円安進行一服懸念で買い手控え、利益確定売りで上値重い

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最新投稿日時:2016/11/15 18:19 - 「円安進行一服懸念で買い手控え、利益確定売りで上値重い」(冨田康夫)

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円安進行一服懸念で買い手控え、利益確定売りで上値重い

著者:冨田康夫
投稿:2016/11/15 18:19

明日の東京株式市場見通し

 16日の東京株式市場は、米大統領選でトランプ氏が勝利して以降、継続してきた外国為替市場での円安・ドル高進行に一服感が強まるのではとの見方から、買い手控えのなか利益確定売りが先行しそうだ。

 9日午前中には、1ドル=101円台まで一気に円高・ドル安が進行したものの、その後わずか1週間で7円を超える急速な円安・ドル高となり、きょうは一時1ドル=108円台半ばの水準まで下落した。市場では、値幅や日柄などを考慮して一方的な円安進行にそろそろ一服感が出てもおかしくないとの見方が増えている。

 市場関係者からは「きょうの日経平均株価が一時、1万7700円台に乗せるなど、全体相場が短期間に急ピッチな上昇を続けるなか、円安進行の材料だけでは上値が重くなりそうだ。また、原油価格が下落を続けていることも懸念材料」との見方が出ていた。

 15日の東京株式市場は、朝方小高く始まったものの、その後は利益確定売りに押され、マイナス圏に沈む展開。ただ、下値も限定的で1万7000円台後半でのもみ合いに終始した。日経平均株価終値は、前日比4円47銭安の1万7668円15銭と4日ぶりの小反落となった。

15日の動意株

 明治機械<6334>=大幅続伸。
同社は14日取引終了後に、17年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算を発表。営業利益は1億6200万円(前年同期は900万円)となり、従来計画の7800万円を大きく上回って着地したことが買い手掛かりとなっているようだ。売上高は28億6600万円(前年同期比5.7%増)で、従来の30億7600万円にはやや届かなかった。産業機械関連事業および太陽光関連事業で第2四半期に売り上げ予定だったものの一部が第3四半期に後ずれしたことが影響した一方、コスト削減効果が営業利益を押し上げた。

 細谷火工<4274>=連日のストップ高。
引き続き防衛関連の一角として物色人気が継続しているようだ。トランプ次期米大統領が選挙戦中に在日米軍の駐留経費の負担増を求める発言をしたことについて、安倍晋三首相は14日の参院環太平洋経済連携協定(TPP)特別委員会で、現状の日本側の負担は適切との考えを述べており、自主防衛の必要性が高まっていることも株高を後押ししているようだ。

 昭和ホールディングス<5103>=続急伸。
14日の取引終了後、17年3月期の連結業績予想について、従来予想の売上高135億円、営業利益34億円、純利益5億円から未定に修正したが、修正理由として子会社グループリース社が行うデジタルファイナンス事業で業績の急拡大が顕著であるためとしており、従来予想に対する上振れ期待から買いが入っている。

 ヤーマン<6630>=大幅続伸。
同社は14日の取引終了後、17年4月期の連結業績予想について、売上高を184億4800万円から192億5300万円(前期比18.0%増)へ、営業利益を18億9200万円から28億3600万円(同2.8倍)へ、純利益を12億1500万円から18億1800万円(同3.1倍)へ上方修正したことが好感されている。美顔器ブランド「RFボーテ」シリーズが各販路で好調なことに加え、上期に中国向け売り上げが想定より前倒しで計上されたことなどが寄与した。また、原価低減の取り組みや、為替の円高傾向なども寄与するとしている。

 マルマン<7834>=急伸。
同社は14日の取引終了後、16年9月期決算短信において、「継続企業の前提に関する注記」の記載を解消したことが好感されている。16年9月期連結決算が、売上高65億600万円(前の期比1.8%増)、営業利益1億9700万円(同38.3%増)、純利益7400万円(同74.2%増)となり、2期連続で黒字を計上し、17年9月期業績も売上高64億5000万円(前期比0.9%減)、営業利益2億円(同1.4%増)、純利益1億円(同33.7%増)と黒字幅拡大を見込んでいることが要因としている。

 タツモ<6266>=続急伸。
同社は14日の取引終了後、12月31日を基準日として1対3株の株式分割を実施すると発表しており、これを好材料視した買いが入っている。同時に、第3四半期累計(1~9月)連結決算を発表し、売上高73億6600万円(前年同期比20.6%減)、営業利益10億5400万円(同38.4%増)、純利益10億2200万円(同55.5%増)と大幅増益となったことも好感されているようだ。コーター部門で大型装置の検収がなかったため減収に終わったが、スマートフォンの普及を背景に電子部品の需要が堅調だったことから、半導体装置が大幅増となったほか、半導体業界向け搬送装置も伸長し増益に貢献した。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想

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