円安に一服感で弱含み推移、売り買いともに手詰まり状態
明日の東京株式市場見通し
7日の東京株式市場は、材料不足で売り買いともに手控え姿勢が強まるなか、ここ2週間近く続いた外国為替市場での円安・ドル高傾向に一服感が出はじめているのを受け、上値の重さが際立つ推移となりそうだ。
日経平均株価は1万7000円を近辺での狭いレンジでの攻防となりそうだ。
きょうの東証1部の売買代金は、1兆6249億円、1日の高安の変動幅は約75円と、閑散もちあい相場となった。市場関係者からは「日米の金融政策決定のイベントが経過するまでは、市場参加者は積極的に動き難い。売り方は、日銀の上場投資信託(ETF)買い思惑で下値が限定され、一方で踏み上げの恐怖感もある。買い方は、為替が円高進行に反転した場合の急落を恐れて、これ以上買い進めない状態」との見方が出ていた。
6日の東京株式市場は、寄り付き直後に小幅安となる場面があったものの、その後は一貫して小幅高を維持する推移となった。
日経平均株価終値は、前日比44円35銭高の1万7081円98銭と小幅続伸した。
6日の動意株
アエリア<3758>=後場一段高で連日の年初来高値更新。
同社は午後2時ごろ、次世代育成シミュレーションゲーム「STARLY GIRLS -Episode Starsia-」(以下「スターリーガールズ」)の事前登録者数が2万人を突破したと発表しており、これが好感されている。同社では8月30日、角川ゲームスとの共同事業第1弾となる「スターリーガールズ」を発表。これを受けて株価は急騰し、前日高値まで急騰前の約2.5倍となっている。この日は高値警戒感から、利益確定売りで一時マイナスに転じる場面もあったが、今回の事前登録2万人突破の発表で、改めて滑り出し順調への期待が高まったようだ。なお、正式サービス開始時期は16年内としている。
大日本塗料<4611>=上値追い鮮明。
暦は9月入りしているとはいえ、厳しい残暑に見舞われている。都心部ではヒートアイランド現象への対策が意識されているが、2020年の東京五輪開催を前に遮熱材や遮熱塗装に対するニーズが高まりをみせている。そのなか、同社は日差しを受ける建物を遮熱する塗装システム「エコクールシリーズ」を手掛け、ヒートアイランド対策関連の常連銘柄として注目を集めている。
さくらインターネット<3778>=後場一段高。
足もとの信用取組は売り買いがっぷり四つで信用倍率1.3倍、日証金では株不足で逆日歩がつく状態にあり、踏み上げ相場のタイミングをうかがう。ITインフラ分野ではアウトソーシング需要が増大、クラウドや人工知能(AI)、ディープラーニングといった新サービス分野の開拓で成長軌道に乗っており、第1四半期営業利益は2億9100万円を確保し、中間期計画に対する進捗率が7割を超えていることで9月末を控え上振れ期待も高まっているようだ。
ピジョン<7956>=大幅反発。
同社は5日の取引終了後、従来、中間・期末各22円を予定していた17年1月期の配当について、17年8月に設立60周年を迎えることを記念して、各25円に引き上げると発表しており、これを好感した買いが入っている。これにより、年間配当は50円(従来予想44円、前期42円)となり、8円の増配となる。
ティーライフ<3172>=大幅高。
7月26日以来の4ケタ大台を一気に回復する勢いだ。同社はお茶や健康食品などを主力に通販を手掛けるが、積極的な販促活動が功を奏して収益拡大が顕著だ。前日引け後に発表した16年7月期の連結経常利益は、前の期比22.9%増の4億4600万円と大幅な伸びを確保した。さらに、続く17年7月期も前期比41.7%増の6億3200万円に急拡大する見通しを発表、これがポジティブサプライズとなり短期資金が流入している。今期の年間配当は前期比2円増の30円に増配する方針としたことも評価材料。
薬王堂<3385>=急反発。
同社は5日の取引終了後、8月度の月次速報を発表、全店の売上高は前年同月比12.2%増、既存店は同5.3%増となった。既存店は昨年4月以降、17カ月連続でのプラスとなっている。
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