急落の後遺症残り波乱展開、中期的な警戒感が必要

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最新投稿日時:2016/11/09 20:51 - 「急落の後遺症残り波乱展開、中期的な警戒感が必要」(冨田康夫)

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急落の後遺症残り波乱展開、中期的な警戒感が必要

著者:冨田康夫
投稿:2016/11/09 20:51

明日の東京株式市場見通し

 10日の東京株式市場は、米大統領選で共和党ドナルド・トランプ氏が勝利したことへの警戒感が継続し、きょうの急落相場の後遺症を引き継いで、日経平均株価は軟調な推移が予想される。

 “想定外の結果”に誘発されたという意味から、今回の急落を、今年6月の英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)と比較する見方もあるものの、政治経験のない新大統領の誕生で、これまで築き上げてきた日米間の経済政策の協調関係が根底から見直される可能性を含んでいることが懸念される。

 市場関係者からは「トランプ氏は、女性や移民、イスラム教徒や障害者を侮辱する失言を繰り返し、これが話題となってきた。しかし、政治経験なく、具体的な政策に関してはあまりにも不透明な部分が多く、今後これが不安材料視される可能性が高い」との見方が出ていた。きょうの急落の反動で、一時的に戻る場面も想定されるものの、安易な押し目買いは慎んだ方が良さそうだ。

9日の動意株

 石川製作所<6208>=後場に入り一時ストップ高。
このほかに、東京計器<7721>豊和工業<6203>日本アビオニクス<6946>など防衛関連が軒並み高となった。米大統領選挙で、日本などの同盟国に対して、独自に軍備を拡大するよう主張する共和党のドナルド・トランプ氏の優勢が伝わってきたことから、防衛関連企業には需要増の思惑から短期資金が向かった。また、重松製作所<7980.T>なども同様に買われた。

 NCS&A<9709>=大幅高で年初来高値更新。
8日の取引終了後に自社株買いと消却を発表しており、需給面への好影響を期待した買いが入っている。自社株買いは、上限を30万株(発行済み株数の1.58%)、または9000万円としており、取得期間は11月9日から来年6月30日まで。また、自社株消却は、11月30日付で消却前発行済み株数の8.32%にあたる181万5104株を消却するとしている。

 KNT-CTホールディングス<9726>=大幅反発。
8日の取引終了後に発表した第2四半期累計(4~9月)連結決算が、売上高2035億1800万円、営業利益21億8600万円、純利益11億8400万円となり、従来予想の営業利益15億円を上回ったことが好感されている。売上高はほぼ計画通りで着地したものの、各連結子会社で売上原価や諸経費の削減に努めたことが寄与したという。9月30日に期初予想の同30億円から15億円に下方修正していただけに、上振れがポジティブサプライズとなったようだ

 ノエビアホールディングス<4928>=反発。
同社は8日取引終了後、17年9月期の連結業績予想を発表し、売上高は520億円(前期比1.6%増)、営業利益は85億円(同10.3%増)と、3期連続で営業最高益更新を見込むことが好感されている。カウンセリング化粧品やセルフ化粧品が前期に続き順調に伸長するほか、医薬品のど飴の自主回収の損失が一巡することも寄与する。なお、16年9月期連結決算は売上高511億8000万円(前の期比3.6%増)、営業利益77億600万円(同1.6%増)だった。同時に、19年9月期に売上高550億円、営業利益100億円を目指す中期経営計画も発表した。

 国際のETF VIX短期先物指数<1552>=急騰。
価格は前日比10%超の上昇となっている。米国大統領選で共和党のトランプ氏が優勢となっていることから、急激な株安と円高が進むなか米国の「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数に連動する同ETFが買われている。NYダウ先物も3%強急落している。

 C&Fロジホールディングス<9099>=大幅反発し、年初来高値更新。
同社は8日の取引終了後、17年3月期の連結業績予想について、売上高を1020億円から1032億2000万円(前期比46.8%増)へ、営業利益を32億円から38億8000万円(同2.1倍)へ、純利益を21億円から23億8000万円(同56.5%減)へ上方修正したことが好感されている。西日本地区の記録的猛暑など、全国的に平年を上回る高気温となったことを受けて、冷凍・冷蔵食品の共同配送事業における取扱額が増加したことが牽引。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想

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