投資顧問無料４５２３エーザイ

[morioteruoさん]

4523　エーザイ
【取引要項】
買いメドは6420円前後まで。想定の取り組み期間は3-4週間程度。想定目標株価@6950円付近への戻りを期待。
一方、損切りについては5500円割り込みでリスク許容に応じて要検討と考える。
なお、取得株価、想定目標株価、損切りラインなどは、あくまでも参考値としての目安記載であり、投資家個々にリスク許容度などトレードの感覚は異なるため、ご自身の取引ルールやご判断を優先することが大切である。
(10日終値@6226円に対する目標株価の想定上昇率+11.6%前後。)
【推奨理由など】
「ヒューマン・ヘルスケア(Human・Health Care)」をコーポレート・スローガン(定款にも記載がある)とする医薬品メーカーで、国内4位(時価総額順)。会社ロゴの赤は動脈を、青は静脈を意味する。
神経系、消化器系に強みを持ち、認知症薬、抗潰瘍薬を世界展開する。2008年に米MGIファーマを買収、がん関連分野に注力する。
1960年代から1990年代にかけて、メチコバール(末梢性神経障害治療薬)、セルベックス(胃炎治療薬)を中心に急成長。
大衆薬もビタミン剤「チョコラ」シリーズと胃腸薬「サクロン」、ハンドクリーム「ザーネ」など知名度のある製品が多い。
同社はがん関連分野に注力のほか、アルツハイマー病の根本治療薬の開発を目指している。
厚生労働省によると、要介護になる要因の2位は認知症で、その大多数がアルツハイマー病であるという。
アルツハイマー病の医薬品は、これまで病気の進行を遅らせるものはあっても、根本的な治療薬がない状態。
一方で、アルツハイマー病の発症機序として「アミロイドβ(ベータ)」仮説が有力視されてきている。
アミロイドβは、神経細胞の表面から突き出たAPPたんぱく質が、酵素により切断されたものだという。
アミロイドβが凝集するとシナプスが働くなり、神経細胞の内部が線維化して、神経材棒が死滅してしまう。このアミロイドβの蓄積を阻害することで、アルツハイマー病を治せると考えられている。
このアルツハイマー病治療薬として、同社はアデュカヌマブとBAN2401の候補薬を有する。
いずれもアミロイドβオリゴマーと結合することで、アミロイドβの量を減少させる効果が期待できる。
すでに同社では、米バイオジェン・インクと共同開発のE2609(BACE=βサイト切断酵素=阻害剤)について、米国医薬食品局(FDA)よりファストトラック指定(Fast Track designation)を受領している。
ファストトラックにより、FDAとの協議機会の増加など、開発から審査までの迅速化が期待できるほか、臨床試験結果によっては、新薬承認申請時に優先審査に指定される可能性も高まる。
世界で認知症患者は4700万人(2015年)と推計され、マーケット規模が大きい分野だけに、「アミロイドβ(ベータ)」仮説による根本治療薬の創生が待たれる。
米で薬価引き下げを表明しているトランプ大統領が誕生したことなどの影響から、同社の株価は冴えない低位水準にある。
しかし、業績が特段に悪いわけでもなく、がんや認知症など喫緊のテーマに取り組んでいるだけに、軽視できない銘柄。
3月期末配当取りをきっかけに見直しに進んでくると考える。
今期(17年3月期)の通期業績計画は、売上収益5480億円(前期比+0.0%)、営業利益600億円(+15.5%)、税引前利益588億円(+16.5%)、親会社の所有者に帰属する利益413億円(△24.8%)、1株当たり純利益144.4円見込み。
今期業績の利益水準から、株価は3月末～4月月初にかけて6950円付近までリバウンドすると考える。