荒れる8月
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さて、今週のメインイベント雇用統計だが、ここ数ヶ月の発表では、事前予想との大幅乖離でマーケットは発表後に荒れる展開となっている。「ヘッドラインに反応する高速取引」を引っ掛けるようなニュースが流れるなど、今回も要注意だ。
5日(金)には「もののけ姫」が放映される。雇用統計の発表と重なる金曜日のジブリ放送は荒れる傾向が、一時話題となったが、忘れた頃の「ジブリの法則」となるか??。ちなみに前回の「もののけ姫」放送は、2014年7月4日放送。ドル円は、102円台の戻り高値を付けた後、翌週には101円台へ下落した。
「もののけ姫」劇中、アシタカがタタリ神に「鎮まりたまえ! なぜそのように荒ぶるのか?」と語りかけるシーンがあるが、個人投資家も、そろそろ雇用統計前後の乱高下に辟易しているのではないか。ヘッドライン毎に乱高下した後は、往って来いとなるケースもあり、そのような荒波の中に飛び込まず、一歩引いて大勢を見極めた方が投資結果に繋がるかもしれない。
2000年以降の8月の季節傾向を見ると、月足ベースで「ドル売り・NY金買い」が顕著であることが確認できる。昨年8月11日には、中国人民銀行が人民元の実質的な切り下げを行ったことが世界の金融市場を揺るがした。8月はリオ・オリンピックも開催され、マーケットが薄商いになると同時に、様子見モードで動かなく可能性があると一方、薄商いで値が飛ぶリスクもある。ブラジル経済後退と共に治安悪化も伝えられており、オリンピックでのテロ対策に疑問の声も強い。欧州では散発的なテロが続いている。米大統領選挙前の米政治空白期間に地政学リスクが高まるとの見方も強い。昨年は北戴河会議に合わせた天津爆破事故(一部に事件説)もあり、8月は、日本のお盆中や、最近ではジャクソンホールに絡んだ乱高下など荒れる印象が強い。
ドル円は、2015年6月高値を中心とした左右相似を形成中で、雇用統計で大きなサプライスがなければ、8月末のジャクソンホールでのイエレンFRB議長の講演まで100円前後での保合い入りも予想されるが、保合いが長ければ長いほど、次なる放れは大きくなる。
史上最高値圏にあるNY株式市場も、景気循環サイクルからは、いつ天井打ちしてもおかしくない時間帯に入っており、NY株式と相関の高い原油市場が崩れているのも懸念要因。
アシタカの言葉「曇り無き眼で見定め 決める」のように、場中の乱高下に惑わされず、メイントレンドはどこへ向かっているかを念頭にして市場と対峙していきたい。