日本の食品流通市場の勝敗の行方は、総合スーパーの敗退という形で決着がつきそうです。過去にはニチイ、ダイエー、西友が退出、もしくは身売りを余儀なくされ、最近でもユニーがファミリーマートと合併しています。
イトーヨーカ堂は今やセブンアンドアイのお荷物となっています。また、イオンも往時の勢いは全くなくなってしまいました。
この背景にあるのは、日本では加工食品卸売業の機能レベルが高く、多くを自前で行う大手小売業よりも卸を使う中堅の小売業の方が、優位性を発揮できたためです。その反面、中堅の小売業は地域に密着した生鮮や中食のマーチャンダイジング力を磨きました。もちろん総合スーパーも地域密着のマーチャンダイジングには力を入れていますが、全国共通が売りの業態ですから、なかなか地域に根差した企業には勝てなかったということです。
さて、当コラムではそういった観点から、食品スーパー全体や個々のスーパーを何度か取り上げてきました。12月に取り上げたのは北陸を地盤とするアルビス(7475)でした。その時の記事はこちら。
https://money.minkabu.jp/59240
その時点でも株価はそこそこ上がっていましたが、さらに強い地域スーパーがあまりいない、岐阜、名古屋に進出するということが注目点となり、その時点から30%ほどの上昇となりました。
今回は埼玉県を地盤とするベルク(9974)です。埼玉県と言えば、食品スーパーの雄と言われるヤオコーの地盤です。ヤオコーは20年以上も増収増益を続ける優良企業として有名です。ヤオコーのこの10年間の年平均営業利益成長率は何と8%に達します。
ところがあまり知られていないのですが、そのヤオコーと同じ地域で展開するベルクは何と同期間の営業利益成長率は年率11.5%に達します。しかもここ数年をとっても既存店成長率がヤオコーに勝ち続けています。
この背景にあるのは価格帯です。ヤオコーはどちらかと言えば、高級スーパーですが、ベルクは庶民的なスーパーです。特にこのところやや所得も伸び悩み始めていますので、よりベルクの優位性が目についています。
ベルクの詳細はこちらのレポートをご覧ください。
http://cherry100.mods.jp/ra/s/989
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