米ドル/円の「2018年振り返り」と「2019年の見通し」について
【2019年見通し】レンジワークとなりやすい相場環境?
若干早めですが「2018年の米ドル/円相場振り返り」とともに、「2019年の米ドル/円相場見通し」について見てみたいと思います。
まずは「2018年の米ドル/円振り返り」から。(本稿執筆[12/28]時点観測)
別図チャート青色四角枠が、2018年1月から12月までの高安を結んだボックスです。2018年の米ドル/円は、例年の季節的アノマリーに沿う形で【1月安】でスタートし、その流れは3月まで継続。奇しくも、2018年最初の「水星逆行現象」がスタートした日である3/23に今年の最安値である「104.58円」(別図青色矢印)を示現しました。
4月以降は上値を追う相場展開となり、ローソク足がBB・+2σラインに迫った10/3に今年の最高値である「114.51円」(別図赤色矢印)を示現する動きとなりました。
以上より、暫定的ながら、2018年の米ドル/円高低差は「9.93円」となり、高低差が10円未満となるのは2011年の「9.92円」以来となり、記録的とも言える狭いレンジ内での値動きとなりました。(1999年以降でも、高低差「10円未満」は2011年と今年の2回しかありません。) 裏を返せば、「2018年は米ドル/円がレンジワークした一年」と総括できるのかもしれません。
そして、「2019年の米ドル/円見通し」について。
まず、足もとのトレンド判断をすると、1) 20ヵ月MA(移動平均線)が横向きであること、2) 遅行スパンがローソク足と絡み合う状態となっていること、3) 各BB(ボリンジャーバンド)が20ヵ月MAに対してパラレルに推移していること、4) ローソク足の上方にパラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)があること、そして、5) DMI(方向性指数)で+DI>-DIとなっているものの、その乖離がやや縮小する動きとなっている(上図赤色点線丸印)ことから、米ドル/円は上方硬直性を伴うレンジ相場主体の相場展開が継続しそうです。
そのコアレンジとなり得るゾーンは・・・BB・±2σラインの間である「106.80~115.20円」(別図黄色四角枠)。
仮に、当該ゾーンが2019年の年間推定レンジとなった場合は、その高低差は「8.40円」。当該数値は、今年の高低差(=9.93円)や2011年の高低差(=9.92円)をも下回る、記録的な狭いレンジ内での値動きということになりますが、前述した今年の米ドル/円相場の総括を借りた上で仮説を立てると、「2019年の米ドル/円もレンジワーク主体の相場環境」であると言えるのかもしれません。
これらはあくまでテクニカル指標から勘案するゾーンとしてご参考にしていただければ幸いです。