岡三オンライン証券 大杉茂取締役社長インタビュー

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最新投稿日時:2014/07/01 15:58 - 「岡三オンライン証券 大杉茂取締役社長インタビュー」(みんかぶ株式コラム)

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岡三オンライン証券 大杉茂取締役社長インタビュー

投稿:2014/07/01 15:58

より多くのお客様に儲けていただくためにも
「情報力と取引ツール」をさらに強化する!

ph1_300x300岡三オンライン証券
取締役社長
大杉茂(おおすぎ・しげる)

1966年生まれ。法政大学卒業後、89年岡三証券入社。2006年岡三ホールディングス(現岡三証券グループ)広報部長となり、08年より岡三オンライン証券監査役も兼任。13年常務取締役を経て、14年4月に取締役社長に就任。


 岡三オンライン証券と言えば、総合証券・岡三証券グループの一員として、後発ながらネット証券に参入。「証券のプロがITを活用してつくる証券会社」のキャッチフレーズとともに、質の高いサービスを展開し、営業開始後7年余りで大手ネット証券の一角を占めるまで成長した。
 中でも誰もがその素晴らしさを認めるのが、「取引ツール」の充実ぶりだ。「みんなの株式」の証券比較ランキングでも、この分野では他社のサービスを圧倒し、不動のランキングNo.1を続けている。
 本インタビューでは、ネット証券でも異彩を放つ同社の事業アイデンティティーと将来戦略について、今年4月に就任したばかりの大杉茂社長に聞いた。

━━大手ネット証券の一角を担いながらも、異彩を放つ岡三オンライン証券の社長へ今年の4月に就任されてまず、どのようにお考えになりましたか?

 私は1989年に岡三証券に入社し、昨年岡三オンライン証券の常務になるまで25年間勤めてきました。入社翌年のバブル崩壊に始まり、97年の山一ショック、99年の金融ビッグバン、2000年のITバブルから07年のリーマンショックを経て現在まで、20年間以上を一貫して岡三証券で過ごしてきたわけです。
 今年の4月に社長に就任してまず思ったことは、金融ビッグバンの時に目指した「貯蓄から投資へ」の流れが、ここにきてようやく動きつつあるのではないかということです。10年以上にわたった日本経済の低迷で、たまりにたまった改革へのエネルギーが噴出する時が来た、という感じです。
 事実、証券業界を取り巻く環境は、消費税の影響も限定的ですし、政権の目指す脱デフレ・シナリオも概ね順調に進んでいます。今年の前半こそ低迷しましたが、米国経済の強さも鮮明になってきましたし、今後、日本市場は着実に持ち直していくのではないかと考えています。
 何と言っても個人の投資意欲が改善し、市場への参加比率が高くなっていることが心強いですね。アベノミクス第三の矢である成長戦略に注目が集まっていますが、安部首相がダボス会議で公約した通り、法人減税、TPP参加、戦略特区の創設、女性の社会活用などが着実に実行されれば、長期的に日本の株式市場も上昇し、多くの国民の間で株式投資のウエートが高まっていくでしょう。そうしたタイミングで社長に就任したことに、ある種の使命感を感じています。

━━岡三オンライン証券と言えば、熟練のトレーダーも唸らす高水準のサービスが特徴です。特に「みんなの株式」証券比較ランキングで2013年度の第1位に選定されたツールの質の高さでは定評がありますね。

 ありがとうございます。私が社長に就任するに当たって、まず考えたのは、当社が今後、これまで以上にお客様の信頼を勝ち得るためにはどうするべきなのかということです。当社の強みは総合証券会社を傘下に持つ岡三証券グループの総合力を活かした生かした情報力と、お客様から高い評価を得ている取引ツールにこそあります。その強みを最大限に生かして、ネット証券事業を展開していきたいと考えました。
 その意味でも今回、「みんなの株式」の証券比較ランキングで第1位に選定していただいたことは、非常に光栄ですし嬉しく思っています。私たちとしては、自信を持ってお客様に提供している取引ツールが、第三者の公平な視点で評価されたのですから。


━━当サイトばかりでなく、多くのトレーダーの皆さんも御社の取引ツール「岡三ネットトレーダー」の性能の高さを絶賛していますね。ところで、岡三オンライン証券はなぜ、このような高性能ツールを生み出すことができるのでしょうか。

ph2 07年にサービスを開始した私たちは、ネット証券会社の中では後発の存在です。岡三証券グループとしてネット証券に進出するに当たり、先行各社との違いをどう打ち出すかと考えたのがセグメント戦略でした。アクティブ・トレーダーに顧客ターゲットを絞り込んで、徹底的に彼らを満足させるサービスを提供し、この層を囲い込むことで独自性を打ち出そうとしたのです。
 アクティブ・トレーダー層と言えば、投資のセミプロとも言える存在です。彼らが望むサービスを展開するには、まず、他社を凌駕(りょうが)する最高のツールを開発しなければならない。もちろん、他社も取引ツールの開発には力を入れているのですが、総じてITベンダーが開発したツールをカスタマイズして自社仕様にしているところが多かった。証券のプロフェッショナルとしてネット証券に進出するからにはそうではなく、ゼロから自分たちの力で他社にはないオリジナルなツールを開発するべきだと考えました。
 幸い岡三証券グループは第一線で活躍するプロのディーラーが大勢います。まず彼らのプロとしての視点をツール開発に反映しました。次に一般のアクティブ・トレーダーたちが何を求めているかを知りたいと考え、当社の開発スタッフたちが、ブログなどで人気を集めつつあった全国の有名トレーダーの皆さんに直接コンタクトを取りました。開発中のツールを実際に使ってもらって、「こんな機能があったらいい」「ここはこうした方が使いやすい」といった意見を実際に伺い、トレーダーたちの具体的なニーズをくみ取っていったのです。
 こうした努力が形になった象徴的な事例は09年に導入した「岡三RSS」ですね。エクセル上でリアルタイムの株価を見ることができるとともに、そのデータをエクセルの関数やマクロを利用して加工することも出来ます。注文もできるので、システムトレードのような取引も、エクセルでできてしまいます。こうしたツールは、それまで他社が実現したことがないものでした。リリース当初は画期的な機能で、トレーダーの皆さんにいかにスピード感のある取引環境を提供することができるかを考え続けた、当社開発スタッフのこだわりの表れです。

━━取引機能だけではなく情報面の充実も御社ならではのこだわりと言えるのでしょうか。御社のサイトを見ても、投資に関する客観的な情報が数多く配信されています。

 従来型の証券会社とネット証券の最も大きな違いは、その営業手法にあると思っています。従来の対面営業が“プッシュ型”と言われる営業マンによるお客様への直接の働きかけが中心だとすると、直接お客様と接する機会のないネット証券は、“気づきの営業”が中心になってくる。さまざまな情報を得て、お客様自らが気づき、自分で投資の判断していただくことが重要になってくるのだと思います。そういった意味で、当社では、お客様に向けての情報を充実させることが、営業の強化にもつながると考えているのです。
 現在当社では、株式で伊藤嘉洋、為替で武部力也という二人のストラテジストが積極的に情報を発信していることに加え、ロイターが提供する情報や、岡三証券のリソースを活用した独自レポートなどの情報をふんだんにお客様に提供しています。取引ツールもオリジナルにこだわりましたが、情報の分野でも他のネット証券にないオリジナルな情報の提供にこだわっていますので、他社には絶対に負けていないと思っています。


━━ところで、岡三証券グループの一員として事業を展開する御社ですが、グループ内での事業の位置づけについてご説明下さい。他社の事例を見ても、往々にして対面営業とネット証券は利害が一致せず、双方の強みを生かして事業を展開することは簡単ではないと思いますが。

ph3 私は基本的に、グループ内で両社の利害が衝突することはないと考えています。そもそも50歳以上のシニア層へのコンサルティングが中心の岡三証券と、より若い層を中心とした岡三オンライン証券では全くターゲットが異なっています。
 現在、個人投資家の90%は対面営業チャネルの利用者で、資産家層が多く、コンサルティングを重視するシニア層が中心です。一方、取引の量で見ると90%はネット証券利用者で、その中には株式投資初心者を含めた比較的小口の投資家層も多く含まれます。年齢層も取引スタイルも全く異なる投資家に向け、グループとして全く異なるコンセプト、アプローチで事業を展開しているということなのです。
 とは言え、投資家の過半を占めるシニア層もいずれは世代交代が進んでいく。ですから今後、考えなければならないのは両者をどのように融合させ、サービスを連携させていくかでしょう。この点、私が考えるのは、対面営業の営業マンの重要性がさらに高まってくるのではないかということです。
 私は、将来、営業マンがお客様にプッシュするのではなく、お客様が営業マンを選ぶ時代が来るのではないかと考えています。そのために、ネット証券のチャネルが武器になるのです。アメリカの証券会社ではすでにそうした流れが出てきましたが、ネットを通して、全国の営業マン一人一人の情報を開示して、それをもとに、お客様が自らの判断でコンサルティングを受ける相手を選別する。そんなことが当たり前の時代になるのではないかと考えています。

━━なるほど、対面営業の持つ人的リソースをネットで生かすには理想的な形と言えますね。では最後に全国の個人投資家に向け、岡三オンライン証券のニュー・リーダーとしてメッセージをお願いします。

 現在わが国は、長く続いたデフレから脱し、健全なインフレへと経済状況が変化していく途上にあります。株式市場に関しては、金融ビッグバン以来の悲願である「貯蓄から投資へ」という流れが、いよいよ本格化しつつあります。そうした中で、岡三オンライン証券では、これまで以上にサービスを充実させ、より多くのお客様の信頼を獲得したいと考えています。
 例えば、当社ではスマホでもPC同様に取引していただけるよういち早く環境を整えましたが、これはアクティブ・トレーダーだけではなく、株式投資を始めようと考えるビジネスパーソンの皆様にも、当社のサービスをお試しいただき、株式投資の魅力を体感していただきたいと考えたからです。
 また、NISA向けの商品としても、「スモール・モンスターズ・ジャパン」という投信をグループの岡三アセットマネジメントが新規設定し、当社が専用ファンドとして販売しています。投信と言えば、あまり当社のイメージに結び付かないかもしれませんが、実は、NISAが開始された当初にお客様向けのアンケートを行ったところ、利回りより中長期でのキャピタルゲインを重視されているお客様の方が多いということがわかったのです。そこで、いまは小さくても将来大化けが期待できる「怪物銘柄」を中心に組み入れた当ファンドを商品ラインアップに加えることとしました。これなども、グループ内に投資運用会社をもつ、非常に岡三オンライン証券らしい商品だと思います。
 ともあれ、さまざまな面で環境が整ってきた現在、株式投資は必ず、将来に向けて皆様の資産を守る有効な手段になり得ると信じています。私たちの最終的な目標は「全てのお客様に儲けていただくこと」。その目標に向って、これからも、私たちの持ち味である「情報力と取引ツール」をさらに強化していきたいと考えています。

 

《編集後記》
 アクティブ・トレーダー御用達の取引ツール、「岡三ネットトレーダー」が各方面で高い評価を受ける岡三オンライン証券。インタビューに同席していただいた「岡三ネットトレーダー」の開発を担当した藤波秀樹さん(同社営業推進部部長)の「お客様がゼロのところからスタートし、だからこそ全力投球でツールづくりに取り組むことができた」という言葉が印象に残っている。
「お客様の声をカタチにする」。このキャッチフレーズ自体は、世の中のあらゆる営利企業が発信する言葉だが、「ユーザーに直接コンタクトを取り、実際に会って素直に意見を聞いた」という開発当初のエピソードには、この言葉が建前ではないことを物語っている。
 とかく対立概念に捉えられがちな対面営業とネット営業の融合についても、大杉社長のビジョンは明快だ。ネットというインフラの発展によって、営業マンが不要になるのではなく、むしろその重要性はますます高まり、さらにその質が変わってくるという説明からは、証券業界の将来像が明示されている。
 証券のプロたちが渾身の思いを込め展開するネット証券。同社の今後の動向とサービス展開には、アクティブ・トレーダーのみならず、要注目だろう。


(みんかぶ編集部)

[ 会社概要 ]
社名:岡三オンライン証券株式会社
設立:2006年1月23日
資本金:80億円
 
☆トピックス
大杉新社長のもと、「情報力と取引ツール」を前面に出して事業展開。その甲斐もあってか、同社で特筆すべきなのは、顧客の投資リテラシーの高さだ。同社の顧客の信用取引評価損益率は2013年度末時点でプラスだったというが、同業他社ではほぼ考えられない数値。また、手数料も日本株が99円(税抜き)、日経225miniが43円(税込み)と業界最低水準を堅持している。

 

2013年度「みんなの株式・証券比較」ツール比較ランキングはこちら↓
https://minkabu.jp/hikaku/2013/tool.html

配信元: みんかぶ株式コラム

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