でした。
■さて、今週は以下のことに注目したいと思います。
・22日から始まるジャクソンホールでのシンポジウム
・22日の8月製造業購買担当者景気指数(PMI)
■まず、先週のトランプ大統領からの制裁関税延期に関しては、相場のタイミングとしても下げ渋っていたところでのサプライズだったこともあり、ある程度は読めていたところはあります。
ある意味、現在の相場が米中問題を未だに重要視していることが確認できたという解釈にもなりました。
来月、米中閣僚級で再度、交渉再開といわれているものの、依然としてその出口が見えていないのも現状です。
今回の延期措置も米国内での景気に配慮した格好になっているだけで、何ら交渉が進展したということではありません。
■また、今回の200pipsのショートカバーも日本のお盆休みといった薄商いのところもある意味狙われたところはあります。
米中問題の関しては引き続き注目材料であることは間違いないですが、この問題の解決がつかない限り、「リスクオン」は皆無だと思っております。
■むしろ冷戦時代の到来を意味しているようにもみえます。
長引くほど世界経済に影響を与えることは確かです。そんな中での香港デモ問題やカシミール争いが米中の関係をさらに悪化させるだけに、今週も引き続き見ていきたいと思います。
■世界経済は景気後退入りを警戒する中、今週のジャクソンホールでの会合に注目したいと思います。特に23日にはパウエル議長による講演が予定されているので、現状の景気と今後のFRBのスタンスはどのように考えているのかに注目したいと考えています。
■また、米国内の景気が後退するかどうかの注目経済指標がこのPMIになります。
先月の発表では50.4と大台割れ寸前まで下落しています。
事前予想では50.5となっていますが、予想値との乖離、特にネガティブサプライズには警戒したいです。
更に、米国の30年国債の金利が過去最低を記録し、債券相場の動向も注視したいところです。
同様に英国も逆イールド状態になっており、景気後退シグナルが各国発動する恐れがあるので、各中央銀行の金融スタンスにも目を配りたいです。
■最後にドル円のテクニカルです。
先週、一旦ショートカバーが入ったので相場的には一息ついたところはありそうです。
しかし、依然として日足チャートを見てわかるように、基本は下目線です。
イメージとして今週は105円から107円のレンジを予想しています。
つまり107円近辺では「売り」、新規での買いは見送り、105円割れでは追撃の「売り」を仕掛けたいと考えています。こんな政治経済や地政学の中ではやはり「円買い」が有利だと思います。
IMM日本円も2016年来の買い持ち高が最高になっているのでそのあたりも参考にしたいです。