「含み益」を考慮すると株価は割安
┗東京建物(8804)
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*6月9日追記
1~3月期はマンション販売の端境期にあたり、連結経常利益が前年比48.7%減と落ち込みましたが、総戸数550戸の大型高層マンション「BAYZ TOWER&GARDEN」などが今期中に売上計上されるため、後半にかけて持ち直すことが見込まれます。
東京建物の時価総額は、不動産首位の三菱地所(2兆8,500億円)の10分の1ほど。今後、東京・八重洲地区の再開発が計画されており、丸の内の大家・三菱地所との差を縮める可能性があります。
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総合不動産では準大手クラス。オフィスビル賃貸のほか、『Brillia』ブランドのマンション販売も展開しています。
保有する賃貸用不動産は、貸借対象表に“簿価”で資産計上されており、時価は帳簿に反映されていません。
不動産市況の回復を受けて、同社が保有する賃貸不動産の価値が上昇し、取得簿価を時価が大幅に上回っている状況です。含み益は昨年12月末時点で「2,590億円」にも上ります。
同社の株価純資産倍率(PBR)は見かけ上、1.0倍をやや割り込む程度ですが、含み益2,590億円を考慮すると、実質ベースでは0.5倍程度まで引き下がる為、株価は割安感が強いとみることができます。
来週15日~16日の日程で、日銀の金融政策決定会合が開催されます。物価は4月まで2ヵ月連続でマイナスに陥っていることから、2%の物価目標に向けた追加緩和への期待感が高まりそうです。
不動産株は金利低下による利払い費の減少、地価上昇というダブルの追い風を受ける金利敏感セクターです。来週の日銀会合への思惑から、今週は強含む展開が期待できるのでは無いでしょうか?
小野山 功