8月16日(土)の日経株式欄にあった記事です。『「未開拓地」耕す投資家』という見出しで、アナリスト不在銘柄が注目されている、とありました。記事の内容は以下のようなものです。
*****ここから*****
去年は、アナリストのカバー率が高い銘柄も低い銘柄も値上がり率は同じでした。
しかし、2014年はアナリストのカバー率が低い銘柄ほど値上がりしています。
シンガポールに本拠を置くある運用会社では、昔からアナリストがカバーしていない銘柄を探すことに注力しており、今年も高いリターンを得ているということ。
また、ある証券会社ではアナリストのカバー率の低い銘柄を新聞記事の「言葉」で、「増益」とか「上方修正」などのプラス言葉と、「減額」などのマイナス言葉で点数化して、有望銘柄を自動的に識別するプログラムを開発したともあります。
しかし、このような投資家が今年になって増えているので、「未開拓地」もだんだんなくなって、そんな埋もれた銘柄を見つけるのは難しくなる、運用者にはタフな時代になった。
*****ここまで*****
と日経では結論付けています。
とここまでなんですが。
まあ、なんだかなという感じです。いつもそうですが、日経は何らかの結論で終わらなければならないとでも思っているので、ほとんど深く考えず、こんな結びになってしまうことが多いのです。しかし、投資を行って儲けようと考えている人は、それを決して鵜呑みにしてはいけません。
当コラムではかねてからお伝えしているように、すべてが低カバー銘柄というわけではありませんが、アナリストがあまりカバーしていない銘柄を探してきて、推奨しています。それゆえ、今年のパフォーマンスにはかなりのものがありました。では、ここからは困るのかというと、全くそんなことはありません。
最初に述べたアナリストカバー率が高い会社、低い会社のパフォーマンスの違いも、実はバークレイズ証券のカバーしている220銘柄で調べたものです。一部には本当にカバー率の低い銘柄も入っているのでしょうが、実際は世の中から見れば圧倒的にカバー率の高い銘柄の中での高い、低いの差でしかありません。
220銘柄というのは、全上場銘柄の5%程度にしかすぎません。アナリストが多い証券会社でもせいぜいカバー銘柄は4-500銘柄でしょうから、残りの90%はほとんどカバーするアナリストがいない銘柄です。最近もある上場会社で取材をしていると、最近は主幹事でもアナリストにカバーしてもらえないと嘆いていました。
また当然のことながら、低カバー銘柄すべてが上がったわけではありません。結局は、その中で業績がいい会社が上がったわけです。ですから、記事中の抽出システムも結果、すでに業績が良くなった企業の抽出にすぎません。これから良くなる会社はアナリスト自らが探しに行かなければ見つかりません。ここが大きなポイントになります。
しかも、業界で1,000人のアナリストが10%の銘柄をカバーしていて、残りの銘柄が90%で、いったい誰がそれを調べられるのでしょうか。ほとんど誰も調べられないままです。でも、良くなったことがわかれば、株価は上がります。それならば、良くなって、株価が上がる前の株を探せば、今後もいくらでも新しい銘柄を探せるということです。
この2年ほどのアベノミクス相場で、株を再開した人、初めて株を買った人が大勢いることでしょう。しかし、特に初めての人はそうですが、再開した人でも大方、良く知っている会社を買って、塩漬けになっているのが現状でしょう。また、NISAで株を始めた人も知っている会社を買っている可能性が高いでしょう。
そもそもが株価は、誰も見ていない閑散時に買って、人気が出てきたら売るものです。そういうことで、当コラムではこれからもずっとその方針で行きます。
当コラムで今年取り上げた中でも、アナリストのカバーが少ない、あるいは少なかった銘柄で大きく上がった株がこれらです。
コラム記事
ヤオコー(8279):https://money.minkabu.jp/43606
プリマハム(2281):https://money.minkabu.jp/43862
新値もしくは新値近辺ではありますが、以前紹介してまだまだ評価不足なのが、日特エンジニアリング(6145)や柿安本店(2294)です。
日特エンジニアリング:https://money.minkabu.jp/46121
柿安本店:https://money.minkabu.jp/45765
動いていないという意味では一六堂(3366)もあります。
https://money.minkabu.jp/45965
そして今、一番面白いのと思うのが物語コーポレーション(3097)です。以前、当コラムで紹介した時は底値でしたから、その時よりは上がっています。
7月初旬の記事:https://money.minkabu.jp/45803
その後決算が出まして、コラムでお伝えしたように終わった期の利益は若干減額修正でした。それは出店関係の特殊な費用があったためです。その代り今期予想はやはり大幅増益です。21.7%増収、16.9%営業増益を計画しています。PERは上がったとはいえ、いまだ15倍ですので、依然評価余地はあるでしょう。
こちらから詳細レポートがダウンロードできます。
http://cherry100.mods.jp/ra/s/771
このように、アナリストのカバー率の低い企業には良く調べれば、お宝銘柄がまだまだたくさん埋もれています。くれぐれも乗り遅れませんように。
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