3/16時点で日経平均のPERは12.70倍と極めて低い水準です。
それもその筈、3月第1週(3/5~3/9)の投資主体別売買動向によると
海外投資家は日本株を現物・先物合計で9 週連続
現物は8週連続で売り越しています。
その理由はざっくり三つあると思います。
〇円高よる輸出企業の業績悪化懸念
〇トランプ政権による保護主義政策への警戒感
〇森友問題に端を発した安倍内閣の支持率低下(-9%で37%に低下)
中でも安倍内閣の支持率低下は深刻な問題で
外交で目を見張る成果を上げることだけが命綱だと思います。
ただ幸か不幸か、米国の関税引き上げ問題や米朝首脳会談の実現という
安倍外交にとって最大且つ最後とも言える大舞台が用意されているだけに
起死回生の成果を得られるかどうかが安倍政権の命運を分けると考えます。
またトランプ大統領の暴走は中間選挙を意識した行動なので
まだまだ新たな爆弾が用意されていると思います。
今のところ中国や欧州は具体的な対抗措置を示していませんが
国際社会が報復措置を実行に移せば
新たなトランプ爆弾が炸裂し、実に傍迷惑な「有事の円高」となり
今度こそ1ドル100円割れが現実味を帯びるでしょう。
しかし異次元緩和で歪められた円相場が実態に即した水準に戻れば
国民生活にはプラスに作用する筈です。
何故なら日本の輸出額と輸入額はほぼevenなので
円高になれば輸入品が安く手に入るからです。
<総務省統計局:国別輸出入総額 2006年~2016年>
一方投資家目線で考えると円高は株価が下がるので困ります。
では何故円高になると日経平均株価が下がるかといえば
225銘柄の中に自動車産業やハイテク産業といった
輸出企業の割合が多いからだと言われています。
中でも自動車産業は為替の影響を最も受け易い業種なので
円高で日経平均株価が下がる要因の一つであることは間違いありません。
ただそれ以上に「円高=輸出株が売られる=日経平均下落」という
固定観念的な投資家心理が、輸出関連株だけでなく
内需株まで売らせる結果になるのではないかと推察しています。
もう一つ、外国人はドル建てで日本株を売買しますから
円高になれば為替差益が生じるため
短期投資家の利益確定売りが増え
これが円高=株安の一因になることは充分有り得ます。
しかし円高も長く続けばそれが標準になり
円高という理由で海外勢が日本株を敬遠することは無くなると思います。
つまり個人的には「円高=株安」ではなく
「円高に振れることが株安に繋がる」と考えており
無理矢理円安に誘導する金融政策は円高に振れる機会を多くするだけで
自分で自分の首を絞めているだけだと思います。
(今日の一首)
「円高も 長く続けば 株高へ」
脱線した持論にお付き合い頂き有難うございました<(_ _)>