新日鉄住金
<5401>=反発。
4月25日につけた2587.5円を上抜いて7カ月半ぶりに年初来高値更新。同社をはじめ高炉メーカーにとって原料炭価格の高騰がネガティブ要因とみられてきたが、コスト増加のデメリットについては認知が進み株価面で織り込まれつつあるようだ。同社株の時価PERは高いものの、来期以降の業績回復局面での最終利益の伸びは30%を上回るとの見方もあり修正余地が大きい。一方、0.8倍台の低PBRは、外国人投資家のバリューハンティングの対象として有力な根拠となっている。また、トランプラリーの本家本元である米国株市場でも大手鉄鋼メーカーの株価上昇が顕著で、金融株同様にこの流れが東京市場に波及しているとの見方も出ている。
日本新薬<4516>=大幅続伸。
同社は5日、骨髄線維症を対象とする経口投与可能なJAK2キナーゼ選択的阻害剤NS-018について、他のJAK2阻害剤治療に不耐容または再発/難治患者に対するセカンドライン治療として有用であることが示唆されたとしており、これを好材料視した買いが入っている。カリフォルニア州・サンディエゴで開催された第58回米国血液学会において、海外で実施された第1/2相の臨床試験データを発表したという。
東芝機械
<6104>=大幅反発し、年初来高値を更新。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券が5日付で、投資判断「オーバーウエート」を継続し、目標株価を400円から510円へ引き上げたことが好材料視されている。コストダウンなどによる射出成形機の利益改善や、LiB(リチウムイオン二次電池)用セパレータ向け押出成形機の受注拡大などに加えて、円安進行がポジティブ要因になると評価。これにより、18年3月期の営業利益予想を50億円から54億円へ、19年3月期を同52億円から59億円へ上方修正している。
オンコセラピー・サイエンス<4564>=急伸。
6日の寄り前に、
塩野義製薬<4507>にライセンスアウトしているがん特異的ペプチドワクチン「S-588410」の食道がん患者を対象とした第3相臨床試験について、試験の進捗に伴うマイルストーンが発生したと発表しており、業績への貢献を期待した買いが入っている。同マイルストーンは第3四半期(10~12月)に事業収益として計上することになる。なお、同社は17年3月期通期業績予想を公表していない。
ジーンテクノサイエンス
<4584>=ストップ高。
同社は5日の取引終了後、
JSR<4185>との資本業務提携を発表、これを好感した。両社の経営資源を組み合わせることで、GTSのバイオ医薬品事業とJSRのライフサイエンス事業をそれぞれ強化し、事業価値の向上を目指す。今回の資本業務提携に伴いGTSは第三者割当によりJSRに普通株式34万3407株(発行済株式総数に対する所有割合3.67%)を割り当てる。同時に同社は
持田製薬<4534>と、がん治療領域のバイオシミラーに関して日本における製造販売承認の取得に向けた共同開発および販売などを目的とした共同事業化契約を締結することも発表している。
ショーケース・ティービー
<3909>=急反発。
同社は5日、金融機関など向けにフィッシングサイトの検知や正規ユーザーの保護を目的とするクラウド製品「ProTech Anti-Phishing」を販売開始することを発表、これを材料視する買いを誘っている。昨年だけで1万1000件を超えるフィッシング詐欺事件が発生している状況にあり、同社独自のクラウド技術や暗号化技術を活用したフィッシング対策製品に期待がかかっている。