ドル円チャート分析
【見通し】 「-DI>+DI」の乖離拡大→下降トレンド期への転換も
ここもと堅調な相場展開となっている米ドル/円ですが、週足チャートのBB(ボリンジャーバンド)およびDMI(方向性指数)を見ると、足もとではトレンドの転換を示唆するメルクマールが出現しつつあることが視認できます。
上図チャートでは、1) 26週MA(26週移動平均線)が右肩上がりであること、2) 遅行スパンがローソク足の上方に位置していること、そして、3) ローソク足が青色の雲(=サポート帯)の上方に位置していることから、トレンド系指標判断では緩やかな上昇トレンドを示唆するチャート形状となっています。
その一方で、a) BB・±2σラインが26週MAに向かって収縮する、いわゆる“スクイーズ”シグナルが見られること、そして、b) 相場の方向性を示すDMIにおいて、-DIと+DIが交差し、-DI>+DIとなりつつある(上図赤色矢印)ことを概括すると、米ドル/円の上値はある程度限定的であること、あるいは、下降トレンドに向けた転換ポイントに近付いているという見方も可能です。
ちなみに、b)のDMIについて、過去のパターン分析をしてみると、「+DI>-DI」となっている期間を「上昇トレンド期」(上図黄色四角枠)、「-DI>+DI」となっている期間を「下降トレンド期」(上図青色四角枠)、「+DIと-DIが絡み合う状態」となっている期間を「レンジ相場期」(上図四角枠なし)とすると、上図のような色分けとなります。
21日時点における週足チャートのDMIは、明確な「下降トレンド期」に突入したとは言えないまでも、少なくとも今年4月半ば(上図赤色三角印)以来継続した「上昇トレンド期」が一旦終息していると捉えて良いのかもしれません。
これからの時間において、仮に「-DI>+DI」の乖離が拡大し、同時に、ADXが右肩上がり推移となった場合、米ドル/円は「上昇トレンド期」から「下降トレンド期」へと転換する可能性を視野に入れておくべきでしょう。