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今年の株価は?(その3)

第3話 アベノミクス相場のゴールは


最近バブルという言葉をよく耳にします。なにしろ、株価が1991年以来26年ぶりの高水準で、東証全体の時価総額が700兆円を超え、バブル期の611兆円を大幅に上回り、株価が年間3,650円(19%)の大幅高となれば、新聞の見出しにバブルの文字が躍るのは無理もありません。でも……。


今回の相場はそれまでの相場が極端に安かった反動と、日本企業の想定を超える収益改善が原因で、ファンダメンタルからみた相場の通常サイクル、底値期、上昇期、天井期、下降期のなかでの上昇局面に過ぎません。


バブルには、バブルが弾けたときの下落心理に訴えて、今が天井だという状態を暗に伝えたい意図がありそうです。今の状況を表すならばブームのほうが正しいと思います。バブルとは、相場が加熱し理屈がつかないほどに高騰するというのが、市場における通念です。今は単なるブーム、これからの大相場の予兆と考えています。バブルは弾けてみないと分かりません。


今回のアベノミクス相場が、理屈のつかないほど高騰するには、株価が30,000円に達したときと考えています。日本のEPSは、500円から1,000円の間を動いていましたが、それがここ2~3年の間に急激に増加し2018年の決算では、1,500円を超え、翌年にはさらに10%ほどの増益が見込まれています。


ESPが10%増加しPERを18倍まで買うと、29,700円という数字が弾きだされます。ただ、このころになると世界景気の落ち込みが心配され、日本でも消費税の引き上げや、オリンピック景気の反動が重なり、経営者の態度も楽観から悲観に替わることも予想されます。増益基調が永遠に続くとみるのは楽観的過ぎる気がします。


もっともこの見通しは、株価=EPS×PERという投資理論から導き出されたもので、投資基準をPERから配当利回り、PBRと変えてゆけば、35,000円程度までの株価は正当化されそうです。さらにバブル高騰期にはあまり影響力のなかった、物価、原油、為替、GDP指数、国際情勢といった変数が、株価に影響を与えることも考えられます。


明日のことはだれにもわかりません。いくら変数を多くとり複雑な方程式を駆使してコンピューターにかけても、答えが当たるとは限らないのです。アメリカがリーマンショック後の高値を超え力強く上昇しているのをみて、バブル解消にはバブル時の高値を超えることが前提と考える市場関係者も多いと思われます。そうなると、アベノミクスの高値は案外、40,000円突破ということになるかもしれません。


いずれにしろ急激な上昇は、日本では資産格差の拡大に繋がり、株を持たない人からの不平等発言も出て社会問題化する恐れがあます。バブル、バブルの声を小さくする意味からも、時間をかけての株価が上昇することが望まれます。


著者は、バブル相場が悪いとは思いません。うまく乗りこなせば大きな利益を投資家に与えてくれるチャンスになるからです。バブル相場を「バブル相場だ」と思って臨むのと、そうでないのとでは、最終的な投資結果に大きな違いが表れます。


コンスタントに続く日銀のETF買いに加えて、企業収益の向上期待と、円安による海外からのM&A攻勢から、株価の下値は硬いとはいえ、適温相場の持続がバブル発生防止のカギとなります。


~~~~~
以上は2018年1月に発刊した「バブル大研究」の一項をそのままコピペしたものです。そのため年数などが現在と会わない部分がありますが、株価などはそのまま使っています。3年前とはいえ、現在に置き換えてもそんなに違和感のないのには、書いている私でさえもびっくりです。


ところで、18年当時と今との比較で書き加えたいことは、コロナパンデミックの影響です。感染者数が増えるということは、感染拡大防止のために経済を止めなくてはなりません。日本でも今批判されているように経済と感染防止策とは両立しないのです。飲食店、旅行業者への補償、生活保障のための一時金は、すべて中央銀行が供給することになります。


現在、世界中の中央銀行は、日夜、大量のマネーを刷って市場に供給するという「量的緩和」を続けています。


アメリカの場合、FRBの量的緩和は、史上ありえない規模になっていて、このマネーが市場にあふれこれが、株価引き上げの原動力になっています。


日本でも状況は同じといえます。ただ、日本の場合は、アメリカと違い長い間の不況体験から、インフレよりデフレに対し、お金より投資に対する恐怖心が強く、コロナ下にあっては経済よりコロナ克服願望が強いといえます。


ところが新年に入って状況が一変しました。半導体不足が深刻になって、自動車生産にも影響を与えるようになってきました。韓国のサムスン電子の営業益がコロナ下にあっても20%の増益で、韓中で3兆円もの設備投資をするというのにも脅かされましたが、この日の日経の商品欄を見ると、熱延コイルから異形棒鋼、合板、高機能樹脂、ポリエチレン樹脂に至るまで、さらには牛肉まで値上げの記事で埋まっています。


インフレにはデマンドプル型とコストプッシュ型とがあり、デマンドプル型が望ましいとありましたが、今の状態はどうやら需要が価格を引き上げているようです。そうなると、いよいよ日本にもインフレの足音が忍び寄り、これで企業の設備投資に火がつきます。


物価上昇が本格的になれば、タンスに眠っていた個人預金も動き出し、消費がコロナ下でも増加します。これでコロナの拡大が少しでも収まれば経済は正常化し、株価も日銀が押し上げなくても上昇します。リスクとしては、この過程で政府が交代することです。携帯電話利用料金の引き下げや、経済のDX化、カーボンフリー対策などの新しい経済目標に対しては、反対勢力があるのは当然で、これが倒閣勢力を支えているのです。


今回の上昇局面で日本にも、ウォーレンバフェット氏のような「投資家」という新しい職業(身分)が、生まれてきたことに意義を感じています。投資家目線で株価を見る人たちが増え、この人たちが明日の株価を作れば、「投資家」に対する世間の目が変わってくるのではとの願いです。


以上で、今年の経済と株価予想は終了です。長い間のご愛読とご支援ありがとうございました。



1件のコメントがあります
  • イメージ
    美愛さん
    2021/1/11 18:20
    こんにちは♪

    めちゃくちゃ良かっです!
    勉強になりまして、私の今後の投資に充分役に立ちます。

    いろいろと教えて頂きましてありがとうございます♪

    また何か違うシリーズでブログを書いてくれたらありがたいです!

    本当にありがとうございました。
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