今週の日経225相場予想 世界経済の鈍化懸念が高まる（3/25週）

【先週の日経225の動向と今週の主要イベント】

先週の日経225（TFX）は反落。週初21,565円で寄り付いた日経225（TFX）は、週末までは21,500円から21,700円をコアレンジとした保ち合い相場での推移となっておりました。
しかしながら、週末の欧州、NYタイムに発表された経済指標が市場予想を下回る結果だったことを受け、欧米の株価がそれぞれ下落したことに加えリスクオフによる円買いもあり、日経225は一時21,189円まで下落。21,204円で引けました。
FOMCについては、今年の金利見通しが年2回の利上げから0回に引き下げられ、経済成長と失業率、物価見通しが下方修正され、さらにバランスシートの縮小については、9月で終了することが示されました。
また、週末に発表されたドイツやフランス、ユーロ圏の製造業PMIが市場予想を下回る結果となったほか、米国の製造業PMIが52.5（市場予想：53.5）、サービス業PMIが54.8（市場予想：55.5）と弱い結果だったことからマーケットにおいては、世界経済の鈍化懸念が高まっています。


今週の主要経済指標は図のとおりです。今週は重要度の高い経済指標はあまりありませんが、先週から引き続き、今後の景気動向への懸念がマーケットの焦点になっている中で、各国のPMI、また、消費者信頼感指数等に注目です。
なお米国の第4QGDP※については、今回は確報値となるため、あまり大きな変化はないと考えられますが、マーケットが景気動向にセンシティブになっている中、市場予想から大きく乖離するようであれば、注意が必要です。
※米国の四半期GDPは、通常、次の期の最初の月末に速報値、その次の月に修正値、さらにその次の月末に確報値が発表されますが、政府閉鎖の関係で第4QGDPについては、1月末に発表がなく、2月末に速報値、3月末に確報値となっています。

【日経225（TFX）　週足　チャート】

日経225（TFX）の週足チャートです。
ストキャスティクスは80％（％Dが78、Slow％Dが72）を超えるほどではないものの上昇基調で推移しており、21024円に位置する13週移動平均線が上向きになっているため、これがサポートとして意識されます。
一方で21,442円に位置する26週移動平均線や22,056に位置する52週移動平均線がレジスタンスとして意識され、特に、22,000円に向けてトライした3月4日に一時21,912円の高値をつけましたが、週足の終値ベースではそれ以降26週移動平均線を上回ることができておりません。

したがって、現在は昨年末からの上昇に対し保ち合い相場の形成中と考えられ、そのレンジは概ね21,000から22,000となります。
マーケットにおいて世界経済の鈍化懸念が高まる中、どちらかといえば今後21,000円を割り込んでくる可能性が高いとみており、戻り売りを考えたいところです。

【日経225（TFX）　日足　チャート】

日経225（TFX）の日足チャートです。
先週の日経225は均衡表が逆転（基準線を転換線が下回ること）し、尚且つ、現在は遅行スパンも逆転（遅行スパンがローソク足を下回ること）しつつあること、更にストキャスティクスが下向きに転換していることから弱い印象のチャートとなっています。
しかしながら、22日の雲のねじれから相場に変化が出る可能性については先週触れましたが、その雲自体は（厚みはないものの）陽転しており当面は雲の上限がサポートとして意識されると考えられ、下落スピードは一旦弱まるものと見ています。

このコメントは弊社チーフテクニカルアナリスト山口の個人的な見解で、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。