アップル Research Memo(7):CASEがもたらすパラダイムシフトによりビジネスモデル再構築へ(2)

\ あなたにピッタリの銘柄がみつかる /

みんかぶプレミアムを無料体験!

プランをみる

最新投稿日時:2019/04/08 15:07 - 「アップル Research Memo(7):CASEがもたらすパラダイムシフトによりビジネスモデル再構築へ(2)」(フィスコ)

お知らせ

読み込みに失敗しました。

しばらくしてからもう一度お試しください。

重要なお知らせ すべて見る

アップル Research Memo(7):CASEがもたらすパラダイムシフトによりビジネスモデル再構築へ(2)

配信元:フィスコ
投稿:2019/04/08 15:07
■中長期の成長戦略

2. 国内事業
同社子会社のアップルオートネットワークは、2018年オリコン顧客満足度ランキングの車買取会社部門で5年連続総合第1位を獲得した。アップルインターナショナル<2788>は、単に量的拡大を追求するのではなく、現有のグループ機能との相乗効果により収益源を多様化することを目指している。若者の消費スタイルにおいて、『モノからコトへ』、また『所有(独占)からシェア(共有)へ』という変化が起こっており、若者のクルマ離れ、クルマを「所有する」から「利用する」にシフトすると見ている。

レンタカー及びカーリース事業に領域を拡大した。2017年4月に「アップルレンタカー」の第1号店を沖縄県那覇市にオープンした。続いて、大分県大分市に「アップルレンタカー大分」を出店した。2018年1月に、カーリースの専門店となる「アップルリース四日市新正店」がグランドオープンした。三重県四日市に所在する新正店は、敷地面積が4,531m2の旗艦店となる。整備工業併設型の販売店舗となり、想定在庫台数は80台となる。リースとローンの2本立てで販売する。EVも展示している。

3. 東南アジアにおける成長戦略
(1) タイでのオークション事業
日本式査定システムが海外でも運用されれば、オートオークションが発展し、中古車流通の拡大に結び付く。同社は、2008年よりタイにおいてオークション事業を展開しており、メイン会場をバンコクに2ヶ所、地方の主要国道沿いに14ヶ所を設置している。オークション事業のシステムはクラウド型としているため、用地と事務所を確保できれば、タイ国内に限らず他の東南アジアにおいても短期間にオークション事業を開始できる。

(2) タイにおける中古車買取販売事業
2018年6月に、タイ製の中古小型商用車(Light Commercial Vehicle:LCV)輸出を目的にAPPLE INTERNATIONAL (THAILAND)を設立した。同子会社は、中古車の輸出事業にとどまらず、日本において培った中古車買取販売事業にも事業領域を拡大した。2018年11月に、タイにおける第1号のアップル買取店を出店した。現在5店舗ある直営店を年内に10店舗まで増やし、その後はFC本部としてフランチャイズ展開をする計画でいる。最終的には、100店舗のネットワーク構築を目指す。買取事業では、ライバル企業が不在のため、先行者利得を享受している。タイで行っているオートオークション会場への出品車の安定供給源の役割を果たすことになり、グループ企業間の相乗効果が期待される。オークション参加者からアップル買取店加盟に高い関心が示されている。

JIAYUAN EV製のEVは、タイにおける販売権も得ている。タイで展開するアップル買取店で新車EVを販売することを検討している。

東南アジア諸国連合(ASEAN)と中国が結んだ自由貿易協定(FTA)により、2018年1月から完成車輸入の関税が撤廃されており、タイはEVが大量に輸入されることを警戒している。ただし、EVの販売実績は数百台にとどまっており、具体的な非関税障壁などの発表はまだない。EV関連の国内産業育成を狙うタイは、2016年からスタートした政府の「EVアクションプラン」で2035年までにEV・PHVの普及台数を120万台とし、充電ステーションを少なくとも690ヶ所に設置することを計画している。物品税の軽減とEV関連投資の優遇措置も発表しており、年間生産台数が10万台以上の場合は、HV、PHV、BEVのいずれもエコカー優遇の対象とする。2025年までの時限措置として、物品税率をHVとPHVで従来の10~30%から5~15%へ、BEVは10%から2%へ引き下げることを発表した。

(3) タイ製中古車の輸出
タイは、小型商用車の世界的な生産拠点となっている。2017年の主要な右ハンドル国における自動車生産は、日本の9,694千台は別格として、インドの4,783千台に次ぎ、タイは1,989千台で3番目に大きい。特に、LCVに限定するとタイの生産台数は1,148千台と日本の818千台を上回り最大となる。トヨタ自動車は、新興国戦略車であるピックアップトラック「ハイラックス」の日本国内販売を終了していたが、2017年に13年ぶりにタイ製車両を輸入することで再開した。右ハンドルの商用車に関しては、タイの重要度が高い。

2017年における右ハンドル国別自動車登録・販売台数は、日本の5,239千台に、インドが4,018千台、英国が2,955千台、オーストラリアが1,189千台、インドネシアが1,061千台、マレーシアが591千台と続く。同社は、タイにおける日本式査定の浸透とオートオークションを拡大することで、タイ製中古車のASEAN諸国への輸出を活発させる意向だ。

ASEAN自由貿易地域(ASEAN Free Trade Area:AFTA)は、2015年12月にASEAN経済共同体(ASEAN Economic Community:AEC)に高度化し、2016年から加盟国間の関税が撤廃された。加盟国で右ハンドル国であるマレーシア、インドネシア、ブルネイなどへの輸出がしやすくなった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

<ST>
配信元: フィスコ

関連銘柄

銘柄 株価 前日比
444.0
(12/24)
+4.0
(+0.90%)

みんかぶおすすめ