リスク(欧州・新興国・地政学)は残ったまま
23日のFOMC議事録で年内利上げを織り込む動きも予想されるが、CMEFedウォッチによると、年内の利上げ観測は95%以上になっており、現行水準が利上げをほぼ織り込んで付けている価格と言えるだろう。
26週移動平均線に続き、52週移動平均線を上抜き、2015年6月高値~2016年安値までの下げ幅に対する半値戻し(112.17円)~61.8%戻し(115.40円)を試す流れだが、仮に各イベントを無事通過して、12月FOMCで利上げが決定しても、「知ったら終い」となる可能性もある。
さらに、24日には、モンテバスキ株主総会(イタリア)もある。12月4日には、イタリアの国民投票、オーストリアの大統領選挙のやり直しもあり、欧州リスクが急浮上する可能性も残ったままだ。
11月30日にはOPEC総会も控え、一旦は利益確定の動きが進みそうだ。トランプ氏は米製造業を守ることを最優先課題の1つとして掲げる保護貿易主義で、通貨高を懸念する発言が飛び出してくる可能性も今後あろう。ドル名目実効レートは、既に今年1月につけたピークに迫っている。
本日は東北地方の地震発生で、3.11連想でやや円高ドル安で反応したが、ドル円は21日に付けた十字線高値を早々に更新しないと、調整安に転じる可能性があろう。仮に調整が入った場合、52週移動平均線(109円水準)や、6月安値から11月高値までの上昇に対する38.2%押し(106円台前半)が下値支持帯として意識される。
23日「勤労感謝の日」の夜から、関東では半世紀ぶりの降雪も予報されている。本日(関東)の暖かさからは予想し難いが、1日で激変するのが天候であり、マーケットである。