日本乾溜工業 沢井博美社長インタビュー

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最新投稿日時:2016/07/04 17:00 - 「日本乾溜工業 沢井博美社長インタビュー」(みんかぶ株式コラム)

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日本乾溜工業 沢井博美社長インタビュー

投稿:2016/07/04 17:00

福証単場会銘柄に注目! 
新たな成長の兆しを見せる九州軍団

 国内株式市場が上昇波動に乗り切れない中、地方証券取引所の上場銘柄には、全国的な知名度こそ高くないもののキラリと光る注目したい優良な企業が存在する。今回、福岡証券取引所に単独上場している福岡単独上場会社の会(通称:単場会)http://fse.irnavi.minkabu.jp/の企業トップが、自らの言葉でユニークなビジネスモデルや成長ストーリーを語ってくれた。いまだ、熊本震災の記憶は生々しいが、福証単場会の銘柄はアツイ。


1771:日本乾溜工業
代表取締役社長 沢井 博美氏

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 九州福岡市に本社を置く日本乾溜工業(福証:1771)では、熊本震災からの早期の復旧、復興に全力で取り組んでいる。「環境にやさしく安全な社会の創造に向けてあくなき挑戦を続ける」を理念に掲げる同社では、「建設」を柱に「防災安全」、「化学品」の3事業を展開している。今回、代表取締役社長である沢井博美氏に、同社の現状と成長戦略を聞き出した。
 

1)貴社の事業について伺います。
どのような事業を展開されているのでしょうか?具体的にご説明ください。
また、直近の業績動向に対してはどのように評価されていますか?

 はじめに、このたび熊本地震において被災された皆様には、心からお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復興をお祈り申し上げます。これより本格化する熊本地震からの復旧、復興へ、当社は全力を尽くします。被災地で求められることにしっかりと耳を傾け、皆様の期待に応えられるよう、会社一丸となって取り組んでまいります。

 当社の事業についてですが、3つの事業を展開しており、経営理念にある、『安全』と『環境』をキーワードに、公共工事を主体とする交通安全施設、法面、景観工事などの施工や各種建設工事に関連する資材の販売を行う「建設事業」、防災用品、産業安全衛生用品などの販売を行う「防災安全事業」、車のタイヤに利用されているゴム加硫剤や環境にやさしい防草材である「雑草アタックS」の製造を行う「化学品事業」を行っています。『建設』『防災安全』『化学品』の3つの事業を通じて、当社が提供する価値やサービスを「創造」することを、スピード感をもって「挑戦」しています。

 直近の2016年9月期第2四半期累計決算については、当社が営業の中心とする九州地域の公共投資減少の影響を受け、主力の建設事業での売上高が減少し、経常利益は前年同期と比較してマイナスとはなりましたが、国土交通省の16年度予算が前年並みであることや、早期発注を実行する方針を打ち出していることを勘案し、積極的な受注活動に注力し、業績向上に向け挑戦してまいります。

2)ビジネスにおける特徴をお話しください。
貴社の事業におけるこだわりや特徴は何でしょうか?

 当社の強みは、九州の主要都市に構えている拠点を活用し、3つの事業分野を通じてお客様が求める価値やサービスを、各種メーカー様と足並みを揃え素早くお届けできることです。九州一円で、各種建設工事や商品の販売を行い、北九州にある工場で製品の製造も行っていることから、工事、販売、製造と異なる3つの収益区分で構成されていることも、大きな特徴です。

 なぜこのような収益構造をしているかといいますと、当社の変遷に由来しています。当社は1939年にピッチコークスを製造する化学品製造会社としてスタートしました。その後の昭和30年代は、日本経済が高度成長期を迎え、著しく発展を遂げた時代ですが、産業の活性化とともに製造現場や施工現場での労働災害が多発した時期でした。その背景のもと当社は『安全』への社会的ニーズの高まりをいち早く感じ取り、安全靴やヘルメットといった産業安全衛生保護具の販売を開始しました。同時期に起業の化学品事業においては、石油の脱硫工程から排出される硫黄を加工し製造される、ゴム加硫剤を開発し、クルマ社会が到来する未来を見据え、ガードレールや標識などの交通安全施設資材の販売や施工に携わり、建設事業分野を拡大していきました。「お客様のニーズに応える」現在ではよく耳にする言葉ですが、当社はこの言葉から歴史をスタートしています。

 当社はその時代、時代でお客様のニーズを捉え、お客様に喜ばれることで事業を展開してきました。当社と関わりのある皆様との信頼関係を築き、皆様に喜びを提供する『乾溜魂』をもって、あくなき挑戦を続け、今後も事業を展開していきます。

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3)中長期における経営戦略について伺います。
貴社の持続的な企業成長は、何によって担保されるとお考えですか?今後の見通しを踏まえてお話しください。

 当社を取り巻く経営環境は決して楽観視できる状況ではありませんが、持続的な企業の成長及びより高い企業価値の向上を実現するため、2019年までの3年間を実施期間とする「中期経営計画」を遂行中であり、今期はその初年度に当たります。当社では、この3年間を『100年企業』に向けての磐石な経営基盤づくりと位置づけ、当社に関わる全ての皆様から「より必要とされる企業」となれるよう、施策を推進しています。

 その基本方針として、「建設・防災安全・化学品の3事業分野の拡大」、「収益力の向上と財務基盤の強化」、「人材・組織力の強化と企業統治の向上」を掲げています。基本方針にのっとり、標識支柱の腐食による倒壊を防止するメンテナンス工事といった、今後懸念される事故を防止するための新しい工法の拡販や、業務効率の向上による社員一人当たりの収益力の強化に取り組んでいます。その中でも「人材・組織力の強化と企業統治の向上」を私は一番重視しています。当社は人材成長の促進を事業方針とし、若手社員の早期戦力化と併せて営業力、技術力の強化のため、外部人材の登用も積極的に行っております。『100年企業』実現のため、明日を担う人材育成を実施していくことが、最も重要な使命であると考えています。

 また、昨今国内外で企業における不祥事が相次いでいますが、会社の存続や、継続的な成長のためには透明性のある経営が必要不可欠であり、当社としても、ガバナンス強化に取り組んでいます。

4)経営理念についてお話をお願いします。
貴社の存在は、外部からどのように評価されているでしょうか?また、それは経営理念と合致しているとお考えですか?

 当社は、「環境にやさしく安全な社会の創造に向けてあくなき挑戦を続ける」という経営理念を掲げています。これは、『安全』な社会と、よりよい『環境』を提供し、地域にとって必要なものを創造していくことに挑戦し続けていくという経営姿勢を表しています。

 経営理念のように、当社が手掛ける事業は『安全』と『環境』をキーワードに、最終的には人命を守ることに繋がる仕事であり、社員一同、誇りを持って取り組んでいます。私は、安全・防災関係のプロフェッショナル企業として、地域社会から頼られる企業でありたいと考えています。様々な自然災害の発生にあたり、各方面より当社に真っ先にお声かけ頂く機会があります。過去には、九州北部豪雨災害復旧工事や、宮崎・佐賀で口蹄疫や鳥インフルエンザが発生した際、感染症対策用品などを納めさせていただくなど、メーカー様のご協力のもと、素早い対応を実現できました。

 これらの経験を活かし、本年度の熊本地震においても、避難生活における衛生面の支援として、いち早くマスクや消毒液などの支援物資をご提供させていただいたり、大分自動車道の斜面崩壊による被災復旧工事を行うなど、支援にご協力させていただきました。もちろん、災害などは発生しないにこしたことはありませんが、非常事態を想定した準備は必要なことも、また事実です。安全な社会の創造へ、当社としても精一杯尽力していきたいと考えています。また、よりよい環境づくりという面では、セメントや薬剤を一切使用せず、自然素材だけでできた「雑草アタック」も、『環境』に配慮し、開発したものです。

 縁の下の力持ちという言葉がございますが、当社に関わる全ての方々から、この言葉が示すような評価をいただけるよう、日々業務に取り組んでいます。

5)最後に、投資家に向けてお話をお願いします。
貴社では、資本市場からどのように評価されることを期待しますか?また、それを実現させる自信をお持ちですか?

 当社は福岡を中心に地元九州に根差し、地元密着型の事業を展開することで、九州経済の発展に寄与し、九州のために何ができるのかを常に考えています。

 九州地域においても、社会資本の維持管理・更新が社会的に重要視されるなか、当社も、トンネルや橋梁といった、コンクリート構造物の長期的な活用という社会情勢のニーズを意識し、九州の社会インフラ整備事業に積極的に取り組んでまいります。直近では熊本地震も発生しておりますが、九州地方は台風や豪雨といった自然災害も多発する地域です。そのような災害から皆様を守るための工事や、もしもの時の備えである防災安全用品の販売などを通じて、九州という地域に「安全」と「環境」を拡充できるよう、事業を展開し、業績の向上を目指してまいります。

 また、当社は安定的な業績を確保するとともに、株主の皆様への継続的配当を実現することで、株主の皆様からの期待に応えてまいりたいと考えております。株主様をはじめ当社に関わる全ての皆様から、『より必要とされる企業』となるため、従業員一同誠心誠意努力していく所存ですので、株主・投資家の皆様におかれましては、今後とも、当社へのご指導、ご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

●資料請求・問い合わせ先
日本乾溜工業株式会社 総務企画部
〒812-0054 福岡県福岡市東区馬出1丁目11番11号
TEL: 092-632-1050 FAX: 092-632-1082
Email:information@kanryu.co.jp
http://www.kanryu.co.jp/

配信元: みんかぶ株式コラム

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