テックファム Research Memo(4):IoT・AI関連の売上高は前期比2倍増と急拡大

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最新投稿日時:2018/10/05 16:24 - 「テックファム Research Memo(4):IoT・AI関連の売上高は前期比2倍増と急拡大」(フィスコ)

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テックファム Research Memo(4):IoT・AI関連の売上高は前期比2倍増と急拡大

配信元:フィスコ
投稿:2018/10/05 16:24
■業績動向

2. 事業セグメント別の動向
(1) SI事業(ソフトウエア受託開発事業)
SI事業の売上高は前期比32.0%増の4,385百万円、セグメント利益は同99.3%増の905百万円と大幅増収増益となった。IoT・AI関連のシステム開発需要が旺盛で、関連売上高が前期比2倍増の約15億円と急増したことが主因となっている。利益率が前期の13.7%から20.6%と大きく上昇したが、これはテックファームホールディングス<3625>の技術的優位性が生かせるIoT・AIに関連した高付加価値案件の売上が伸びたことや、ここ数年取り組んでいる生産性向上の取り組みの成果が出ていることが要因となっている。

顧客別売上高の動向を見ると、NTTドコモが音声認識等のAI関連の開発案件が寄与したことにより、前期比87.5%増の1,609百万円に、また、既存顧客も同15.7%増の2,282百万円と2ケタ増収となり、同社が取り組んできた顧客当たり売上高拡大戦略の効果が顕在化した格好となっている。なお、新規顧客向けの売上高は前期比0.8%増の495百万円となっている。サービスデザインを生かした顧客開拓による金融機関向けのFinTech案件が増加した。

IoTプラットフォームサービスであるホテル客室向けee-TaB*事業については、期末の導入ホテル数が22棟、客室数で前期末比36%増の4,061室と順調に拡大している。2017年10月にホテルニューオータニ(東京)に導入されたことで認知度も広がり、引き合いも活発化している。売上高はまだ数千万円程度と小さく、業績へのインパクトは軽微だが、損益分岐点となる7,000室を超えてくれば安定収益源として貢献することになり、目標としては2019年夏頃までには達成したい考えだ。

なお、カジノ施設向け電子決済サービス事業については、米国でフィールドテストの実施に向けた現地オペレータとの協議が継続している状況で、当初の想定よりも遅れている。一方で、国内でIR実施法が成立したこともあり、IR施設への導入を目指した準備を進めている状況となっている。

(2) 自動車アフターマーケット
自動車アフターマーケット事業の売上高は前期比12.9%増の1,548百万円、セグメント利益は同16.3%減の126百万円となった。新商品の開発・導入費用が増加したことにより減益となったものの、売上高については新商品を中心に順調に増加した。特に、ガラス商・部品商向けシステムや車検工程管理システムなどの新商品についてはテックファームの技術力を生かして操作性を向上するほか、モバイル対応にするなど競合品と比較して差別化を図ったことが評価され、新規顧客への導入が進んだ。ガラス商システムや車検工程管理システム等の新商品で約2.5億円の増収、部品商向けで約1.4億円の増収要因となっている。

特に、ガラス商・部品商向けは競合が少なく、1顧客当たりの売上規模も整備システムと比較して3倍以上(600万円~)と大きいため、今後、同市場の開拓に注力していく方針となっている。課題としては、営業人員が不足していることが挙げられる。ガラス・部品商向けシステムは1件当たりの売上規模が大きい反面、成約に至るまでの時間が長くなるほか、導入にあたって追加機能の開発ニーズも多い。同社で営業リソースを拡充してこれらニーズに対応し、市場シェア拡大によって収益成長を目指して行く考えだ。なお、セグメント利益率が8.2%と低いように見えるが、これはのれん償却額79百万円が含まれているためで、のれん償却前ベースで見ると13.3%となる。


収益拡大とともに財務基盤の強化が進む
3. 財務状況と経営指標
2018年6月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比421百万円増加の5,570百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では現預金・有価証券が549百万円増加し、固定資産ではのれんが79百万円減少したほか、その他無形固定資産も48百万円減少した。

負債合計は前期末比191百万円増加の1,443百万円となった。有利子負債が96百万円減少した一方で、未払法人税等が114百万円、未払金が79百万円、賞与引当金が43百万円それぞれ増加した。また、純資産は前期末比230百万円増加の4,127百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益232百万円の計上、及び配当金の支出で22百万円となっている。

経営指標を見ると、自己資本比率は前期末比1.9ポイント低下の72.3%となったものの、収益の拡大によって有利子負債の削減が順調に進み、ネットキャッシュ(現預金+有価証券‐有利子負債)が前期末比645百万円増加の2,292百万円となるなど、財務内容の健全性は着実に向上しているものと判断される。当面は将来の成長に向けたIoT・AI関連を中心とした新たなプラットフォームサービスの開発やM&A等により、高水準の資金需要が続く可能性があるが、財務の健全性を維持しながら積極的な投資を進めていくものと考えられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

<NB>
配信元: フィスコ

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