■業績動向
2. 明光ネットワークジャパン<4668>の事業セグメント別動向
(1) 明光義塾直営事業
明光義塾直営事業の売上高は前年同期比9.3%増の5,273百万円、セグメント利益は同2.2%減の657百万円となった。ケイラインの子会社化の影響を除いた既存事業ベースで見ると売上高は前年同期比3.3%減、セグメント利益は同4.4%減となった。同社直営事業の売上高は前年同期比4.1%減の3,205百万円、営業利益は同1.6%減の554百万円、子会社の(株)MAXISエデュケーション(以下、MAXIS)の売上高は同1.4%減の1,459百万円、営業利益は同11.6%減の160百万円となり、ケイラインの売上高は609百万円、営業利益は44百万円であった。なお、MAXISとケイラインにかかるのれん償却費は合計101百万円(前年同期は71百万円)で、のれん償却前セグメント利益で見ると前年同期比2.0%増と若干ながら増益となっている。販促費の減少とケイラインの上乗せ効果によるものだが、相対的に利益率の低いケイラインが加わったこと等により、収益性については若干低下した。
各指標を見ると、当第2四半期末における同社直営事業における教室数は前年同期比0.9%減の231教室、期中平均生徒数は同6.1%減の15,933名、教室当たり平均生徒数は同5.5%減の68.9名といずれも減少傾向が続いたが、生徒当たり売上高は同2.1%増と増加した。一方、MAXISの教室数は前年同期比1.1%減の94教室、期中平均生徒数は同1.1%減の6,672名とそれぞれ微減となったものの、教室当たり平均生徒数は同0.8%増の71.6名とわずかながら改善した。ただ、冬期講習の受講者数が伸び悩んだことにより、生徒当たり売上高は同0.3%減と低下している。
生徒数の回復を図る差別化戦略として、2017年秋より直営教室で導入を開始した「MEIKO式コーチング」の効果については、当第2四半期までの生徒数を見る限り、限定的なものにとどまっていると思われ、顧客への認知度を広めていくための施策や教務力の強化が今後の課題となる。
(2) 明光義塾フランチャイズ事業
明光義塾フランチャイズ事業の売上高は前年同期比1.5%減の2,568百万円、セグメント利益は同33.7%増の1,184百万円と減収増益となった。FC教室数及び生徒数の減少に伴うロイヤルティ売上の減少(132百万円)が減収要因となったものの、販促費の減少(285百万円)が増益要因となった。
当第2四半期末の教室数は前年同期比4.9%減の1,653教室(ケイライン含みで同2.5%減)、期中平均生徒数は同10.1%減の95,115名(同7.5%減)、1教室当たり平均生徒数は同5.4%減の57.5名(同5.0%減の57.8名)となり、直営事業と同様に教室数、生徒数、1教室当たり平均生徒数の減少が続いている。また、1教室当たりのロイヤルティ売上については前年同期比2.6%減と生徒数の減少率よりも小幅にとどまっており、FC教室においても生徒当たり売上は増加していることがうかがわれる。とはいえ、FC教室においても教室当たり生徒数の減少傾向が続いており、まずは教室当たり生徒数を増やし、各教室の収益力を高めていくことがFC事業においても重要課題となっている。
(3) 予備校事業
連結子会社の(株)東京医進学院による予備校事業は、売上高が前年同期比7.5%減の216百万円、セグメント損失が4百万円(前年同期は16百万円の損失)となった。医科系予備校においても生徒獲得競争が年々激化しており、2018年春の新規入学生徒数が低迷したことが減収要因となったが、コスト削減効果により損失額は若干縮小した。当第2四半期末における生徒数は前年同期比18.6%減の79名となっている。売上単価の低い現役高校生の落ち込みが相対的に大きかったため、生徒数に対する売上高の減少率は小幅にとどまった。
(4) その他事業
その他事業の売上高は前年同期比3.5%減の2,034百万円、セグメント利益は同8.0%減の257百万円となった。キッズ事業や日本語学校事業などは順調に拡大したものの、ユーデックや晃洋書房の業績悪化が足かせ要因となった。
主力事業の動向を見ると、早稲田アカデミー個別進学館の売上高は前年同期比1.3%減の265百万円、営業利益は2倍増の18百万円となった。当第2四半期末の校舎数は前年同期比横ばいの35校(同社直営7校、MAXIS直営5校、FC校11校、早稲田アカデミー直営12校)、在籍生徒数は全校舎で同6.4%増の2,577名、1校舎当たり平均生徒数は同6.4%増の73.6名と順調に増加した。当期はFC校の新設がなかった(前年同期は2校新設)こともあり、売上高は微減収となったものの、早稲田アカデミー<4718>との合同講師研修等を実施するなど連携を強化し、受験指導サービスの質の向上に取り組んだほか、難関校への合格実績も増え始めたことで生徒数は着実に増加した。利益面では、経費の減少もあって増益となった。
キッズ事業は学童保育の需要増加を追い風に、売上高で前年同期比32.7%増の167百万円、営業利益で4百万円(前年同期は5百万円の損失)となった。当第2四半期末のスクール数は19スクール(直営7スクール、学童クラブ施設1施設、運営受託等11施設)で前年同期比4スクール増加(運営受託等で4施設増)、在籍スクール生は同7.1%増の1,009名となり、早期に収益化が可能な運営受託サービスを強化したことが利益増に貢献した。
サッカー事業の売上高は前年同期比4.1%減の65百万円、営業利益は5百万円(前年同期は1百万円の利益)となった。当第2四半期末のスクール数は前年同期比2校減の13校(統廃合により直営で2校減の12校、FC1校)となり、生徒数も同4.0%減の906名となったことで減収となったが、運営面での効率化を図ったことで利益は増益となった。具体的には、前下期からスクール形態を、「明光サッカーアカデミー」(将来のプロ選手を目指すための本格的な技術を身に付けることを目的としたスクール)と、「明光サッカースクール」(実践的なスキルを身に付けサッカーがうまくなる楽しさを提供するスクール)の2形態に分けて運営を行っている。
外国人向け日本語学校事業は連結子会社の(株)早稲田EDUが運営する「早稲田EDU日本語学校」と、国際人材開発(株)が運営する「JCLI日本語学校」の2校を運営している。当第2四半期末の生徒数は2校合計で前年同期比1.9%増の1,874名(早稲田EDU日本語学校643名、JCLI日本語学校1,231名)と増加基調が続いた。売上高は生徒数の増加に伴い前年同期比3.5%増の674百万円と増収基調が続き、営業利益も同20.7%増の105百万円となった。なお、のれん償却費として84百万円を計上しているため、実際の収益力を示すのれん償却前営業利益率では28.0%と高収益事業となっていることがわかる。
連結子会社の古藤事務所やユーデック、晃洋書房を合計した学校支援事業については、売上高で前年同期比11.6%減の809百万円、営業利益で同32.3%減の126百万円と減収減益になった。古藤事務所については売上高で前年同期比3.3%増の416百万円、営業利益も増益となり会社計画どおりの進捗となったが、ユーデックの売上げが進学模試等の受注減により同22.1%減の276百万円、晃洋書房も新刊の発行点数が前年同期を下回ったことで同26.2%減の116百万円とそれぞれ2ケタ減収となったことが要因だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2. 明光ネットワークジャパン<4668>の事業セグメント別動向
(1) 明光義塾直営事業
明光義塾直営事業の売上高は前年同期比9.3%増の5,273百万円、セグメント利益は同2.2%減の657百万円となった。ケイラインの子会社化の影響を除いた既存事業ベースで見ると売上高は前年同期比3.3%減、セグメント利益は同4.4%減となった。同社直営事業の売上高は前年同期比4.1%減の3,205百万円、営業利益は同1.6%減の554百万円、子会社の(株)MAXISエデュケーション(以下、MAXIS)の売上高は同1.4%減の1,459百万円、営業利益は同11.6%減の160百万円となり、ケイラインの売上高は609百万円、営業利益は44百万円であった。なお、MAXISとケイラインにかかるのれん償却費は合計101百万円(前年同期は71百万円)で、のれん償却前セグメント利益で見ると前年同期比2.0%増と若干ながら増益となっている。販促費の減少とケイラインの上乗せ効果によるものだが、相対的に利益率の低いケイラインが加わったこと等により、収益性については若干低下した。
各指標を見ると、当第2四半期末における同社直営事業における教室数は前年同期比0.9%減の231教室、期中平均生徒数は同6.1%減の15,933名、教室当たり平均生徒数は同5.5%減の68.9名といずれも減少傾向が続いたが、生徒当たり売上高は同2.1%増と増加した。一方、MAXISの教室数は前年同期比1.1%減の94教室、期中平均生徒数は同1.1%減の6,672名とそれぞれ微減となったものの、教室当たり平均生徒数は同0.8%増の71.6名とわずかながら改善した。ただ、冬期講習の受講者数が伸び悩んだことにより、生徒当たり売上高は同0.3%減と低下している。
生徒数の回復を図る差別化戦略として、2017年秋より直営教室で導入を開始した「MEIKO式コーチング」の効果については、当第2四半期までの生徒数を見る限り、限定的なものにとどまっていると思われ、顧客への認知度を広めていくための施策や教務力の強化が今後の課題となる。
(2) 明光義塾フランチャイズ事業
明光義塾フランチャイズ事業の売上高は前年同期比1.5%減の2,568百万円、セグメント利益は同33.7%増の1,184百万円と減収増益となった。FC教室数及び生徒数の減少に伴うロイヤルティ売上の減少(132百万円)が減収要因となったものの、販促費の減少(285百万円)が増益要因となった。
当第2四半期末の教室数は前年同期比4.9%減の1,653教室(ケイライン含みで同2.5%減)、期中平均生徒数は同10.1%減の95,115名(同7.5%減)、1教室当たり平均生徒数は同5.4%減の57.5名(同5.0%減の57.8名)となり、直営事業と同様に教室数、生徒数、1教室当たり平均生徒数の減少が続いている。また、1教室当たりのロイヤルティ売上については前年同期比2.6%減と生徒数の減少率よりも小幅にとどまっており、FC教室においても生徒当たり売上は増加していることがうかがわれる。とはいえ、FC教室においても教室当たり生徒数の減少傾向が続いており、まずは教室当たり生徒数を増やし、各教室の収益力を高めていくことがFC事業においても重要課題となっている。
(3) 予備校事業
連結子会社の(株)東京医進学院による予備校事業は、売上高が前年同期比7.5%減の216百万円、セグメント損失が4百万円(前年同期は16百万円の損失)となった。医科系予備校においても生徒獲得競争が年々激化しており、2018年春の新規入学生徒数が低迷したことが減収要因となったが、コスト削減効果により損失額は若干縮小した。当第2四半期末における生徒数は前年同期比18.6%減の79名となっている。売上単価の低い現役高校生の落ち込みが相対的に大きかったため、生徒数に対する売上高の減少率は小幅にとどまった。
(4) その他事業
その他事業の売上高は前年同期比3.5%減の2,034百万円、セグメント利益は同8.0%減の257百万円となった。キッズ事業や日本語学校事業などは順調に拡大したものの、ユーデックや晃洋書房の業績悪化が足かせ要因となった。
主力事業の動向を見ると、早稲田アカデミー個別進学館の売上高は前年同期比1.3%減の265百万円、営業利益は2倍増の18百万円となった。当第2四半期末の校舎数は前年同期比横ばいの35校(同社直営7校、MAXIS直営5校、FC校11校、早稲田アカデミー直営12校)、在籍生徒数は全校舎で同6.4%増の2,577名、1校舎当たり平均生徒数は同6.4%増の73.6名と順調に増加した。当期はFC校の新設がなかった(前年同期は2校新設)こともあり、売上高は微減収となったものの、早稲田アカデミー<4718>との合同講師研修等を実施するなど連携を強化し、受験指導サービスの質の向上に取り組んだほか、難関校への合格実績も増え始めたことで生徒数は着実に増加した。利益面では、経費の減少もあって増益となった。
キッズ事業は学童保育の需要増加を追い風に、売上高で前年同期比32.7%増の167百万円、営業利益で4百万円(前年同期は5百万円の損失)となった。当第2四半期末のスクール数は19スクール(直営7スクール、学童クラブ施設1施設、運営受託等11施設)で前年同期比4スクール増加(運営受託等で4施設増)、在籍スクール生は同7.1%増の1,009名となり、早期に収益化が可能な運営受託サービスを強化したことが利益増に貢献した。
サッカー事業の売上高は前年同期比4.1%減の65百万円、営業利益は5百万円(前年同期は1百万円の利益)となった。当第2四半期末のスクール数は前年同期比2校減の13校(統廃合により直営で2校減の12校、FC1校)となり、生徒数も同4.0%減の906名となったことで減収となったが、運営面での効率化を図ったことで利益は増益となった。具体的には、前下期からスクール形態を、「明光サッカーアカデミー」(将来のプロ選手を目指すための本格的な技術を身に付けることを目的としたスクール)と、「明光サッカースクール」(実践的なスキルを身に付けサッカーがうまくなる楽しさを提供するスクール)の2形態に分けて運営を行っている。
外国人向け日本語学校事業は連結子会社の(株)早稲田EDUが運営する「早稲田EDU日本語学校」と、国際人材開発(株)が運営する「JCLI日本語学校」の2校を運営している。当第2四半期末の生徒数は2校合計で前年同期比1.9%増の1,874名(早稲田EDU日本語学校643名、JCLI日本語学校1,231名)と増加基調が続いた。売上高は生徒数の増加に伴い前年同期比3.5%増の674百万円と増収基調が続き、営業利益も同20.7%増の105百万円となった。なお、のれん償却費として84百万円を計上しているため、実際の収益力を示すのれん償却前営業利益率では28.0%と高収益事業となっていることがわかる。
連結子会社の古藤事務所やユーデック、晃洋書房を合計した学校支援事業については、売上高で前年同期比11.6%減の809百万円、営業利益で同32.3%減の126百万円と減収減益になった。古藤事務所については売上高で前年同期比3.3%増の416百万円、営業利益も増益となり会社計画どおりの進捗となったが、ユーデックの売上げが進学模試等の受注減により同22.1%減の276百万円、晃洋書房も新刊の発行点数が前年同期を下回ったことで同26.2%減の116百万円とそれぞれ2ケタ減収となったことが要因だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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