株育男さんのブログ
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ノーベル賞と経済学
こんばんは。
今日も酷い相場でしたね。
(空売りしていた場合は「超最高の相場」とも言えますが)
株価の下落が実体経済に急速に悪影響を及ぼし始め、
全世界を巻き込んで景気の後退局面を招いています。
企業業績の悪化、雇用の現象。すでに数字に現れています。
欧米各国で銀行に公的資金が注入されたり、合併したり、
なんか一時代が終わったんだなーという雰囲気を感じます。
さて、タイトルにも書いたのですが、
日本人(といっても在米の方も)4名がノーベル賞を受賞しましたね。
偉大な研究が顕彰される事は、
日本人だけでなく全世界の慶事だと思います。
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一方で、私はかねてより、
ノーベル経済学賞の存在そのものに疑問を持っていました。
普遍的な法則の発見というのがかなり困難な学問分野なんじゃないか、
ニューエコノミー、効率的市場仮説、ランダムウォーク、
いづれも思考実験の域を出ない科学性を欠いたようなものが、
学問分野として成立していたり、今も信憑性を持っている現状。
いかに経済学というものがとらえどころがなく、
奥深く、極めにくいかの証左だと思います。
LTCMの破綻は、
その経営にあたった人物のノーベル賞受賞時の理論との因果関係は知り得ませんが、
ノーベル賞の価値を大きく下げる出来事だったと思います。
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…実は、過去のノーベル経済学賞の受賞者とその理論を調べようと思ってネットで検索してたのですが、
Wikipediaに面白い事が書いてありました。
『アルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン銀行賞は、アルフレッド・ノーベル自身が設置、遺贈したものではなく正確にはノーベル賞ではない。』
『ノーベル経済学賞の設置自体が間違いであったと考える者も多い。1997年にはノーベル文学賞の選考機関であるスウェーデン・アカデミーが経済学賞の廃止を要請した。
ノーベル家の一部の人達はこの賞をノーベル賞として認めていないだけではなく、ノーベルの名の使用にも抗議している。2001年にはノーベルの兄弟の曾孫にあたるスウェーデン人の弁護士ら4人が地元紙ダーグブラデットに寄稿。経済学賞は「全人類に多大な貢献をした人物の顕彰」というノーベルの遺言の趣旨にそぐわないと批判した。』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%AB%E8%A8%98%E5%BF%B5%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AD%A6%E3%82%B9%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%87%E3%83%B3%E9%8A%80%E8%A1%8C%E8%B3%9E
という事で、
ノーベル経済学賞自体がそもそも「ノーベル賞」ではない。
スッキリしました。
過去の受賞者と受賞理由を見ても、
『分析手法の確立を称えて』とか『理論の開拓を称えて』とかで、
ほとんど「実証された理論」というのが見当たりません。
自然科学とは違うので仕方がないでしょうけど、
だからノーベル賞にはそぐわないと言われてしまうのでしょうね。
※理論的実証が理由にされた数少ないものに
『金融派生商品(デリバティブ)価格決定の新手法』なんてのがありましたが、
今の経済の混乱とどう絡みがあるのか、逆に興味があります
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Economyを「経世済民」から経済と訳したのは福澤諭吉だそうです。
経世済民とは、政治が良く運営されて民が広く救われるということだそうですが、
昨今の経済は人を救わず、
あまつさえ世界中を大混乱に陥れています。
私の口座から集団で諭吉先生が逃亡してしまったのも、
むべなるかな。
なんかノーベルさんはダイナマイト絡みで経済が好きでなかったと聞きました。
かなり前から経済学賞の批判はありますよね。
私は自然科学を専門に学習してきたので経済学って結構違和感を感じます。。
でも、会社に入って強制的に経済理論の一部を学習させられたんですけど。。XX
風が吹くと桶屋が儲かる理論ってやっぱり胡散臭いです@@
経済学って自然科学と違って普遍的なものではないんですよねぇ…
常に流動的だし。
大体が理論の中にモデルが存在する所がやっぱり胡散臭い(笑
とはいえそんな所に身銭を切って参戦している自分もそんな経済モデルの一部なんでしょうね(^^ゞ
コメントありがとうございます。
Tanpanさんも自然科学系だったのですね。
違和感感じますよね。
自然科学で最重要視される再現性、普遍性などが、
経済学では証明不能ですからね。。
昨今の暴落も、私から言えば
「経済学でどう説明すんねん!!!(怒)」なんですが、
経済学者に言わせれば
「効率的に市場原理が動いた結果です」とか、しゃぁしゃぁと言いそうです。
そうならないようにする学問であってほしいと思います。