昨今の相場は、値動きが極端です。この背景には世界的な景気減速感による金融緩和を発端とするカネ余りがあります。もちろん、多くの人にとっては、俺のところにはカネなぞ余っていないと思うかもしれませんが、世界的には待機資金が巨額に膨れ上がっています。
こんな時には、いわゆる「相場は相場に聞け」という格言は極めて危険です。実態以上に様々な商品の価格が動きやすくなっているため、実態とかけ離れた価格がつくことが往々にして起こります。いわゆるバブル状態です。もちろん、株式投資を投資ではなくギャンブルとしてとらえる人にとっては、面白いかもしれませんが、株式投資を投資としてとらえる方は注意が必要です。
典型的には英国のEU離脱を受けて、世界中の株価が売られ、為替も大きく変動し、円高も急速に進みました。しかし、その値動きに素直に従ってしまった人は、その後すぐに逆方向に動きえらい目にあったことでしょう。
逆に言えば、今はまじめに株式投資を行おうという人にとっては、逆張りのチャンスということができます。もちろん、単純な逆張りで儲かるほど、簡単ではありません。下がったから買う、上がったから売るでは簡単には儲かりません。
つまり、一見すると売りたくなるような業績や材料が出る。すると、今は売りでも資金が集まりますから、大きく株価が売られる。しかし、よくよく分析してみると、実は特殊要因で悪く見えているだけで、実際は悪くないということもしばしばあります。
一部の投資家は、悪い業績が出て売られたので、さらに売られるのではないかと空売りする人もいるでしょう。あるいは、株価が上がっていたので、業績もいいのではないかと買ってみたら、そうでもなかったので売るという連鎖です。
このようなことは、現時点だけではなく、過去に例はいくらでもあります。しかし、現状は世界的にカネ余りを起こしていますので、通常以上に極端に株価が動きやすくなっています。特に株価が急落をしますと、「落ちるナイフは掴むな」と言う格言もありますから、また買いの手が引っ込みます。
しかし、これらのチャートの格言は、実態が余りよくわからない投資家が、株価の動きから内容を理解している投資家の考えを類推しようという対症療法にすぎません。それに対して、内容を十分吟味し、ネガティブに見ている投資家が何を間違えているかがわかってくると、実はマーケットとは逆のスタンスが取れます。
現状では、一部の銘柄に資金が集中していますので、逆に極端な売られ方をしている銘柄の中に、投資チャンスの銘柄がいくつも見受けられます。
そんななかから今回はクスリのアオキ(3398)を取り上げます。前期決算が投資家の期待値未達であったためと今期の積極投資がネガティブに受け取られ、株価が大きく下がっています。しかし、実際は業績が期待値を下回ったのは、一時的要因ですし、今期の大型投資も、これまでの延長線上にすぎないからです。
なお、詳細はこちらのレポートで解説しています。
http://cherry100.mods.jp/ra/s/939
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