KDDIとネット銀行子会社のauじぶん銀行は30日、携帯通信サービス「au」の契約者に対し、住宅ローン金利を年0.07%引き下げる優遇策を始めると発表した。住宅ローンと携帯サービスのセット利用に対する優遇は国内で初めてという。金融と通信事業の連携を深め、グループ一体で契約者を増やす。
12月1日から「住宅ローンauモバイル優遇割」の申し込みを受け付ける。同居家族の人数に応じて月々の携帯料金を割り引く「家族割プラス」の加入者を対象に2021年3月から適用する。既に同行の住宅ローンを借り入れている契約者も申し込める。
KDDIは携帯通信市場が成熟するなか、金融などサービスの幅を暮らし全般へ広げている。auじぶん銀の住宅ローンは運営コストが軽いネット銀行ならではの低金利を強みに貸付額が1兆円を超えた。預金残高は9月末時点で1.7兆円と、業界首位の住信SBIネット銀行や楽天銀行などを下回るが、約4千万に上る携帯の顧客基盤を生かす。
auじぶん銀の住宅ローン金利は既存の電気サービスとのセット契約による優遇策を合わせると、最大年0.1%引き下がる。30日記者会見したKDDIの金融持ち株会社、auフィナンシャルホールディングスの勝木朋彦社長は「通信サービスと組み合わせて今後も金利条件などを改善していく」と述べた。