日本ライフL Research Memo(9):足元好調や大型新商品を反映し、ローリング後の次期中期経営計画は上方修正へ

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最新投稿日時:2018/01/05 15:18 - 「日本ライフL Research Memo(9):足元好調や大型新商品を反映し、ローリング後の次期中期経営計画は上方修正へ」(フィスコ)

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日本ライフL Research Memo(9):足元好調や大型新商品を反映し、ローリング後の次期中期経営計画は上方修正へ

配信元:フィスコ
投稿:2018/01/05 15:18
■業績見通し

3. 中期経営計画
国内の高齢化や医療機器の進歩を背景に、心疾患向け医療機器の市場が拡大を続けている。そのような環境の中で、日本ライフライン<7575>と同水準の販売体制や薬事体制を提供できる企業が国内になく、海外メーカーにとっては同社との提携が最善策となり、したがって将来にわたって同社の商品パイプラインは豊富、ということになる。さらに同社は、研究開発拠点の拡充や海外工場の建設を検討しており、自社製品ばかりでなく仕入商品でも共同開発を進める考えである。外部環境も内部環境も整いつつあり、依然として成長は続きそうである。同社は、2022年3月期売上高662億円、営業利益率25%を目指している。

事実、近々、大型商品が3品上市される見込みである。内視鏡アブレーションシステム「HeartLight」は、レーザーという新しい技術を使った商品で、バルーンテクノロジーを用い、内視鏡画像を確認しながらレーザーによる正確な焼灼が可能となっている。同社は導入後、より高機能な次世代品の導入も進めていくとしている。縫合が不要のスーチャレス生体弁「PERCEVAL」は、縫合不用のため手技時間の短縮と患者の負担軽減が期待できる、弁リングがない構造のため血行動態に優れる、複合手術や小切開手術に最適という特徴があり、外科医向けに新たな市場創造も期待できる商品である。冠動脈疾患の主要な治療機器である薬剤溶出型冠動脈ステント「Orsiro」は、新規参入のため一定規模の病院への預託在庫を用意する負担はかかりそうだが、世界最薄のストラットで再狭窄と血栓を抑制、ナノコーティングで金属イオンの溶出を防止、極めて高い耐久性という特徴がある。従来、初年度(2019年3月期)のシェア目標は10%を見込んでいたが、臨床試験の高い評価を受けたことにより15%へ上方修正した。いずれも医療現場のニーズは高いと思われ、同社の中期成長をけん引する商品群と考える。

一方で、大型新商品の連続上市により、現在55%前後ある自社製品比率が中期的に50%程度にまで下がる可能性が出てきた。これにより、同社の収益性改善に寄与してきた商品ミックスが悪化に転じる見込みである。同社はハイブリッドであるため、製商品提供のタイミングや現場のニーズによりミックスが変化するのは仕方ないことである。しかし、仕入商品の方がより先端的で大きなカテゴリーをターゲットにすることが多く、しかも開発コストがかからないため、営業利益額では自社製品とそう大きな違いにはならないと考えられることから、引き続き強い利益成長が期待できる。もちろん同社のメーカー機能の強化という方針に変化はなく、長期的観点からより基礎的研究に近い分野も開発していく方針である。中長期的に仕入商品も自社製品も強化されていく姿がイメージされる。

中長期成長という点では、ドメインの拡大も課題に挙げられる。国内心疾患領域における同社の成長力は今後も当面強いと予想されるが、新規事業領域や新規エリアへのドメイン拡大も計画しており、既に静かに進行している。新規事業領域への拡大については、2017年6月に自社製品である大腸ステントを上市し、消化器領域へ一歩踏み出した。新しい領域のためまだ試験的な運営の段階だが、今後徐々に拡販していく方針である。また、マレーシアに新工場を建設する計画がある。当初は深セン工場のバックアップとしてバルーンカテーテルを製造するが、将来的にはEPカテーテルを製造し、アジアなど海外へと販売エリアを拡大する意向である。こうした新規事業領域の収益への貢献は、現中期経営計画には織り込まれていない。2018年5月にローリングされる予定の次期中期経営計画では、2018年3月期の強い業績や近々上市される大型商品に加え、新規事業領域や新規エリアについても何かしら反映される可能性がある。既に第2四半期決算説明会では2019年3月期の売上高について、現中期経営計画にある476億円を超えて500億円を目指すとのガイダンスも出ている。ローリング後の次期中期経営計画では、現中期経営計画のピッチを上回る成長見通しが期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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配信元: フィスコ

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