28年減配なし、利回りは「4%台半ば」
┗キヤノン(7751)
----------------------------------------
*3月9日追記
東芝メディカルシステムズの売却先として、キヤノンが優先交渉権を得たと9日に日本経済新聞などで報じられました。
買収額は7000億円規模と巨額ですが、全額を借り入れで賄ったとしても、キヤノンの自己資本比率は60%台と、健全な財務体質は維持できそうです。
東芝メディカルシステムズの買収により、医療機器部門の売り上げは国内3位の富士フイルムに迫る見通しです。医療機器メーカーとしての躍進が期待されます。
----------------------------------------
言わずと知れた大手電機メーカー。カメラや事務機器で世界有数ですが、有機ELの分野での飛躍が期待されます。
2010年に買収したトッキ(現、キヤノントッキ)が、有機ELディスプレイの製造装置を手掛けており、スマートフォンメーカーを中心に有機ELの採用が増えているためです。
米アップルが、液晶に代わる表示パネルとして、消費電力が小さい有機ELを2017年発売モデルより採用することが報じられています。
また、経営再建中のシャープが、増資により調達する資金のうち2,000億円を有機ELディスプレイの事業化に向けた開発や設備投資に充てる方針を示しています。
キヤノンは1988年以降、28年間も配当金の減額を行っておらず、株主還元の先駆けともいえる優良企業です。
有機ELディスプレイの実用化はまだ1年以上先とみられるため、すぐに業績に寄与するものではありませんが、減配リスクは低いため、長期保有でも妙味があります。
年初からの株安で同社株の配当利回りは4.5%に高まっています。12月期企業で今月の配当はありませんが、4月からスタートするジュニアNISAの組み入れ対象としても魅力的かと思います。
小野山 功