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最新投稿日時:2016/12/05 19:07 - 「リスクオフ環境続かず反発局面へ」(冨田康夫)

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リスクオフ環境続かず反発局面へ

著者:冨田康夫
投稿:2016/12/05 19:07

明日の東京株式市場見通し

 6日の東京株式市場は、今晩の欧州株市場の動向に左右される要素が大きいものの、押し目買いが機能して反転に転じる可能性が高そうだ。イタリアの憲法改正の是非を問う国民投票は改憲反対派が勝利し、レンツィ首相が辞意を表明するかたちとなったが、これは事前に織り込みが進んでおり、短期空売りのポジションをとるヘッジファンドなどは為替動向を横目に買い戻しを促される展開となっている。最近のイベントドリブン型売買は、結果いかんにかかわらず株価は総じて上昇する傾向にあり、今回もそのパターンを踏襲する可能性が高そうだ。

 5日の東京株式市場はリスク回避ムードのなかで売りに押された。しかし、ドル円相場はドル売り円買いに流れず、1ドル=113円台半ばを軸にもみ合い、日経平均株価も結果的に150円程度の下げにとどまるなど、狼狽売りを示唆するような動きはいっさいみられなかった。円は対ユーロでは円高に振れたが、東京株式市場の取引時間終了後には急速に円安方向に押し戻される展開となり、これは株式市場にも追い風材料となりそうだ。

 トランプ政策への期待感というよりは、副次的に発生した米長期金利の上昇が今のリスクオン相場を助長している。日米金利差拡大をベースとした円安基調は今後も継続が見込まれ、結果的に日本企業に及ぶ収益メリットは外国人買いの根拠ともなっていく。一方、テクニカル的には東証1部の騰落レシオは119%台と依然として過熱ゾーン近辺にあるものの、ひと頃よりは大分水準を下げており、調整圧力も緩和されている。機関投資家が持たざるリスクを意識する相場は当面続きそうである。

5日の動意株

 グローバルダイニング<7625>=ストップ高で年初来高値を更新。
日本や中国で大ヒットとなっているアニメーション映画「君の名は。」の関連銘柄として物色人気が高まっているもよう。同映画に登場するレストランが同社運営の「カフェ ラ・ボエム 新宿御苑」がモデルとの見方があり、「聖地巡礼」による中国人の来店増などが期待されているようだ。なお、2日に発表した11月度の国内既存店売上高は前年同月比3.7%減と4カ月連続のマイナスだったが、客単価は同2.2%増と前月の0.6%増から伸びており、これを好感する動きも一部であるようだ。

 日本CMK<6958>=急伸し、年初来高値を更新。
同社はプリント配線板の大手メーカーで、安全装置や車載カメラなどエレクトロニクス化が進む自動車用が好調で収益を牽引、17年3月期経常損益は21億円の黒字見通しと業績回復が急だ。信用買い残を売り残が上回っており、信用倍率は直近11月25日申し込み現在で0.85倍、日証金では逆日歩がつくなど株不足の状態にある。時価は2010年4月以来約6年半ぶりの高値水準にあり、空売りを呼び込み需給相場の片鱗も見え隠れする。

 ショーワ<7274>=全般下げ相場に逆行して急反発。
SMBC日興証券が2日付で同社株の目標株価を600円から780円に引き上げており、これが株高を後押ししている。17年3月期はリコールに伴う製品保証引当金計上で営業赤字に転落見通しにあるが、18年3月期は165億円の黒字に急回復する見込み。同証券ではリコール再発懸念がバリューションをディスカウントし、PER7倍 がリーズナブルとみるとしている。今後の決算が発表される中でリコール影響の一巡が認知されれば、業績リスクも一巡すると予想している。

 日本駐車場開発<2353>=3日ぶり大幅反発し、年初来高値を更新。
同社は駐車場のサブリースを展開するが、料金改定効果や稼働率上昇を背景に業績はV字回復途上にある。2日取引終了後に発表した17年7月期の第1四半期(8~10月)連結決算は売上高が50億1800万円(前年同期比41.4%増)、営業利益は7億3400万円(同4倍)、最終利益は6億8800万円(同2.5倍)と大幅伸長をみせた。これを好感する買いを誘導している。

 三井ハイテック<6966>=急反発。
同社は2日取引終了後に、17年1月期通期の連結業績予想を修正。営業利益見通しは従来の11億円から14億円(前期比24.7%減)に引き上げた。売上高見通しは650億円(同1.4%増)で据え置いたが、生産性向上などの取り組みが営業利益を押し上げるという。また、あわせて期末配当を従来計画から2円増額し、5円(前期は6円)とする方針を発表。これにより、年間配当は中間配5円を加えた10円(同13円)となる。

 共和工業所<5971>=ストップ高で年初来高値を更新。
同社は2日取引終了後に、17年4月期通期の連結業績予想修正を発表。営業利益見通しは従来の1億6000万円から4億2000万円(前期比97.4%増)に上方修正した。売上高予想も61億円から65億円(同6.6%増)に増額修正した。主力の建設機械向け製品の国内販売は排ガス規制に伴う駆け込み需要の反動やレンタル業界向け需要が一巡したことが影響しているものの、米国や欧州、中国での販売好調が増収を牽引。また、利益面では生産設備の効率化や経費削減が寄与するという。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想

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