米ISM非製造業景況指数の重要性
方向感模索
【目先の注目材料】
・米3月ISM非製造業景況指数、米3月ADP全国雇用者数
・米長期金利、主要国株価
【本文】
本日発表される米3月ISM非製造業景況指数は、サプライマネジメント協会(ISM)が集計・公表する米国の代表的な景気指標のひとつであり、市場の注目度も相応に高い。
ISM非製造業景況指数は、米国の非製造業の購買・供給担当者に対するアンケート調査を基に作成される。アンケートは、企業活動、新規受注、雇用、入荷遅滞など全部で10項目に上り、それぞれについて、前月との比較で「良い」「変わらず」「悪い」の三者択一で回答させる内容。「良い」の回答割合に「変わらず」の割合の2分の1を足し合わせた数値を個別指数とする。さらに、季節調整を施した上で上記4項目の個別指数を平均した数値が総合指数(ISM非製造業景況指数)となる。総合指数が50.0を超えると好況(米非製造業の活動拡大)と解釈される一方、50.0を下回ると不況(同縮小)と解釈される。なお、総合指数は2010年1月以降、前月まで110カ月連続で50.0を上回り続けている。
米国の非製造業は、国内総生産(GDP)に占める割合や、雇用者数の割合で製造業を遥かに上回っている。その意味では、米国の景気指標としてはISM製造業景況指数より重要と見る事もできる。米国の景気減速懸念がくすぶる中、景気の転換点を先行して示すとされるISM非製造業景況指数の結果が注目されよう。市場予想は58.0となっており、好況は111カ月連続になる見通し。
ドル/円は、米3月ISM非製造業景況指数が予想を上回れば上昇、下回れば下落という是々非々の反応を示す事になりそうだ。上値メドは3月15日高値の111.90円前後、下値メドは20日移動平均線とも概ね重なる111.00円前後と見られる。