■要約
1. 独立系のシステム開発・ITサービス企業で社会インフラ分野の制御に強み
日本プロセス<9651>は、独立系のシステム開発・ITサービス企業である。電力制御、鉄道運行管理、自動車パワートレイン制御・車載情報、リモートセンシング、防災など、安全・安心が重視される難易度の高い社会インフラ分野の制御・組込システム開発に加え、得意とする画像認識・解析技術、近距離通信技術、組込技術などを融合することで、自動運転・ADAS(Advanced Driver-Assistance Systems=先進運転支援システム)関連や、IoT(Internet of Things)関連、医療関連などの成長分野にも積極展開している。経営ビジョンには「社会インフラ分野の安全・安心、快適・便利に貢献する」を掲げ、中期成長戦略としてT-SES(トータル・ソフトウェア・エンジニアリング・サービス、同社の造語)を継続的に推進している。
2. 制御システム、自動車システム、産業・公共システムが主力
報告セグメント(2017年5月期からセグメント区分変更)は制御システム、自動車システム、特定情報システム、組込システム、産業・公共システム、及びITサービスの6分野としている。構成比で見ると制御システム、自動車システム、産業・公共システムが主力となっている。また制御システム、自動車システム、組込システムは金額ベースでも拡大基調である。電力関連、鉄道関連、自動車関連、航空・宇宙関連、危機管理関連、半導体関連などにおける高品質・信頼性を背景として、大手電機メーカなど特定優良顧客と強固な信頼関係を構築していることも特徴である。このため受注競合が少なく、顧客からの直接受注(元請け)比率がほぼ100%であることも安定収益につながっている。
3. 2019年5月期第2四半期累計は営業・経常減益だが計画超で着地
2019年5月期第2四半期累計(6月−11月)の連結業績は、売上高が前年同期比9.9%増の3,283百万円、営業利益が6.5%減の299百万円、経常利益が4.7%減の326百万円、親会社株主帰属四半期純利益が46.4%増の247百万円だった。持続的な成長に向けた戦略的な先行投資負担で営業・経常減益だったが、受注が好調に推移し、受注条件の改善、プロジェクト管理の強化、請負化の進展、オフショア開発の拡大、生産性の向上なども寄与して2回上方修正し、期初計画に対しては大幅増益で着地した。親会社株主帰属四半期純利益は、特別利益計上や特別損失一巡が寄与して大幅増益だった。
4. 2019年5月期通期は上方修正して増益予想、さらに上振れ余地で新たな成長ステージ
2019年5月期通期の連結業績予想は、売上高が2018年5月期比8.1%増の6,800百万円、営業利益が同7.2%増の550百万円、経常利益が同4.4%増の605百万円、親会社株主帰属当期純利益が同36.9%増の430百万円としている。第2四半期累計の好調を受けて上方修正し、期初時点の営業・経常減益予想から一転して営業・経常増益予想となった。第2四半期累計の進捗率は売上高が48.3%、営業利益が54.4%、経常利益が53.9%、純利益が57.5%と順調である。通期予想に更なる上振れ余地がありそうだ。業績は2016年5月期と2017年5月期に2期連続で減収・営業減益となり縮小した形だったが、2018年5月期が2ケタ増収・営業増益となって回帰した。そして2019年5月期も増収・営業増益予想であり、更なる上振れも期待される。新たな成長ステージに入ったと言えそうだ。
5. 業界で独自のポジションを確立、中期的に収益拡大・高収益化期待
第5次中期経営計画(2019年5月期−2021年5月期)では、中期経営ビジョンに「ソフトウェアで社会インフラ分野の安全・安心、快適・便利に貢献する」を掲げ、基本方針を獲得事業の主力化と新分野の開拓、持続的成長への投資、T-SES(トータル・ソフトウェア・エンジニアリング・サービス、同社の造語)の継続としている。自動運転・ADAS関連を主力事業として確立し、建設機械や医療機器の分野で獲得したIoT関連を主力事業に育成する。同社は大手優良顧客と強固な信頼関係を構築している。このため受注競合が少なく、売上高は小規模ながらシステム開発・ITサービス業界において独自のポジションを確立している。成長分野への取り組みを加速して、中期的に収益拡大・高収益化が期待される。
6. 配当性向50%以上目標で2019年5月期増配予想
利益配分は安定的な配当の継続と配当性向50%以上を目標としている。この基本方針に基づいて、2019年5月期の配当予想(2018年12月28日に上方修正)は、第2四半期末12円、期末12円の年間合計24円としている。2018年5月期の年間20円(2017年12月1日付株式2分割換算後)に対して4円増配となる。予想配当性向は54.8%である。
■Key Points
・独立系のシステム開発・ITサービス企業で社会インフラ分野の制御・組込システムに強み
・2019年5月期通期は上方修正して増益予想、さらに上振れ余地で新たな成長ステージ入り
・配当性向50%以上目標で2019年5月期増配予想
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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1. 独立系のシステム開発・ITサービス企業で社会インフラ分野の制御に強み
日本プロセス<9651>は、独立系のシステム開発・ITサービス企業である。電力制御、鉄道運行管理、自動車パワートレイン制御・車載情報、リモートセンシング、防災など、安全・安心が重視される難易度の高い社会インフラ分野の制御・組込システム開発に加え、得意とする画像認識・解析技術、近距離通信技術、組込技術などを融合することで、自動運転・ADAS(Advanced Driver-Assistance Systems=先進運転支援システム)関連や、IoT(Internet of Things)関連、医療関連などの成長分野にも積極展開している。経営ビジョンには「社会インフラ分野の安全・安心、快適・便利に貢献する」を掲げ、中期成長戦略としてT-SES(トータル・ソフトウェア・エンジニアリング・サービス、同社の造語)を継続的に推進している。
2. 制御システム、自動車システム、産業・公共システムが主力
報告セグメント(2017年5月期からセグメント区分変更)は制御システム、自動車システム、特定情報システム、組込システム、産業・公共システム、及びITサービスの6分野としている。構成比で見ると制御システム、自動車システム、産業・公共システムが主力となっている。また制御システム、自動車システム、組込システムは金額ベースでも拡大基調である。電力関連、鉄道関連、自動車関連、航空・宇宙関連、危機管理関連、半導体関連などにおける高品質・信頼性を背景として、大手電機メーカなど特定優良顧客と強固な信頼関係を構築していることも特徴である。このため受注競合が少なく、顧客からの直接受注(元請け)比率がほぼ100%であることも安定収益につながっている。
3. 2019年5月期第2四半期累計は営業・経常減益だが計画超で着地
2019年5月期第2四半期累計(6月−11月)の連結業績は、売上高が前年同期比9.9%増の3,283百万円、営業利益が6.5%減の299百万円、経常利益が4.7%減の326百万円、親会社株主帰属四半期純利益が46.4%増の247百万円だった。持続的な成長に向けた戦略的な先行投資負担で営業・経常減益だったが、受注が好調に推移し、受注条件の改善、プロジェクト管理の強化、請負化の進展、オフショア開発の拡大、生産性の向上なども寄与して2回上方修正し、期初計画に対しては大幅増益で着地した。親会社株主帰属四半期純利益は、特別利益計上や特別損失一巡が寄与して大幅増益だった。
4. 2019年5月期通期は上方修正して増益予想、さらに上振れ余地で新たな成長ステージ
2019年5月期通期の連結業績予想は、売上高が2018年5月期比8.1%増の6,800百万円、営業利益が同7.2%増の550百万円、経常利益が同4.4%増の605百万円、親会社株主帰属当期純利益が同36.9%増の430百万円としている。第2四半期累計の好調を受けて上方修正し、期初時点の営業・経常減益予想から一転して営業・経常増益予想となった。第2四半期累計の進捗率は売上高が48.3%、営業利益が54.4%、経常利益が53.9%、純利益が57.5%と順調である。通期予想に更なる上振れ余地がありそうだ。業績は2016年5月期と2017年5月期に2期連続で減収・営業減益となり縮小した形だったが、2018年5月期が2ケタ増収・営業増益となって回帰した。そして2019年5月期も増収・営業増益予想であり、更なる上振れも期待される。新たな成長ステージに入ったと言えそうだ。
5. 業界で独自のポジションを確立、中期的に収益拡大・高収益化期待
第5次中期経営計画(2019年5月期−2021年5月期)では、中期経営ビジョンに「ソフトウェアで社会インフラ分野の安全・安心、快適・便利に貢献する」を掲げ、基本方針を獲得事業の主力化と新分野の開拓、持続的成長への投資、T-SES(トータル・ソフトウェア・エンジニアリング・サービス、同社の造語)の継続としている。自動運転・ADAS関連を主力事業として確立し、建設機械や医療機器の分野で獲得したIoT関連を主力事業に育成する。同社は大手優良顧客と強固な信頼関係を構築している。このため受注競合が少なく、売上高は小規模ながらシステム開発・ITサービス業界において独自のポジションを確立している。成長分野への取り組みを加速して、中期的に収益拡大・高収益化が期待される。
6. 配当性向50%以上目標で2019年5月期増配予想
利益配分は安定的な配当の継続と配当性向50%以上を目標としている。この基本方針に基づいて、2019年5月期の配当予想(2018年12月28日に上方修正)は、第2四半期末12円、期末12円の年間合計24円としている。2018年5月期の年間20円(2017年12月1日付株式2分割換算後)に対して4円増配となる。予想配当性向は54.8%である。
■Key Points
・独立系のシステム開発・ITサービス企業で社会インフラ分野の制御・組込システムに強み
・2019年5月期通期は上方修正して増益予想、さらに上振れ余地で新たな成長ステージ入り
・配当性向50%以上目標で2019年5月期増配予想
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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