日創プロ二ティ 石田徹社長インタビュー

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最新投稿日時:2018/07/09 17:30 - 「日創プロ二ティ 石田徹社長インタビュー」(みんかぶ株式コラム)

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日創プロ二ティ 石田徹社長インタビュー

―「加工の総合商社」として、多種多様な業界に加工製品を提供!―

 地方証券取引所の上場銘柄は、全国的な「知名度」の低さなどから、東証銘柄の陰に隠れてしまいがちだが、そこにはキラリと光る優良な企業が多く存在する。福岡証券取引所の単独上場会社の会(通称:単場会)http://fse.irnavi.minkabu.jp/にもそんな魅力溢れる銘柄がある。この単場会銘柄企業のトップが、自身の言葉でビジネスモデルや成長戦略、経営課題などを語ってくれている。インタビュー記事からは、持続的成長を目指す各社の取り組みが理解でき、思わず応援したくなるほどに熱い意気込みが伝わってくる。3年目を迎える単場会銘柄の特集をご覧になり、ポートフォリオの再検討に役立てていただきたい。

3440:日創プロ二ティ
代表取締役社長 石田 徹氏

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 日創プロ二ティ <3440> は、多種多様な業界に様々な用途の金属加工およびゴム加工製品を提供している。現在は、M&Aやアライアンスによる事業領域の拡大を推進中だ。今年で最終年度となる中期事業計画の進捗状況、経営戦略やビジネス上のリスクなどについて具体的な話を同社の石田徹社長に聞いた。

【1】貴社の事業の状況について伺います。
 3つのセグメント(金属加工・ゴム加工・建設)で事業展開をされていますが、各事業における状況についてご説明ください。トピックスがあれば、それについてもご説明をお願いします。
 また、今後の見通しについてはどのようにお考えですか?

 まず、金属加工事業ですが、主力の太陽電池アレイ支持架台(写真1)の太陽光発電市場は中規模以下の案件が落ち着き、現在は大型案件が受注の多くを占めております。大型案件は完納までに時間がかかりますので、年単位での生産計画を立てて取り組んでおります。太陽電池アレイ支持架台以外の製品につきましては、福島工場で生産している耐火パネル(写真2)をはじめとした建材パネルに多くの引き合いをいただいており、先ほどの太陽電池アレイ支持架台とともに工場の稼働率向上に繋がっております。また、2017年4月に子会社化した綾目精機株式会社についても、今期は通期で業績に寄与いたします。営業活動の強化や生産効率の向上を進めており、当初の予定通り順調に推移しております。次に、ゴム加工事業ですが、積み重ねてきたノウハウと堅実な経営姿勢で高い利益率を維持しております。設備投資や新製品の開発も進めており、現状に満足せず、顧客満足度の向上に努めております。最後に、建設事業ですが、設立当初から材工一括受注を掲げた営業活動を行っており、業績も順調に推移しております。製品販売だけではなく工事も依頼したいというお客さまのニーズを形にしたことが良い効果をもたらす形となりました。

 今後の見通しにつきましては、金属加工事業では、建設業界の好調を背景に耐火パネルをはじめとした建材の引き合いが続く見込みです。太陽電池アレイ支持架台も、一時期の市場の過熱感は落ち着きましたが、大型案件についてはまだ引き合いがある状況です。また、2018年3月に子会社化した株式会社ダイリツが通期で業績に寄与しますので、来期につきましても順調に推移すると考えております。ゴム加工事業では、安定した事業基盤を背景に確実な利益を確保できると考えております。建設事業では、業績を順調に伸ばしておりますので、更なる成長を目指して事業基盤や管理体制の強化を行ってまいります。
 

写真1:太陽電池アレイ支持架台
 

写真2:耐火パネル
 
【2】「加工価値の創造」にこだわる貴社のビジネス展開についてお話しください。
 貴社では「オールインワン加工体制」のもとに、複雑・多様化する市場ニーズに対応可能なビジネス展開をされています。この事業における特徴やこだわり、加えて、新たなビジネスの可能性についてお話しください。

 当社は、「加工の総合商社」をビジョンとして掲げており、多種多様な材料を市場のニーズに沿った「加工」をすることにこだわったものづくりを行っております。仕入商品を販売するだけではなく、ニーズに対応する加工を通して他の価値を加えて新たなものを生み出す、それは製造業としてのこだわりでもあります。

 複雑で多様化する市場のニーズに対応するためには、様々な加工技術が必要です。今までの当社は設備投資をすることで、市場のニーズに応えてまいりました。しかし、近年はM&Aやアライアンスの推進という手法も取り入れ、金属加工以外の加工や周辺事業への進出を推進しております。このような施策によって、当社だけでは実現が困難な市場のニーズにも対応できる体制が構築され、さらには他社が持つノウハウを吸収することにも繋がり、加工の基礎力により新たな製品やサービスを生み出す土壌が広がっております。

【3】中長期における経営戦略について伺います。
 現在展開されている中期経営計画が最終年度となります。具体的目標数値として掲げておられる売上高70億円、営業利益7億円の目標は達成可能でしょうか? また、M&Aやアライアンスによる事業領域の拡大を推進されていますが、その状況についてもご説明をお願いいたします。

 当社が初めて公表した中期経営計画の最終年度ですが、業績につきましては順調に推移しております。目標数値につきましても十分に達成可能であろうと考えております。中期経営計画の初年度は、太陽電池アレイ支持架台市場の急ブレーキを背景として、大幅な減収となり、順風満帆であったとは言えませんが、最終年度を迎え業績の回復が見込める状況であることは、中期経営計画が実を結んだ結果であると考えております。

 M&Aやアライアンスによる事業領域の拡大については、当初から順調であると思っております。中期経営計画を公表した当時は、日創グループはまだなく、当社1社だけでしたが、現在は子会社4社を加え、5社によるグループとなりました。事業領域の拡大も着実に進んでおり、営業面での効果は大きいものになっております。

【4】経営のリスクについてお話をお願いします。
 昨年もお聞きしましたが、貴社のビジネス展開におけるリスクは何でしょうか? また、リスクの内容に変化はありますか?

 リスクについては、まずは太陽光発電市場の動向ですが、市場の成熟は当社の想定より早いものでした。また、価格競争もあり、販売単価の低下も一部には出てきております。現在、市場には大型案件が多く残っているため、引き合い自体はまだ相当数あり、今後も一定の売り上げが見込めると考えておりますが、受注が想定を下回った場合は、業績に影響を与えると考えております。次は原材料の価格変動となりますが、今期の原材料価格は上昇いたしました。原材料の上昇に伴い、販売価格への転嫁も行ってまいりますが、価格競争が起きている太陽光発電関連製品などは、全てを転嫁することは難しいため、前期に比べ、利益率に影響を与えている状況です。

 当社のリスクとして、上記の2点は以前より認識しておりましたが、リスク低減に対する取り組みも進めており、M&Aなどを活用した事業領域の拡大や太陽光発電関連製品以外の営業活動の見直しなどを行っております。その取り組みの成果、太陽光発電関連製品の売上比率は以前に比べ減ってきたことや子会社が4社となったことなどリスクの分散が進みました。

【5】最後に、投資家に向けてお話をお願いします。
 貴社では「ステークホルダーの方々と向き合う経営」を標榜し、資本市場での知名度向上や事業への理解促進に努めておられます。貴社からは、投資家に対してどのようなコミットが可能でしょうか? 現在抱えておられる経営課題への対処などについてもお話しいただければ幸いです。

 コミットにつきましては難しい話となりますが、目指すべき指標として重視しているのは売上高と営業利益です。特に営業利益率は、10%を目指しています。当社は事業基盤が安定した成熟企業ではなく、成長企業であると考えておりますので、目指すべき指標についても、売上高と収益性を最優先に掲げております。

 次に経営課題への対処ですが、当社の対処すべき課題としては、「新たなビジネスモデルの確立」、「旺盛なチャレンジ精神の発揮」、「ステークホルダーに向き合う経営」の3つとなります。まず、「新たなビジネスモデルの確立」については、現在の重要戦略であるM&Aを通じて、金属加工だけではなく、金属以外の加工、ものづくり、周辺事業へと積極的に事業領域を拡大し、事業の多角化を推進しております。次に、「旺盛なチャレンジ精神の発揮」については、持続的な成長を図っていくためにも、各部門が旺盛なチャレンジ精神をもって課題に取り組んでおり、新製品の開発や体制強化などを行い、新たな企業ステージを目指しております。最後に、「ステークホルダーに向き合う経営」については、ご承知のとおり、資本市場での知名度向上やグループ経営に対する理解促進に取り組んでいるところです。

 以上、今後も投資家の方々に魅力を感じていただけるような企業を目指してまいりますので、これからの当社にご期待いただければ幸いです。

【自社アピール】
 日創プロニティ株式会社は、本社を福岡県福岡市に置き、1983年の設立以来、金属加工業に携わってまいりました。当社は業態を金属製品製造業ではなく金属加工業としておりますが、それは「加工」にこだわりを持ち、加工により「価値の創造」をすることを通じて社会に貢献していくことが当社のミッションであると考えているためです。当社の現在の主力製品は、太陽光パネルを設置するための太陽電池アレイ支持架台と耐火パネルをはじめとした建材パネルですが、新製品の開発にも力を入れており、手持ちのICカードが解錠する為のためとなるカード式宅配ボックスの販売を開始いたしました。

 当社は設立以来、金属加工事業の単一セグメントでしたが、2015年10月に公表した中期経営計画において、グループ経営へ舵を切り、現在の日創グループは、当社と子会社4社により構成されており、事業セグメントは金属加工事業、ゴム加工事業、建設事業の3つです。金属加工事業は、当社の他、広島県で金属精密切削加工業を営む綾目精機(株)、愛知県で空調関連製品製造業を営む(株)ダイリツとなっており、ゴム加工事業は、群馬県の吾嬬ゴム工業(株)、建設事業は、東京都の日創エンジニアリング(株)というグループ構成となっております。

 日創グループの目指すべきグループ像は、「加工の総合商社」です。加工に関することは、とりあえず日創に聞いてみようと思っていただける企業を目指してまいりたいと考えており、私たちはそのグループビジョンに向かってエンドレスに挑戦を続けてまいります。

●資料請求・問い合わせ先
日創プロニティ株式会社 経営企画室
〒815-0035 福岡県福岡市南区向野一丁目15番29号
TEL:092-552-3749 FAX:092-512-7240
Email:ir@kakou-nisso.co.jp
http://www.kakou-nisso.co.jp/

配信元: みんかぶ株式コラム

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