今期黒字転換見通しで「変化率妙味」も
※12月30日 追記
昨日は寄り付きに一旦下げたものの、仕掛け的な動きが見られすぐに切り替えし、上値を取りにいったが心理的節目の130円を前に確定売りに押される格好となった。
前日よりやや劣るものの、出来高は270万株以上も出来ており、引けにかけても117円近辺で拾われている動きを見る限り、取引最終日となる本日も再度上値を取りにくる可能性は十分ありそうだ。
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■今回の注目銘柄■
・ミナトHD(6862)
「切り口多彩な低位株」としてミナトHD(6862)に注目したい。
フラッシュメモリにデータを書き込むデバイスプログラマ開発に国内で初成功するなど、開発志向強い中堅メーカーである同社。
展開材料は多く、その筆頭格は収益柱の一角であるタッチパネル関連製品であろう。
ATM・キオスク・券売機向けなどに実績があるが、今年10月にはタッチパネルとデジタルサイネージ(平面ディスプレイやプロジェクタなどで映像、情報を表示する広告媒体)の特設サイトを新規開設。サイト上には「2020年に東京オリンピックの開催を控えていることもあり、中・大型のタッチパネルやデジタルサイネージに対するニーズが高まる中、当社は特設サイトの開設を機にさらなる積極的な営業展開を図ってまいります」と謳われている。また、タッチパネル営業スタッフの新規採用も行っており、会社側の強い意欲を伺うことができる。
次にLED関連製品。同社はLED・無電極ランプの販売、導入支援を行っており、大手コンビニチェーン、中堅化学メーカーなどに納入実績がある。政府がエネルギーを多く消費する白熱灯と蛍光灯について、国内での製造と海外からの輸入を、2020年度をめどに実質的に禁止する方針を固めたことが報じられており、岩崎電気を筆頭とする関連株が急騰を演じたことは記憶に新しい。
今後も断続的なニュースフローで関連株が動意を見せていくことになりそうで、関連株の一角として位置付けておく必要がありそうだ。
そして、再生可能エネルギー事業にも注目せざるを得ないといえよう。
太陽光発電事業を自社で行うための案件探索と、事業者への案件紹介を中心に再生可能エネルギー関連ビジネスを推進中。来年4月から実施される電力小売り全面自由化を前に、ガス・石油などのエネルギー企業を筆頭に、ローソンなど様々な業種からの売電事業参入が報じられている。太陽光関連株は一時の人気が完全に剥落した感があるが、全面自由化をキッカケに何らかのウネリが再燃する公算もあるのではないだろうか。
こうしたテーマ性に加えて業績面も着実に改善中。16年3月期9月中間期は、民生・車載向け変換アダプタの好調、書込み分野の拡大で営業収支の赤字予想幅が従来比で縮小。16年3月期見通しは変更されなかったものの、5期ぶり黒字転換を計画している会社側目標は「上乗せの含み」を持っているとみるところだろう。12年3月期から赤字体質を継続してきたこともあり、黒字転換という「変化率妙味」も大きそうだ。
2007年末以降、長年にわたって株価100円割れでの推移を余儀なくされてきたが、ここにきてようやく実態評価の動きとなってきた。先週末は109円での終値となり、これは引け値ベースでみれば2007年11月以来、「実に8年ぶり」の水準となる。
年内受け渡し最終日にあたる25日にかけて多くの銘柄が換金売りで値を消すなかにあって、異彩の強さを演じた格好だ。今後の動向に注目したい。
本村