配当利回り3.5%、減配リスクは低い
┗沖電気工業(6703)
通信機器の老舗、通称はOKI。かつては「電電御三家」と呼ばれ、NTTと親密な企業として知られていましたが、現在は現金自動預け払い機(ATM)が主力で、NTTへの依存度は低下しています。
日本を訪れる訪日外国人が昨年ほぼ2,000万人に達し、2年でほぼ倍増しました。外国人旅行者の急増で、金融機関などは海外カードに対応したATMを増やす方針です。
海外カードに対応したATMは、現在セブン銀行とゆうちょ銀行の2行が中心ですが、都市銀行や地銀も海外対応端末の設置を増やす計画です。
国内のATM市場は、日立オムロンと富士通フロンテック、同社の大手3社による寡占状態で、2020年の東京オリンピックに向けて更なる拡大が期待できそうです。
一方、同社は今期、好調だった中国向けのATM事業で、現地パートナー企業による代金支払いが滞り、200億円あまりの売掛金を回収できない事態が発生しました。
ただ、特別損失を考慮しても、16年3月期の最終赤字は回避できる見通しであることや、一株当たり「5円」の期末配当は維持すると発表しており、2月2日の決算以降、株価は戻り基調を強めています。
株価は100円台前半と低位ですので、配当利回りは3.5%に達しています。期末に一括して配当を出すので、あと2か月ほど保有すれば年間の配当金を受け取ることができます。
預金金利が0.0001%。100万円預けても利息がわずか10円という時代に、3%台の配当金は魅力的です。3月の期末に向けて、堅調な推移が期待できそうです。
小野山 功