【為替市場見通し】ドル・円の上値はやや重いままか、米利上げ時期を見極める展開
来週はドルの上値はやや重いままとなりそうだ。米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ時期をめぐり、26日に予定されるイエレン議長の講演や4-6月期
米国内総生産(GDP)改定値が注目される。連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーでも見解の違いがみられることから、売り買いが交錯しそうだ。
8月5日に発表された7月の米非農業部雇用者数は予想を大きく上回り、早ければ9月にも引き締めが決定されるとの期待が高まったが、その後発表された7
月消費者物価指数や7月小売売上高などは低調な内容だった。
早期利上げ期待は大きく後退し、ドル売りがやや優勢となっている。4-6月期GDP改定値が下方修正された場合は年内利上げ観測が一段と低下しそうだ。
最大の目玉はジャクソン・ホールで行われるイエレン議長の講演か。7月26-27日に開催されたFOMCでは雇用の伸びなどに関して意見が分かれ、全体のトー
ンとしてはややハト派と市場では受け止められた。これまで引き締めには前向きなスタンスを示してきたイエレン議長が、ハト派的な発言をすれば9月利上
げの可能性はなくなり、ドル売り材料となりそうだ。
一方、主要国の株価は引き続きドルの値動きに影響を与える見通し。特に米国株が底堅い動きを続けた場合、ドルのサポート要因となろう。
【経済シンポジウム(ジャクソン・ホール会議)】
(25-27日開催予定) カンザスシティ連銀主催のイベントで、26日に予定されるイエレンFRB議長による講演が最大の注目イベントか。他の金融当局者の発言も聞かれる見通しで、FOMCメンバーの考え方の違いが鮮明に。
【米・4-6月期国内総生産(GDP)改定値】(26日発表予定)
4-6月期米国内総生産(GDP)改定値は前期比年率+1.2%を+1.1%への下方修正が予想されている。足元で発表された米雇用統計は予想を下振れるものが目立っており、GDPが下方修正された場合は年内利上げ観測が一段と低下しそうだ。
フィスコ