本邦では、糖質制限のパイオニア的存在らしい。
なにしろ己の体を使って、チャレンジしてきて現在あるというのだから、
その説得力が凄すぎる。
彼が50代の頃、糖尿病患者に推奨してきた食事法を摂っていたにもかかわらず、肥満、糖尿病、高血圧などなど煩ってしまったという。
そんな状況を脱するべく、糖質制限を試すこととなった。
きっかけは、実兄が本邦初の試みとして取り組んでいた糖質制限食にあった。1999年のことだという。すると、それを食した糖尿病患者達の数値がみるみる改善していったのを、目の当たりにしたのだという。
★「内臓脂肪がストン!と落ちる食事術」
江部康二著 ダイヤモンド社 2019.5.8.第一刷 2019.5.30.第二刷
摂取する糖分がゼロでも、肝臓での糖新生により必要な糖分は合成されるのでなにも心配がない、インスリンが機能しているのであれば、糖尿病性ケトアシドーシスを発症することはなく、それは生理的ケトーシス、などなど医師の間でも論争になっていたという問題を、あっさりと一蹴してしまうのも、著者自身がみずから実験台になっているところから、説得力が大きい。
また、果物に関しては、肝臓へダイレクトに作用して中性脂肪を作り出してしまう果糖(人工の果糖ブドウ糖液糖も含む)が猛毒ということ、糖質過多が糖化を引き起こしAGEs(終末糖化産物)を生成し、これが老化やガンなどに拍車をかけてしまうなどなど、前回紹介した「糖質過剰症候群」と同様な記述があった。
こうした糖質制限の流れは、世界中で流行していくようであり、
となると、小麦粉や白米(玄米なども含む)の摂食量は激減していくだろう。
代わりに肉類や卵、チーズ、葉物野菜、キノコ類などの摂食量は激増していくのだろう。
これは、個別株の密かな材料に違いない。