企業生き残りに向けM&A増加に拍車

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最新投稿日時:2016/10/11 16:49 - 「企業生き残りに向けM&A増加に拍車」(冨田康夫)

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企業生き残りに向けM&A増加に拍車

著者:冨田康夫
投稿:2016/10/11 16:49

後継者不足でM&Aに注目集まる

 後継者不足の問題は、もはや農業だけではなくさまざまな業種の中小企業で待ったなしの状態となっている。また、既に株式市場に上場を果たしている大企業や中堅企業にとっても経済環境が長期間停滞するなか、成長を確保するために売上規模拡大が必須条件となっている。そこで、これら課題の対応策として急増が予想されるのがさまざまな形でのM&A(企業の合併・買収)だ。

 後継者不足を深刻化させているのが、団塊世代(1947~49年生まれ)の経営者が60歳代後半を迎えたことによる事業継承問題だ。企業経営者の平均引退年齢は70歳前後といわれており、中小企業庁は「日本企業の過半は今後10年間で、社長の代替わり期を迎える」としている。そこでM&Aの活用などにより、事業承継をいかにして円滑に行うかが焦点となっている。

 日本M&Aセンター<2127>は、全国の会計士や税理士による出資で設立されたM&A仲介会社。ネットワークを生かした豊富な情報量を持っていることが特長で、年商1億~20億円の企業が主要顧客。17年3月期で7期連続の増収増益を見込むなど順調に業容を拡大している。

 一方大企業でも、ソフトバンクグループ<9984>が今年7月18日に英半導体設計大手のARMを3兆3000億円で買収した案件。医療機器メーカーの東芝メディカルの親会社だった東芝<6502>が東芝メディカルの全株式をキヤノン<7751>に6655億円で売却する契約を結んだ案件。台湾の電子機器受託製造サービス最大手の鴻海精密工業が、経営再建中だったシャープ<6753>へ3888億円出資して傘下に収めた案件など枚挙にいとまがない。

 国際的な企業を含む大型案件へのM&A助言を手掛けるGCA<2174>は、最近でも日本電気硝子<5214>による英PPG社の欧州ガラス繊維事業の買収、セブン&アイ・ホールディングス<3382>の完全子会社であるセブン&アイ・ネットメディアの株式交換による株式会社ニッセンホールディングス<8248>の完全子会社化の案件などを成功に導いている。

 このほかに、独立系M&A仲介会社のM&Aキャピタルパートナーズ<6080>、ベンチャー企業への投資・育成、企業コンサルタントが柱のドリームインキュベータ<4310>、公認会計士や税理士が主体のM&A仲介会社のストライク<6196>などにも注目したい。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想

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