好調な月次売り上げも切り口に
・アスモ(2654)
ミナトHD(6862)、オーミケンシ(3111)と低位株・超低位株を連続して相応のパフォーマンスを挙げた流れに乗って、今回はアスモ(2654)に注目してみたい。
超低位株となれば、それなりの悪材料や財務リスクを伴うが、同社は「無借金経営、15年3月期末のROEは14.7%という高水準、更に15年3月期末に念願の復配を実施、16年3月期も配当継続見通し」にあるなど良好な実態を擁する銘柄であるにもかかわらず、物色人気から放置されている格好だ。
東証2部、東証マザーズ、ジャスダックで断続的に低位株、超低位株が人気となっていることを考えると、同社株にも活躍素地があるように感じられる。
食肉卸のシンワと居酒屋などのオックスが合併した企業であり、食肉輸出入・食肉・加工食品の販売が中心と連想しがちだが、現在は高齢者介護施設などにおける給食事業を中心に、訪問・居宅介護事業所・有料老人ホームの運営、更には外食店舗の運営など多角化の進展に拍車が掛かる推移となっている。
給食事業の受託施設数は着実に増加、介護サービス契約者も順調な推移をみせている。アベノミクス「新3本の矢」のなかで「介護離職ゼロ」の具体策が打ち出されていることから、介護分野におけるフォローが今後も謳われる公算は大きく、国策に乗る銘柄として位置付けられよう。
アスモHP上の社長挨拶のなかで、「世界各地で迎えると言われる高齢化社会に向けて組織体制の構築に万全を尽くして参ります」と語られていることからも、今後の事業拡大に期待がかかるところだ。
外食店舗の運営は、現在のところ香港での外食店舗の運営が中心だが、昨年12月12日に、国内でレストラン事業を開始すると会社側が発表。フードサービス事業を運営するアスモフードサービスが、(株)ぱすとの株式を取得し子会社化、高収益体質への転換で主要事業に育成していく意向が明らかとなっている。
足元の業績推移も順調。月次実績が毎月発表されており、それによると、昨年4月から同1月までの累計売上高は前期比77.5%増となっている。給食・介護・香港外食店舗が牽引役となっており、多角化進展が結実していることをうかがわせる。
16年3月期連結業績は前期比7%増収、同6%営業増益、同8%経常増益、同53%最終増益の計画にあり、直近の会社四季報によれば、17年3月期は営業利益、経常利益ともに3期振りに10億円台に乗せてくる見通しとなっている。
株価は80円台の超低位に位置。週足でみれば一目瞭然だが、昨年2月からの底値もみ合いレンジの中央近辺での推移となっている。
日足一目均衡表でも雲上限を抜けをきっかけに昨日値を上げてきているので、確定売りに押されるタイミングを待ち下値を拾い、目先100円台乗せを期待したいところ。今後の動向に注目したい。
本村