前期は「最高益」更新。連想物色の期待十分
┗広島電鉄(9033)
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*5月19日追記
不動産販売の減少や、減価償却費の増加を考慮し、今期の経常利益を83.5%減の380百万円との見通しを開示しています。
業績が大幅に落ち込む予想ですが、16年3月期は期初の会社計画に対して、経常利益が4割ほど上回って着地しており、業績予想を保守的に出す会社とみることもできます。
電車の動力は電気ですので、電気代が大きなコスト要因になります。原油やLNG調達価格の下落を反映し、6月の電力価格は2ヵ月ぶりに値下がりする見通しです。ファンダメンタルズ面からも見直し余地がありそうです。
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広電(ひろでん)の愛称で親しまれる鉄道会社。路面電車では日本最大級の規模を誇ります。
5月9日に発表された16年3月期業績は、営業利益は前年比4.9倍の25.2億円、最終利益が同73%増の18.4億円と最高益を更新しました。
被ばく70周年関連で観光客を含めた利用者が増加したことで、運輸事業は増収となりました。
今期は前期の収益を牽引した不動産事業で、分譲マンションの販売がないため、営業利益は84%減と大幅に減る見通しではあるものの、決算発表後の株価は2.5%安と悪材料視する向きは限定的でした。
来週26日から開催されるG7主要国首脳サミット(伊勢志摩サミット)の出席にあわせ、オバマ米大統領が被爆地・広島を訪れることが決まりました。平和記念公園を訪れ、慰霊碑への献花を行う予定です。
広島への注目度が高まることで、同県地盤で東証2部上場の広島電鉄に連想物色が向かう可能性がありそうです。
小野山 功