無事通過すれば、市場の関心は米利上げ動向へ
23日の英国国民投票は、日本時間の24日昼過ぎには過半数の地域での結果が判明する見通しで、よほどの接戦とならない限り、午後の日本市場で結果に対する織り込みが予想されます。
「残留」であれば、ノーサプライズ。今週の巻き戻しの動きである程度、「残留」は織り込まれた格好で、更なるリスクオンには繋がりにくいと考えます。ドル円は105円台を回復する動きとなりそうですが、戻りは鈍く107-110円は厚い壁となりそうです。英国がEU残留となっても、フランスやイタリアなど他国が離脱する動きが拡散する気配は高まっており、「残留=リスクオン継続」とはなり難い地合いです。
一方、「離脱」となれば、改めてネガティブサプライズを織り込む格好が予想されます。アルゴリズムによる高速度取引がヒットし、短期的にはボラティリティの高い相場となる事が想定されます。ドル円に関してては、100円割れを試す流れもありそうですが、本邦当局の「ポンド買い・円売り」介入(噂や口先を含む)などから急速に値を戻すような乱高下もあるかもしれません。ただし、リーマンショックの時と異なり、今回は流動性リスクを想定して、中央銀行間で緊急資金供給の体制ができており、パニック売りが長期化する事はなさそうです。
英国国民投票が通過・一段落すれば、市場の関心は、米国の利上げ動向に移行する。独立記念日明けまでは様子見ムードが続くかもしれないが、8日の雇用統計前後から変動が高まるだろう。