米大統領選目前で買い手控え、原油価格下落も足かせ

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最新投稿日時:2016/11/07 18:39 - 「米大統領選目前で買い手控え、原油価格下落も足かせ」(冨田康夫)

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米大統領選目前で買い手控え、原油価格下落も足かせ

著者:冨田康夫
投稿:2016/11/07 18:39

明日の東京株式市場見通し

 8日の東京株式市場は、米大統領選の投開票を目前にして、売り買いともに手控え姿勢が強まりそうだ。日経平均株価はきょうの大幅反発の反動もあり軟調推移と予想される。

 FBI(米連邦捜査局)が、私用メール問題で再捜査していた民主党のクリントン大統領候補の訴追を求めない方針と伝えられ、大統領選を巡る不透明感が後退したことで、円安・ドル高が進行し、日経平均株価は大幅反発した。

 ただ、市場関係者からは「米原油先物市場の指標油種のWTI(ウェスト・テキサス・インターミディエート)の12月物の価格が一時、1バレル=44ドル台と約1カ月半ぶりの安値水準となった。原油価格低迷に伴う不透明感が、株式相場の足かせとなる懸念もある」との見方が出ていた。

 7日の東京株式市場は、前週後半のリスク回避ムードから、一転買い戻しの動きが強まった。外国為替市場での円安基調などが買い材料視された。日経平均株価終値は、前週末比271円85銭高の1万7177円21銭と3日ぶり急反発した。

7日の動意株

 ゼニス羽田ホールディングス<5289>=後場急上昇。
同社は正午ごろ、集計中の第2四半期累計(4~9月)連結業績について、売上高を62億円から63億9900万円(前年同期比0.9%増)へ、営業利益を4億円から5億7600万円(同7.7%増)へ、純利益を3億円から4億1700万円(同16.1%減)へ上方修正したことが好感されている。コンクリート等製品事業の一部製品で販売単価が安定して推移したことに加えて、子会社収益が総じて回復したことなどが要因としている。

 ディジタルメディアプロフェッショナル<3652>=後場急伸。
同社は午後1時ごろ、ディープラーニングなど最先端の人工知能(AI)技術を活用した製品ラインアップで構成されるプラットフォーム「ZIA(ジア)」の提供を開始すると発表しており、業績への貢献を期待した買いが入っている。ZIAは、DMPがこれまで、日本で唯一のGPUベンダーとして蓄積してきたGPU技術をベースに構築した製品プラットフォーム。GPU技術をベースに、AI・ディープラーニングに対する知見を融合した新しいソフトウエア、ハードウエア製品で構成。その第1弾として、ディープラーニングによる動画像認識を効率的に行う独自エンジン「ZIA Classifier」をきょう付で発売するとしている。

 ホシザキ<6465>=後場一段高。
同社はきょう午後1時に、16年12月期第3四半期累計(1~9月)の連結決算を発表。営業利益は315億5600万円(前年同期比15.4%増)となり、通期計画342億円に対する進捗率は92.3%に達した。売上高は2073億4400万円(同2.8%増)で着地。国内を中心に業務用冷蔵庫や製氷機、食器洗浄機などの拡販および新規顧客への積極的な営業活動を展開したことが功を奏した。なお、通期業績予想は従来計画を据え置いている。また、期末一括配当を従来計画から10円増額し、70円(前期は60円)とする方針も明らかにしている。

 ライオン<4912>=続急伸し、年初来高値を更新。
同社は前週末4日取引終了後、16年12月期の連結業績予想の修正を発表し、売上高を3850億円から3900億円(前期比3.0%増)へ、営業利益を210億円から235億円(同43.5%増)へ上方修正したことを好感。一般用消費財事業で、歯磨きの「システマハグキプラス」など高収益商品を中心に予想を上回ると見込んでいる。あわせて発表した第3四半期累計の連結決算は売上高2901億3400万円(前年同期比5.9%増)、営業利益190億6400万円(同72.2%増)だった。同時に発表した期末配当を6円から8円(前期末5円)へ増額し、年13円(前期10円)とすることも材料視されている。

 テイクアンドギヴ・ニーズ<4331>=ストップ高。
同社は4日取引終了後に、17年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算を発表。営業利益は5億7400万円(前年同期比2.1倍)となり、従来計画(損益トントン)を上回って着地した。売上高288億5200万円(同0.5%増)と従来計画の290億円には届かなかったが、商品のマージン改善などに取り組んだことや費用の期ずれが営業利益を押し上げた。なお、通期業績予想は従来計画を据え置いている。

 太平製作所<6342>=ストップ高。
同社は4日取引終了後に、17年3月期通期の連結営業利益予想を従来の3億3000万円から7億4000万円(前期比86.4%増)に上方修正すると発表。あわせて、これまで未定としていた期末一括配当を5円(前期は4円)とする方針も明らかにした。売上高予想も56億円から63億5000万円(同2.3%減)に増額修正。足もとの受注が予想を上回っているほか、利益面では製作効率の向上やスケールメリットを生かした仕入れ効果が寄与するとみている。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想

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