「新コジテク(小次郎講師の使えるテクニカル分析講座)実践編」第2回
□皆さんこんにちは、小次郎講師です。
■助手のムサシです。
□今回からいよいよ私の得意とする「テクニカル分析」の具体的な話に入っていく。
■前回、テクニカル分析=チャート分析だと小次郎講師に教わったやつですね。
□そうだ。そのテクニカル分析はざっくり大きく分けると、さらに2種類の分析に分けることができるのだが、ムサシ君は覚えているかな?
■確か「トレンド系」と「オシレーター系」ですよね。
□その違いまできちんと説明できるかな?
■チャートの上の方にあるか下の方にあるかですよね?
□それも間違いじゃないが、それだけでは本質を捉えていないぞムサシ君!
どんな特徴があったか前にも教えただろう。
■記憶の片隅には一応ありますが、よく分からないのでもう一度教えてください小次郎講師!
□まったく都合のいいヤツめ…
1、トレンド系かオシレーター系か
□上に載せたチャートのように、
チャート(ロウソク足)と共に描かれているものが「トレンド系」のテクニカル指標。その名の通り現在トレンドが発生しているかどうかを教えてくれて、そのトレンド、つまり“流れ”が上昇なのか下降なのかを教えてくれる。
それに対し、ロウソク足の下に別ウィンドウが用意されていて、例えば0から100の間で地震の振幅計のように折れ線がカクカク動いていくのが「オシレーター系」のテクニカル指標。このオシレーター系は相場の過熱具合を教えてくれる。
■「過熱」って、相場が“熱く”なるんですか!?
□実際に“熱く“はならないぞ。イメージ的には“行き過ぎる”ということ。
例えば上昇トレンドが発生していて、買いの勢いが行き過ぎていたら“買われ過ぎ“ているんじゃないかということを分析し、反対に下降トレンドで売りの勢いが行き過ぎていたら“売られ過ぎ”ているんじゃないかということを分析するためのツール、それがオシレーター系の指標だ。
■例えば0~100の目盛りだったら、0が売られ過ぎで100が買われ過ぎ、ということですか?
□他にも-100~+100という数値等も存在するけど、基本はそういうことになる。
だから別の言い方をすると、「相対的に見て現在の価格が全体的にどんなものなのか(高いのか低いのか)を教えてくれる分析手法」と言い換えることも可能。
■じゃあ買われ過ぎたら、その後必ず価格は下がるということですか?
それなら売りで仕掛ければ確実に利益が取れますね!
□そう簡単じゃないから投資は難しいのだよムサシ君…
このことはまた詳しく話せればと思うが、とりあえず今強い上昇トレンドが発生しているとしたら、オシレーター系の指標は数値が上がり「買われ過ぎ」のシグナルを出す。
でも価格は下がらず、そのまま上昇トレンドが続いていくことも良くある。
■言われてみれば確かに…
上昇トレンドが発生しているということは、それだけ買いの勢いが強い証拠ですもんね。
□そうなんだ。だから「買われ過ぎ・売られ過ぎ」を「だからその後必ず下がる・必ず上がる」と考えてはダメなんだよ。
■なるほど、奥が深いですね。
2、テクニカル分析の種類
■先程のチャートには移動平均線とRSIがそれぞれ表示されていますが、他にはどんなテクニカル指標があるんですか?
□メジャーなものを挙げていくと
【トレンド系】移動平均線・一目均衡表・ボリンジャーバンド・パラボリックetc
【オシレーター系】RSI・ストキャスティクス・モメンタム・CCI・MACD etc
(※ MACDはトレンド系とオシレーター系のどちらでも語られることが多い)
このあたりだろう。
■いっぱいありますね。で、小次郎講師、どれを使えばいいんですか?
□君はすぐ楽をしようとするな…
いいか、物事には一長一短あるのだから、それぞれ特徴やクセがあってどれが優れているとは決められない。勉強して使用してみて、自分に合う分析手法をぜひ探して欲しい。
■それでも何かアドバイスを!
□メインとなるものをそれぞれ決めて基本はそれに従って売買するが、サブとして見る指標をもう一つぐらい決めておくといい。その二つを見比べるとより精緻なチャート分析ができるようになるし、この数が多過ぎるとムサシ君のように目移りしてしまってどのサインを信じればいいか分からなくなり、かえって混乱を招くことになるからな。
■なるほど。それを探すのもチャート分析の醍醐味ですね。
3、トレンドフォロー派かカウンタートレード派か
□さて2つの大まかな分類「トレンド系」と「オシレーター系」の使い分けだが、トレンドに沿って売買する投資家はトレンド系のテクニカル指標を用い、相場の過熱具合を見て反対の方向に仕掛ける投資家はオシレーター系の指標を用いることが多い。もちろん両方を併用している投資家もいるぞ。
■確かそれぞれを「トレンドフォロー派」「カウンタートレード派」と呼ぶんでしたよね。
【トレンドフォロー派(=順張り投資家)】トレンドに従い、上昇トレンドであれば買い、下降トレンドであれば売るというスタイルの投資家。
【カウンタートレード派(=逆張り投資家)】上昇トレンドが過熱していると判断すればそろそろ天井が近いと予想して売り、下降トレンドが過熱していると判断すればそろそろ底が近いと予想して買うというスタイルの投資家。
□私の考えで言えば、トレンドが明確な時にはそのトレンドに付いていくというのが投資の基本だ。アメリカの相場格言にこんなものもある。
「トレンド イズ フレンド」!
■「トレンドは友達」?
□そうだ。逆張りは非常に難易度が高い。どこが価格の天井でどこが底かは後になってみないとわからない事が多い。それを事前に100%言い当てられるのは神様だけだ。
■確かにそうですね。
□だからトレンドに従い、トレンドがある時はそのトレンドに付いていくという手法が一般投資家には一番わかりやすく使いやすい。
■じゃあトレンドがない時にはどうすればいいんですか?
□ムサシ君の言う通り、いつでもトレンドがあるわけではない。いわゆる「もみ合い」状態の時だ。その時に力を発揮するのがオシレーター系の指標。
■一定の値幅の中で価格が推移していたら、そろそろ天井だな、底だな、ということが少し前に察知できそうですもんね。
□ただし、そこから一定の値幅を突き抜けてトレンドが発生するという「もみ合い放れ」が起こる可能性も考えておかないと大失敗することにもなるから、オシレーター系を使う時には注意が必要だぞ。
■それは恐いです…
□これもどちらが分析として優れているということではないから、以下のフローチャートを参考に、どこでトレンド系を使いどこでオシレーター系を使うか参考にしてみるといい。
4、トレンド系とオシレーター系が反対のサインを出した場合
■そうだ小次郎講師、この前僕がチャートを見ていたら、トレンド系の指標では上昇のトレンドが発生し“買いサイン”が出ていたのに、オシレーター系の指標では買われ過ぎで“売りサイン”が出ていたことがあったんですが、この場合はどう判断すればいいんですか?
□冒頭でも言ったように“買われ過ぎ”だからといって必ずしも“売りサイン”ということではないぞ。
■そうでした…
□勢いを増して上昇・下降のトレンドが発生している時には、当然相対的に今現在の価格は高くor低くなり、オシレーター系の指標の方で0や100付近の数字をつけることがある。
だが、トレンドが継続していく時にはそこで反対の売買をしたら大火傷を負うことだってあるんだ。
■どこでその買われ過ぎ・売られ過ぎが収まるかの確証はないってやつですね。
□だから、トレンド系とオシレーター系で反対のサインが出た時には“注意信号”ぐらいに思っておくといい。
■信号で言ったら「黄色」ですか?
□そうだね。例えば上昇トレンドだったら、上昇トレンドが続いてるもののそろそろ利益確定の売り物が出て価格が下がるかもしれない、下降トレンドだったらそろそろ利益確定の買いが入って価格が上がるかもしれない、と思って、警戒してチャートを見るようにするというのが賢明な投資行動だ。
■あくまで可能性の話なんですね。
□投資に100%はない。
そういう意味でも、トレンド系とオシレーター系の指標をそれぞれ1つずつ見て、多角的に分析することがポイントだ。
その分析の結果が売買の根拠として自分の中に存在することが大事。
■指針を定めてきちんとルールを持つということですかね。
僕ももっと勉強して自分の武器になるテクニカル指標を見つけたいと思います。
小次郎講師、今日もありがとうございました!
□これにて第2回講義終了。
■起立、礼!
「小次郎講師の先物流儀」
http://f-blog.jp/kojiro/
「小次郎講師流タートルズ投資塾」
http://www.masters-tv.net/
【DVD】
http://money01.h8w.co.jp/lp/06/
【動画】小次郎講師のテクニカル分析講座
http://commodityonlinetv.com/basic-the-commodity/
【チャート】公式一目均衡表チャート
http://ichimoku-chart.com/
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