2~3年先までの「視界は良好」
┗太平洋セメント(5233)
----------------------------------------
*6月2日追記
安倍首相は1日の記者会見で、消費増税の2年半先送りと併せ、「総合的かつ大胆な経済対策をこの秋講じる」とも発言しました。
リニア中央新幹線の大阪ルート延伸の前倒しを支援するとの言及もあり、東京―名古屋ルートの開業後、期間を開けずに大阪延伸工事が着工される可能性があります。
首都圏の建設ラッシュは、東京五輪前年の2019年にもピークアウトするとみられますが、2027年に着工を目指すリニア向けに需要が見込め、セメント需要の急減はさけられそうです。
----------------------------------------
セメント生産量で3割超の国内シェアを持つ業界首位。日本よりも海外生産が上回っており、内需縮小を見据えたグルーバル展開を加速しています。
同社は昨年制定した「中期経営計画」の中で、2017年度に売上高9,500億円以上、営業利益を800億円以上とする数値目標を掲げました。
5月12日に発表された2016年度の業績予想で、営業利益が620億円になりそうだと見通しを開示し、来期に800億円の営業利益を稼ぐことができるのか?と先行きを警戒する売りで株価は伸び悩んでいます。
2016年度は、首都圏を中心にインフラ需要は旺盛なものの、中国など海外市場の落ち込みを想定し、上半期に業績が落ち込む見通しを開示しています。
ただ、決算後に株価が調整したことで、同社株の株価収益率(PER)は10倍割れと割安感が強まっています。
2020年の東京オリンピックに向けて、2018年~2019年までは首都圏の建設ラッシュが続くと見られており、向こう2~3年の先行き見通しは明るといえます。
また、6月1日(水)に予定される首相会見では、消費税率引き上げの先送りと合わせ、2次補正による景気対策が打ち出される可能性があるため、公共事業への期待から建設関連には引き続き資金が向かいやすいと考えます。
小野山 功