<話題の焦点>
米国の長期金利上昇の一方で、日銀のイールドカーブ・コントロールによる低金利環境の継続が日米金利差の拡大をもたらしている。これによりドル買い円売りの動きを加速させたことは望外の追い風といってよい。目先は1ドル=113円台をうかがうどうにも止まらない円安展開。行き過ぎてドルが買われた反動も想定されるとはいえ、仮に揺り戻しがあっても1ドル=110円近辺の推移であれば、輸出主導型企業にとって願ってもない収益環境といってよい。下期の想定為替レートについて日本企業は実勢より大幅に円高で見積もっていることは言うまでもなく、3月期決算の輸出企業の平均では1ドル=101円前後と試算されている。これは早晩、業績上振れ期待と合わせ株価の水準訂正のチャンスが巡る可能性が高いことを意味している。