■今後の見通し
1. 2019年9月期の業績見通し
ティア<2485>の2019年9月期の連結業績は、売上高が前期比4.7%増の12,885百万円、営業利益が同16.9%減の1,100百万円、経常利益が同18.5%減の1,060百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同21.9%減の700百万円と期初計画を据え置いている。業績の前提条件に変更はなく、売上高については既存店で前期比1.1%増(葬儀件数で1.6%増、葬儀単価で0.5%減※)と堅調に推移することに加えて、新規出店効果やFC事業の拡大によって連続増収が続く見通し。新店効果も含めた直営の葬儀件数は前期比6.1%増の10,877件を見込んでいる。増収を見込む一方で、利益については今後の成長加速に向けた事業基盤を強化するため、「THRC」の開設など人財投資を積極的に行っており、非連続的な費用増として264百万円(人件費、減価償却費等)を計上することが減益要因となる。
※既存店の葬儀件数伸び率は直近2年間の平均値に過去の趨勢を考慮して算出し、葬儀単価については業績予想策定時点の実績を参考に設定している。
なお、第2四半期までで経常利益が会社計画に対して204百万円上回っており、下期に同額分の減益要因を織り込んだ格好となっている。具体的には、下期の出店計画修正による費用増で28百万円、既存会館の改修を前倒しで実施することによる費用増で57百万円、葬儀単価の低下リスクで98百万円、その他費用増で21百万円となる。
このうち新規出店については、通期で10店舗(会館7店舗、サロン3店舗)の計画に対して、上期実績で会館が1店舗、サロンが3店舗の出店となっており、下期に会館で6店舗を出店することとなった(期初計画では下期の会館出店は4店舗)。用地は既に確保済みであり、うち1~2店舗を第3四半期に、残りを第4四半期にオープンする予定となっている。また、FC店舗については通期で7店舗の計画に対して、上期実績で1店舗。下期は2店舗が確定しており、残りについては新規FC契約の交渉も含めて、流動的となっている。
葬儀単価の下落に関しては、2019年9月期第2四半期(2019年1月-3月)の前年同期比を参考に試算したとしている。直営店の下期の葬儀件数は5千件前後になると予想されることから、下期の平均単価は期初計画から1.7~1.8%程度引き下げた保守的な前提になっているものと思われる。
売上原価率は前期比0.3ポイント上昇の61.0%を見込む。このうち、商品原価率については車両業務や湯灌・納棺業務の内製化に加えて、接客業務(セレモニーアシスタント)や供花等の内製化に取り組むことで同1.0ポイント低下の32.1%を見込んでいるが、上期で31.9%まで低下していることから保守的な水準と言える。一方、労務費率については業務の内製化や出店加速により同1.0ポイント上昇の8.9%、雑費率は同0.2ポイント上昇の19.9%を見込んでいる。また、販管費率も前期比1.9ポイント上昇の30.5%を見込んでいる。新卒社員や中途採用の積極採用により人件費が増加するほか、「THRC」の開設に伴う経費増や広告宣伝費の増加、基幹システムの改修に伴う修繕費用の増加などが販管費率の上昇要因となる。なお、新卒採用については前期実績の17名に対して40名と大幅増を計画していたが、33名の入社となった。このため、人件費については当初計画を下回る可能性が高く、利益の上振れ要因となる。
以上から、利益面では保守的な印象が強く、葬儀件数が下期も順調に伸びれば、通期についても業績計画を上振れする可能性が高いと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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1. 2019年9月期の業績見通し
ティア<2485>の2019年9月期の連結業績は、売上高が前期比4.7%増の12,885百万円、営業利益が同16.9%減の1,100百万円、経常利益が同18.5%減の1,060百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同21.9%減の700百万円と期初計画を据え置いている。業績の前提条件に変更はなく、売上高については既存店で前期比1.1%増(葬儀件数で1.6%増、葬儀単価で0.5%減※)と堅調に推移することに加えて、新規出店効果やFC事業の拡大によって連続増収が続く見通し。新店効果も含めた直営の葬儀件数は前期比6.1%増の10,877件を見込んでいる。増収を見込む一方で、利益については今後の成長加速に向けた事業基盤を強化するため、「THRC」の開設など人財投資を積極的に行っており、非連続的な費用増として264百万円(人件費、減価償却費等)を計上することが減益要因となる。
※既存店の葬儀件数伸び率は直近2年間の平均値に過去の趨勢を考慮して算出し、葬儀単価については業績予想策定時点の実績を参考に設定している。
なお、第2四半期までで経常利益が会社計画に対して204百万円上回っており、下期に同額分の減益要因を織り込んだ格好となっている。具体的には、下期の出店計画修正による費用増で28百万円、既存会館の改修を前倒しで実施することによる費用増で57百万円、葬儀単価の低下リスクで98百万円、その他費用増で21百万円となる。
このうち新規出店については、通期で10店舗(会館7店舗、サロン3店舗)の計画に対して、上期実績で会館が1店舗、サロンが3店舗の出店となっており、下期に会館で6店舗を出店することとなった(期初計画では下期の会館出店は4店舗)。用地は既に確保済みであり、うち1~2店舗を第3四半期に、残りを第4四半期にオープンする予定となっている。また、FC店舗については通期で7店舗の計画に対して、上期実績で1店舗。下期は2店舗が確定しており、残りについては新規FC契約の交渉も含めて、流動的となっている。
葬儀単価の下落に関しては、2019年9月期第2四半期(2019年1月-3月)の前年同期比を参考に試算したとしている。直営店の下期の葬儀件数は5千件前後になると予想されることから、下期の平均単価は期初計画から1.7~1.8%程度引き下げた保守的な前提になっているものと思われる。
売上原価率は前期比0.3ポイント上昇の61.0%を見込む。このうち、商品原価率については車両業務や湯灌・納棺業務の内製化に加えて、接客業務(セレモニーアシスタント)や供花等の内製化に取り組むことで同1.0ポイント低下の32.1%を見込んでいるが、上期で31.9%まで低下していることから保守的な水準と言える。一方、労務費率については業務の内製化や出店加速により同1.0ポイント上昇の8.9%、雑費率は同0.2ポイント上昇の19.9%を見込んでいる。また、販管費率も前期比1.9ポイント上昇の30.5%を見込んでいる。新卒社員や中途採用の積極採用により人件費が増加するほか、「THRC」の開設に伴う経費増や広告宣伝費の増加、基幹システムの改修に伴う修繕費用の増加などが販管費率の上昇要因となる。なお、新卒採用については前期実績の17名に対して40名と大幅増を計画していたが、33名の入社となった。このため、人件費については当初計画を下回る可能性が高く、利益の上振れ要因となる。
以上から、利益面では保守的な印象が強く、葬儀件数が下期も順調に伸びれば、通期についても業績計画を上振れする可能性が高いと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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