登場人物:
LOP:主人公
Q美:LOPの妻(ひでんわざ;のりのり&のりつっこみ)
「なんか悩みでもあるの?いまスゴイ顔してたよ。」
「ダイジョウブ。ただの生理痛だから。」
「またかよ!・・・。出会ったころ、まだ女子高生だったワタシにそう言ったことあったよねえ。あんときは(男の人でも生理痛あるんだ・・・)って本気で心配したんだから!。」
「あのときは心配かけたくなかったら、ほんの冗談で・・・。(でも保健体育の授業をちゃんと聞いてなかったんじゃね?。本気にするほうが不思議だろ。)」
「冗談ですむか!。そんだけ信用してたんだから・・・。その後、その信用は地底湖まで落ちたケド。で、どうしたワケ?。ハイ、ちゃんと言う!。」
「うーん。昔の知り合いにさ、近況報告的なメールを書いてるんだけどね。これがむずかしくてさ。」
「ふんふん、どれどれ・・・。今は別荘のログハウスにいて、ウッドデッキから、近くを走り抜けていくSLを眺めながらメールを書いています・・・かあ。全部本当っちゃホントだけど、なんか違うくね?これまるでセレブみたいじゃん。」
「そうだなあ、事情あって住むことになった僻地の丸太小屋の庭先を、騒々しくて真っ黒な煙を出す列車が通るのを見ながらメールを書いてる・・・のほうがより事実に即して、リアルだけどねえ。なんだかそんなこと書いたら、本気で心配してくれちゃいそうだしなあ・・・。ホントに優しくて良い人なんだよ。」
「だいたい、ここは手狭だしねえ。避暑ならともかく、ガチで別荘に住むって、どうよ?。」
「まっ、しょうがないさ。ヤツが入れそうな学校がこの近所にしかなかったんだからねえ・・・。ま、なるようになるさ。ヤツが卒業したらまた、どこに住むか考えようよ。」
「出たー。オトクイのセリフ。アナタのお母さん、(この子は昔から放浪癖があって、)って言ってたっけ。結婚する前に聞いておくべき最重要情報だったよねえ、それって。」
「まあね。でもヤツは卒業したらどうするのかなあ。」
「こないだ学校で志望届とか書かされて悩んでたよ。進学とか書いてたみたい。」
「オイオイ。見たことないぜ、勉強とかしてるところ。まあ宿題とか貯めすぎて、ずる休みまでして宿題をやってたのは見たことあるけどなあ。まったくリチギなのかバカなのか・・・。」
「誰に似たのかなあ。ワタシは宿題はカンペキにやるほうだったケド。アナタは?」
「まあカンペキ・・・(にやらないほう)だった。しょっちゅう廊下に立たされてたなあ。」
「そっか、ワタシたちみたいのを掛け合わせるとあんなのが出来るんだ。うふふ、カナリ面白いねえ。」
「(・・・面白い、かなあ?)その件でこないだヤツに相談されたんだ。それで将来は、ほとんどの仕事がAIの発達で機械に置き換えられるだろうから、ミュージシャンとかでも目指せば・・・ってアドバイスしといたよ。」
「H太、なんて言ってた?。」
「やだよメンドクサイって・・・。いっそ家族で海外でも移住しようか?。」
「どうして?。」
「H太でも働けるような場所が見つかるかもしれない。それに投信は今や世界のどこからでも出来るからねえ。」
「やだよメンドクサイ・・・あっ、おんなじだ!。H太とワタシ。」
「そりゃ、君が元祖だからさ。とにかく、子供は大切に育てて社会に返すものだと思うから、自立を手伝ってやらなくちゃね。でも進学とか就職とかで、H太が出て行ったら寂しくなるかもなあ。」
「ワタシがいるよ!。どっちかというとペット的な立ち位置だけど、ホラ、ダメな子ほどカワイイとか言うしさ。」
「(自分でカワイイとか言うもんかねえ。)ああ、そうだね。思えば、君は10代の頃からずっとそばにいて、支えてくれたんだよなあ・・・。本当にありがとう。地底湖まで落ちた信用がせめて地表レベルまで回復するように、がんばるよ。」
「ん?、ダイジョーブなの?。もっといつもみたくどす黒い腹黒オーラを出してくれないと(いいひとオーラのアナタなんて)・・・・、死亡フラグみたいで怖いんですケド。」
「え・・・!?。」