ストライク 荒井邦彦社長インタビュー

最新投稿日時:2019/08/14 14:00 - 「ストライク 荒井邦彦社長インタビュー」(みんかぶマガジン)

ストライク 荒井邦彦社長インタビュー

中小企業向けM&A需要好調、スタートアップ市場を開拓へ

荒井邦彦氏
ストライク 代表取締役社長


 
 M&A仲介会社、ストライク <6196> の業績が拡大している。16年6月に東証マザーズに新規上場した同社は翌年東証1部へ市場変更。19年8月期も最高益更新が予想されている。後継者不足に悩む中小企業向けM&A需要を開拓し、順調な成長を続ける同社の今後の経営戦略について荒井邦彦社長に聞いた。

――まずは、改めて簡単な事業の説明をお願いします

 当社はM&Aの仲介業務を展開しています。私の前職は公認会計士で、その業務を通じてM&A取引に携わりました。そこでM&Aに関わる事業のスケールの大きさに感銘を受け、1997年に設立したのがストライクです。当社は、日本で最初にインターネットを通じて会社を売った実績があり、いまもインターネットを活用したノウハウは、M&A業者のなかで一番持っているという自負があります。

 事業の内訳は、売り上げの6割程度が中小企業向けを中心とする事業承継のM&Aです。経営者の高齢化が進むなか、中小企業の3社に2社は後継者がいないと言われており、事業承継の問題を抱えています。当社は、M&Aを通じて後継者難の中小企業の新しい親会社を探すなどの形で事業承継問題に取り組んでいます。残りの4割のうち2割は、企業が事業の選択と集中を実施した際のノンコア事業の売却に絡むM&A、1割は経営が立ちいかなくなった企業に対する救済型のM&A。そして1割はベンチャー企業の出口戦略に絡むM&Aなどです。

――足もとの中小企業向けM&Aの状況はいかがでしょうか

 中小企業向けM&Aの需要は堅調です。いまのように金融緩和でお金がだぶついているような状況では、買収意欲が旺盛な企業は少なくありません。一方、売り手側の中小企業は、景気とはあまり関係なく、経営者自身の健康状態や身内の状況などを考慮して会社を売ろうとする場合が多いですね。売り手より買い手が多いのが実情です。

――今期も最高益見通しと業績は好調ですね

 19年8月期は売上高45億4500万円、営業利益は15億9100万円を見込んでいます。第3四半期を終えたところでは、ほぼ計画通りに推移しています。M&Aの今期計画の受託件数266件に関しては順調ですが、120組を予定している成約組数は計画に対してやや遅れています。第4四半期で成約組数は積み上げる予定ですが、当社は国内M&A市場での成約数トップを目指しており、成約組数にはこだわっていきたいと考えています。
 

 
――上場から3年を振り返り達成できたことは何ですか。また、取り組まなければいけないことは

 やり残したことは多く、まだまだ課題だらけです。ただ、その分、伸びしろは大きいとも言えると思います。強いて達成できたことを挙げれば、株式上場の効果もあり、M&Aコンサルタントの採用は順調です。上場した年に28人だったコンサルタントは今年5月末時点で93人に増えました。当社にとって良い人材を採用することは非常に重要なことです。

 一方、成約組数を増やしていくことが、やはり課題です。新人の戦力化も含めて、安定的に組数を成約できるよう案件の進捗管理の仕組みを確立していく必要があります。この課題を克服するために昨年には案件の進捗を管理する『業務支援部』を作り、複雑な案件をサポートするなどのバックアップ体制を構築することに努めています。

――M&Aの総合情報サイト「M&A Online」の新サービスを7月に開始しました、その内容は

 M&Aアドバイザーには譲渡・買収のどちらか一方側にしか関与しない方針の企業があります。そんなアドバイザリーファームから、案件を借りてきて『M&A Online』に案件情報として匿名で掲載します。これは買い手企業のニーズに応えることになります。すでにアドバイザリーファンド30社程度から賛同をいただいております。今後、参加者数を100社ほどに増やし、現在の110ほどの掲載案件を5年後には1000前後に増やしたいと思います。また、求社広告も始めました。これは企業が実名で名乗り出て、こんな会社を買いたいという広告を打つものです。社名は外部には公開しません。同業他社の力も借りる形でM&A OnlineをM&Aのポータルサイトにしたいと考えています。

――今後、新たに取り組みたいことは何ですか

 スタートアップ企業の出口戦略としてのM&A事業には、積極的に取り組みたいと考えています。中小企業の事業承継は、その企業を残すことにより、地域経済へ貢献ができます。これは中小企業の廃業というマイナス要素を防ぐことにつながります。ただ、直接的なプラス効果という点では限られる面はあります。その点、スタートアップの出口戦略としてのM&Aは日本経済に新しい産業を生み出すという点でプラス面での貢献ができる分野だと思います。スタートアップ企業に対するM&Aもニッチな市場であり、他社を含めまだ手掛けているところも多くはないだけに、新たに開拓したい分野です。

◇荒井邦彦(あらい・くにひこ)
ストライク代表取締役社長(公認会計士・税理士)。1970年千葉県生まれ。一橋大学商学部卒。93年太田昭和監査法人(現EY新日本有限責任監査法人)入社。97年にストライクを設立。

◇ストライク
https://www.strike.co.jp/

配信元: みんかぶマガジン

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