売り買い拮抗でもちあい、円高進行も売り手控え

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最新投稿日時:2016/09/07 18:24 - 「売り買い拮抗でもちあい、円高進行も売り手控え」(冨田康夫)

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売り買い拮抗でもちあい、円高進行も売り手控え

著者:冨田康夫
投稿:2016/09/07 18:24

明日の東京株式市場見通し

 8日の東京株式市場は、売り買いが拮抗するなか、もちあいの推移となりそうだ。きょうは、外国為替市場で急激な円高・ドル安状態となったにもかかわらず、日銀による上場投資信託(ETF)買い入れ思惑が下支えとなり、日経平均株価は後場に入って徐々に下げ渋る展開となった。日銀は7日取引終了後、指数連動型上場投資信託受益権(ETF)を733億円買い入れたと発表した。

 市場関係者からは「前日に比べて、対ドルで2円程度の急速な円高進行を受け、寄り付き直後には日経平均株価が一時、前日比178円安まで下げ幅を広げる場面もあった。ただ、その後は、根強い日銀によるETF買い入れ思惑から、積極的な売りは手控えられたようだ」との見方が出ていた。

 7日の東京株式市場は、外国為替市場での急速な円高・ドル安の影響を受けて、主力株大型株を中心に売りが出て、終始軟調な展開を強いられたが、後場に入ると下げ渋りが鮮明となった。日経平均株価終値は、前日比69円54銭安の1万7012円44銭と3日ぶりに反落。東証1部の売買代金は2兆1267億円と8月31日以来、1週間ぶりの2兆円台乗せとなった。

7日の動意株

 アドバンスト・メディア<3773>=7日続伸。
この日の午前中、コールセンター向け音声認識ソリューション「AmiVoice Communication Suite2(アミボイス コミュニケーション スイート)」の中国語版(繁体字・簡体字)を開発し、台湾大手の生命保険会社、新光人壽保險(台湾台北市)のコールセンター全席に繁体字版が採用されたと発表しており、これを好感した買いが入っている。「AmiVoice Communication Suite2」は、オペレーターと顧客との全会話をリアルタイムで文字化し、VOC分析(Voice of Customer)や通話モニタリング、コンプライアンス対策など、さまざまな活用を可能にするソリューション。

 AppBank<6177>=急反発。
同社は6日、子会社AppBank Storeが、米アップルによる新型iPhone発表会の様子を実況するニコニコ生放送を9月8日未明から配信すると発表しており、iPhone関連の一角として人気化しているもよう。 番組では、日本時間未明に行われる新型iPhoneの発表イベントを実況。また、発表後にはAppBank Storeでの新型iPhone対応アクセサリの発売発表も予定しているとしている。

 アクセルマーク<3624>=後場に上昇幅拡大。
同社は6日、完全子会社であるアクセルゲームエンターテインメントが提供中の、時を思考する対戦RPG「ワールドクロスサーガ ―時と少女と鏡の扉―」(略称:ワクサガ)において、大型アップデートを実施したと発表しており、これを好感した買いが入っている。「ワクサガ」は4月15日に配信を開始し、既に300万ダウンロードを突破している人気タイトル。

 朝日インテック<7747>=続伸。
東海東京調査センターが6日付けで同社株のレーティングを「アウトパフォーム」継続でフォロー、目標株価は前回設定の6140円から5220円に引き下げたが、時価4600円近辺からは13.5%程度上値に位置しており、リバウンド期待の買いを引き寄せている。同社はステンレスワイヤーロープなど医療器具を主力としているが、国内外で高水準の需要を取り込み、17年6月期は営業利益段階で前期比微増の100億5300万円を会社側では計画している。これに対し同調査センターでは同109億円と、円高などの影響をこなして会社計画を上回ると予想しており、増額期待が買いの手掛かりとなっている。

 旭硝子<5201>=続伸。
同社は6日の取引終了後、欧州のバイオ医薬品製造受託業(CMO)大手の独バイオミーバ社(ハイデルベルク市)を買収したと発表しており、業容拡大を期待した買いが入っている。バイオミーバ社は、微生物発現系を用いたバイオ医薬品の開発・製造受託サービスを1993年から手掛ける業界大手。旭硝子では、ライフサイエンス事業を戦略事業の一つと位置づけているが、今回の買収により旭硝子の大量生産能力とバイオミーバ社の開発技術を融合することで、プロセス開発から商業生産向け原薬供給まで幅広いサービスを提供する新たなグローバルバイオCMOが誕生すると期待されている。

 ナイガイ<8013>=大幅続伸し、年初来高値更新。
同社は6日の取引終了後、17年1月期の連結業績予想の修正を発表。営業利益を3億2000万円から5億1000万円(前期比11.9倍)へ上方修正、売上高は180億円(同2.8%増)、純利益は3億円(同3.5倍)で据え置いた。卸売り事業では当初計画以上に仕入原価削減施策が寄与、下半期の販売拡大に伴う販売費増などを営業利益に織り込んでいる。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想

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