米中首脳会談の行方が焦点

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最新投稿日時:2017/04/06 10:52 - 「米中首脳会談の行方が焦点」(菊川弘之 )

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米中首脳会談の行方が焦点

著者:菊川弘之
投稿:2017/04/06 10:52

トランプラリーの半値押し割れなら、200日移動平均線を試す

ドル円&NYダウ
 3月のADP雇用統計では雇用者数が26.3万人増加し、2014年12月以来の増加幅となったことで、株高・ドル高で反応したものの、その後に発表された3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を嫌気して反落。

 FOMC議事要旨によると量的金融緩和に伴い膨らんだバランスシートを巡り、メンバーの大半が「年後半にも(保有有価証券の)再投資政策の変更が適切になる」との認識を示していた。ただ、金融緩和を穏やかに縮小する意図が重ねて示されたうえ「FOMCメンバーの多くはバランスシートの正常化(縮小)が利上げの代わりになると考えている」との見方からハト派寄りの内容と受け止められ、米金利の下げが加速し、金融株を中心に売りが広がった。
 議事要旨では何人かの参加者が足元の株価を「とても割高だ」と指摘していたことも明らかになった。さらに米共和党のポール・ライアン下院議長が「税制改革には時間が掛かる」との見方を示したと伝わり、景気刺激策の遅れを警戒した売りを誘った。
 ドル円もNY株の下落と共に金利低下で売られ、トランプラリーが始まった2016年11月安値~12月高値までの上昇に対する半値押しの攻防となっている。半値押し水準を維持できないなら、200日移動平均線(108.50円水準)~61.8%押し(107.8円水準)が試される流れとなりそうだ。

 ドル円はネックライン(3月31日高値)を上抜けば、ダブルボトムから反発の目は残っているが、ADPの数字が強気であったために、週末の雇用統計でドル買いが高まるには、かなりハードルが上がった印象だ。マーケットに与える政治的ファクターが強まる中、米中首脳会談の行方に、より注目が集まっている感触。

 今回は、中国からは主要経済閣僚は同行しない模様で、「相互理解を深める」と言う大きな柱と、「北朝鮮問題」が主題となるのではないか?通商や為替問題に関しては、日米会談と同様に、2ヶ国間対応で、6月に予定されている「米中戦略経済対話」で話し合うとなりそうだ。

 米雇用統計では、ザラバでのアップダウンの反応はあるかもしれないが、メインのトレンドを発生させるものではなく、週明けの東京市場に強く影響を与えるのは、米中首脳会談の内容だろう。

 米中首脳会談前のタイミングで、バノン首席戦略官・上級顧問が国家安全保障会議(NSC)閣僚級委員会の常任メンバーから外された意図と影響を含めて、米中が挑発を続ける北朝鮮を、どのように対処していくのか?が最大の注目点だ。
菊川弘之
日産証券調査部 主席アナリスト
配信元: 達人の予想

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